「SPORT」の名を冠しても足まわりは専用じゃない! 巨体を感じさせない引き締まった走り

前編に続きお届けする、インフィニティQX80 SPORTの現地取材レポート。後編は、まず走りのインプレッションからお届けしていこう。
最新のボディ・オン・フレーム構造を採用するQX80は、前後サスペンションにはダブルウィッシュボーンを採用。電子制御のエアサスペンション(「PURE」を除く)と、走行中の減衰力をアクティブに制御するダイナミック・デジタル・サスペンションも搭載されている。

新グレードとして後から追加され、名称に「SPORT」と付くことから、QX80 SPORTはサスペンションに専用チューニングが施されているのかとも想像したのだが、特別な変更は施されていない。ただ、筆者は以前に最上級グレードである「AUTOGRAPH」も試乗したが、その時すでにQX80がとてもフルサイズSUVとは思えないほど、体幹のシャキッとしたスポーティな乗り味を信条としていることを体感していた。
QX80 SPORTの乗り味も基本的には同じで、ボディ・オン・フレームにありがちなシャシーとボディの動きがズレて伝わってくる感覚がほぼ抑えられ、上下左右に大きく揺さぶられる不快な乗り味は皆無と言っていい。

22インチのタイヤは、いわゆるオールシーズンタイヤのブリヂストンALENZA SPORT A/Sが装着されていたが、舗装路であれ未舗装路であれしっかりとした接地感をドライバーに伝えてくれて、運転していて頼もしさを感じた。セカンドシートに陣取るVIPにとっては、もう少し柔らかい乗り心地が望まれる可能性もありそうだが、そのVIPの安全を第一に考えながら、高級ホテルから砂漠まで、あらゆるシーンでハンドルを握るショーファーにとっては、これ以上ない相棒になってくれるに違いない。

24スピーカーの高級オーディオにプロパイロット! 長距離移動を支える充実装備
ちなみにQX80 SPORTとAUTOGRAPHには、ハイエンドオーディオメーカーであるKlipschの24スピーカープレミアムオーディオが装備されている。フロントシートのヘッドレストにもスピーカーが備わり、音楽がよく聴こえるのはもちろん、ナビゲーションに目的地設定をしていると音声ガイドも耳元で指示を与えてくれる。ヘッドアップディスプレイにも進行方向が示されるため、右左折の見逃しをとことん防止。これもまた時間厳守のショーファーにとっては大事な機能なのかも知れないと、妙に納得してしまった。

QX80 SPORTとAUTOGRAPHには、Klipschの24スピーカープレミアムオーディオを装備。フロントシートのヘッドレストにもスピーカーを内蔵し、ナビの音声ガイドも耳元から聞こえる。
また、ADASには日本でもお馴染みのプロパイロットを採用。AUTOGRAPHには条件付きハンズオフアシストが備わる「ProPILOT Assist 2.1」が搭載されているのだが、SPORTには全車速追従式ACCの「ProPILOT Assist 1.1」が標準装備されている。

これもまた広大な大地をひたすらまっすぐ走ることの多いアメリカでは、もはやなくてはならない装備と言えそうだが、実際のところ燃費の改善効果は侮れない。実は今回の試乗では20.4MPG(8.67km/L)の平均燃費を記録したのだが、これはカタログ燃費の17MPG(7.22km/L)を1.45km/Lも上回る値なのだ。

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3列目使用時でも十分な荷室容量! シートを倒せば奥行き2m超の巨大スペースに
荷室もかなり広くて実用的。サードシート使用時でも奥行きは約432mmあり、幅が約1295mm、高さが約863mmと、日常的な買い物などに十二分な広さだ。



荷室の右手側面にはサードシートとセカンドシートの電動格納、エアサスペンションの高さ調整が可能な操作スイッチを装備。サードシートを格納すると奥行きは約1245mm、さらにセカンドシートも格納すると約2133mmにまで拡大。ほぼ段差のないフラットな拡大フロアを実現し、大きな荷物も余裕で積載することができる。

ちなみにQX80 SPORTの発売時の車両本体価格は10万1950ドル。この原稿を書いている時点の為替レートだと約1656万円だ。
QX80 SPORTに加えて、新型SUVの「QX65」も発売され、インフィニティは以前にも増してアメリカで存在感を高めている印象だ。最近は暗いニュースばかりが目立ってしまう日産だが、収益率の高いインフィニティが元気なことが希望の灯火にもなっている。



