ドリフトベース新時代はアルテッツァから始まる
ミサイル流ワイドボディが新たな定番を作る!
ツアラー系FRセダンの価格高騰が止まらない。かつてドリフトシーンを席巻したJZX系は、いまや若いユーザーが気軽に手を出せる存在ではなくなっている。そんな状況を受け、ガレージミサイルが新たなドリフトベースとして提案するのがSXE10アルテッツァだ。

「ツアラーは本当に高くなりました。1G搭載車でも200万円オーバーなんて当たり前。もっと気軽にドリフトを始められるクルマが必要だと思って、アルテッツァに目を付けました」。
そう語るのは、ガレージミサイル代表の宮本さん。
FRセダンとして登場し、デビュー当時はチューニングベースとして大きなブームを築くまでには至らなかったアルテッツァ。しかし現在では、3S-GEのターボ化に関するノウハウや流用パーツも充実。チューニングベースとして改めて面白い存在になっているという。

今回のデモカーも、そんなアルテッツァの可能性を具現化した1台だ。エンジンにはトラスト製ボルトオンターボキットを装着。現在では絶版となっているキットだが、現代の高効率タービンなどを組み合わせれば、さらなるパワーアップも狙える。
「軽いボディなので、ボルトオンターボでも十分速いんです。それなら見た目も本気にしようと思って、オーバーフェンダーやエアロも全部オリジナルで製作しました」
こうして生まれたのが、ミサイル流のアルテッツァワイドボディだ。じつは、このエアロプロジェクトは約10年前から温め続けてきたもの。ミサイルの代名詞ともいえるハカマデザインをベースに、現代のドリフトシーンに合わせて各部をブラッシュアップ。単なるドレスアップではなく、「新たなドリフトベースとしてアルテッツァを楽しむ」というコンセプトを、そのままスタイリングへ落とし込んでいる。


最大の見どころは、前後片側120mmという大胆なワイド化を実現したオーバーフェンダーだ。価格はフロント、リヤともに6万5780円。10.5Jマイナス15という超深リムホイールも余裕で飲み込む圧倒的なサイズ感を持ちながら、極端なキャンバーに頼ることなくタイヤをしっかり使えるトレッドを確保している。
つまり、迫力あるスタイリングだけが狙いではない。タイヤの接地性を高め、ドリフト時のコントロール性を引き上げることまで考えた機能的なワイドボディなのだ。

フェンダー形状も単純な貼り付けタイプではない。後端を絞り込んだ立体的なデザインとすることで、ワイド感を演出しながらボディラインをスマートにまとめている。リヤ側は片側3ピース構造とし、リヤドアの開閉まで考慮した専用設計。アルテッツァ専用として細部まで作り込まれている。


フロントバンパーは8万8000円。ミサイルらしいハカマ形状を取り入れながら、ボリュームを抑えたデザインで、サイドステップ(8万8000円)からリヤバンパー(8万8000円)へと自然につながるボトムラインを構築する。
JDMテイストを強く感じさせながらも、アルテッツァのボディラインを崩さず成立させているのがポイントだ。


さらに、フォグランプ部分にはオイルクーラーなどへフレッシュエアを導くダクトも設定。見た目のインパクトだけでなく、ターボ化したエンジンの冷却性能まで考慮した機能パーツとなっている。


リヤ周りも抜かりはない。FRPトランク(7万6780円)は、丸型の純正テールランプを廃した大胆なデザインを採用。さらにダックテール(4万3780円)を一体化することで、スポーティなリヤビューを演出している。GTウイングとの組み合わせも自然に決まる、ドリフトマシンらしいスタイルだ。

そして、このアルテッツァプロジェクトを語るうえで欠かせないのが宮本さんの存在だ。
かつて“宮本軍団”を率いるセフィーロ乗りとして名を馳せ、その後はツアラーVを駆ってD1ドライバーとしても活躍。現在は整備専門学校へ通いながら家業を手伝う息子のこうきさんとともに、アルテッツァの可能性を追求している。
「アルテッツァはツアラーの影に隠れていましたが、パワーさえ与えれば本当に面白いクルマ。今風のエアロやワイドボディで仕上げれば、新しい走り屋世代にも十分刺さると思います」。


もちろん、ターゲットは本格派だけではない。
片側120mmのワイド仕様に加えて、ストリートユースを意識したタイプSオーバーフェンダーもラインアップ。こちらは出幅を抑えた設計で、価格はフロント、リヤともに5万4780円。基本的なパーツ構成を踏襲しながら装着しやすさを高め、より幅広いアルテッツァオーナーが楽しめるようにしている。

ツアラー系FRセダンが高嶺の花となったいま、軽量なFRセダンというアルテッツァ本来の魅力が、改めて見直され始めている。
ターボでパワーを与え、ワイドボディで足元を拡張。そして現代的なJDMスタイルを与える。ドリフトベースとしても、スタイルを楽しむ素材としても、アルテッツァにはまだまだ伸びしろがある。
ガレージミサイルが描くのは、JZX系の代替ではない。これからの世代が選ぶ、新しいFRドリフトベースのカタチなのだ。
●取材協力:ミサイル 埼玉県さいたま市西区島根623-1 TEL:048-621-0007
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