筆者は2026年8月13日(木)に発生した「令和8年8月千葉豪雨」に遭遇。愛車が危うく水没被害に……

2026年8月13日(木)夕方から14日(金)にかけ、千葉県では線状降水帯による記録的な豪雨に見舞われ、県内各地で甚大なる浸水被害が発生。またあらゆる道路が冠水し、新聞報道によると1万台を超えるクルマが水没被害に遭った。気象庁ではこの豪雨に対し、「令和8年8月千葉豪雨」と名称を定めた。
筆者は千葉県在住(幸いにも筆者の自宅に被害なし)だが、河川の近くや低地にある近所の多くの家屋が床上・床下浸水に遭った。
筆者は2026年8月13日(木)19時頃、東京方面からの仕事の帰り道、愛車のスズキ ハスラーを運転中、これまで経験したことのない物凄い豪雨に遭遇。普段なら自宅まで1時間ほどで到着するところ、迂回・渋滞・迂回・渋滞……を経てこの日は7時間かかった。
なお14日朝、県内各地の道路では、水没して動かなくなったクルマが原因で大渋滞した(千葉市だけでも約2500台が道路上に放置)とテレビのニュースで知った。
冠水に強いクルマとは?
リサーチしたところ、一般的に冠水に強いクルマは、
・最低地上高、吸気口・排気口(マフラーエンド)が高く設計されている
・タイヤ径が大きい ※安全に走行できる水深の目安は「タイヤの高さの半分以下」とされる
・走破性に優れた4WD(四輪駆動車)
・電気系統に防水対策を実施している
結論から言えば、基本的にSUVやクロスカントリーは冠水に強い。一方、2ドアスポーツ、4ドアセダン、ワンボックス、軽自動車などは冠水に弱い(車種により異なる)。
では具体的にどの車両なのか? ネットで“冠水に強いクルマ”を検索したところ、

◎スズキ ジムニーシリーズ
◎トヨタ ランドクルーザー
◎三菱 デリカ
◎クライスラー ジープラングラー
◎ランドローバー ディフェンダー
などが浮上。
確かに2026年8月13日(木)、筆者がハスラーで冠水した道路を走行中、2ドアスポーツ車が真っ先に。次に4ドアセダンやファミリー向けの軽自動車が、比較的早めに走行を断念。またスポーティな外国車も、道のド真ん中に多数乗り捨てられていたのを多数目撃。
愛車のハスラーは車高の高さが幸いしたのか(車内でダッシュボードにある任意保険証書を引っ張り出し、何度も“水没時に保険適応されます”の事項を確認した)、様々な恐怖を感じながらも水没することなく、自宅まで無事に辿り着いた。
最低地上高の高いオフロードバイクは“冠水に強い”傾向あり

では冠水に強いバイクはどのようなモデルなのか? これは基本的にクルマと共通しており、一般的に
・最低地上高が高い
・排気口(マフラーエンド)や電気系統が高い位置にある
・タイヤ径の大きい
具体的には、不整地の走行を想定したデュアルパーパスモデル(未舗装路と舗装路の走行が可能な公道仕様車)、オフロード車、アドベンチャー車が冠水に強みを発揮。
反対に高性能なロードスポーツモデル、一般的なロードモデル、ツアラー、アメリカン、スクーター全般、小径タイヤ採用の小型車などは冠水に弱い。
「最低地上高」や「タイヤの外径」は“冠水に強いか・弱いか”の大きな分かれ目。分かりやすい例を写真で解説しよう。



バイクの「最低地上高(※注1)」とは、前後のタイヤと連動して動く部品(フロントフォークやスイングアームなど)を除き、水平な路面からの垂直距離がもっとも低い部分の高さを指す。一般的にエンジン下にレイアウトされたマフラーのエキゾーストパイプ、フレーム、カウル装備車ならばアンダーカウルの下面など、「地面との隙間」が最低地上高となる場合が多い。
※注1:最低地上高は水平な路面に車体を垂直に立て、ライダーが乗車していない空車の状態で計測。ライダーが跨ると体重でサスペンションが縮み、スペックの数値より低くなるのが一般的。
ロードスポーツ、オンロード、ツアラー(上記のホンダ Rebel 250)、アメリカンなどは、空力特性の向上やロー&ロングスタイル獲得などのため、最低地上高を抑えているのが特徴。
一方、不整地走行を想定したデュアルパーパスモデル(未舗装路と舗装路の走行が可能な公道仕様車/(上記のホンダ CRF250L〈s〉)、オフロード専用の競技モデル(上記のホンダ CRF250R)、アドベンチャーモデル、アウトドアモデル等は、路面の凹凸を乗り越える際、車体底面(マフラーやフレームやエンジン下部など)の接触を回避するため、最低地上高をアップ。
またマフラーの取り回しもダウンタイプではなく、地上から離れたアップタイプを繁用しているのがポイントだ。

オフ車でも冠水路の走行はNG! 高額な修理代や不具合発生の可能性あり
仮に上記3モデルが、「最低地上高(赤い矢印↑)」まで冠水したとしよう。オフロード走行を想定した上記ホンダ CRF250L〈s〉やCRF250R(競技用)は、
・ホンダ Rebel 250に比べ、エンジンが水に浸かるまでの高さに余裕がある
・ホンダ Rebel 250に比べてマフラーの排気口の位置が高いため、水が浸入しにくい(マフラー内に大量の水が浸入すればエンジンは停止する)
・大径ホイール&タイヤ装備のためディスクブレーキキャリパーの位置が高く、水に浸かりにくい
最低地上高の高いホンダ CRF250L〈s〉やCRF250R(競技用)は、不整地・泥地・水面の走行において、大きなメリットを生むのがポイントだ。

とはいえ、たとえオフロード走行を想定したモデルでも、道路上の水が最低地上高を越えた場合、エンジン内に水が浸入する可能性大。
バイクは走行中、強い雨風にさらされても走行できる乗り物。しかしクルマと同様、水の吹き付けには対応できるが、『水に浸かること』には非対応。船舶や潜水艦とは異なり、あくまでも「地上を走ること」を前提に設計されている。
『水に浸かること』に弱い箇所は、エンジン内部全般、マフラーなどの排気系、バッテリー・各種配線・基盤・コンピューターなどの電気系統、フューエルインジェクションやキャブレターなどの吸気系、スポンジを内蔵したエアクリーナー、ベアリングなどの可動部等々。
不具合の一例としては、もしも電気系統が水に浸かった状態でメインスイッチをONにした場合。ショートを起こし、発火する恐れあり。
また密閉されたエンジン内部に水が浸入すると、エンジン内部の各パーツはエンジンオイルによる潤滑が妨げられ、金属と金属による摩擦により破損。塩分を多量に含んだ海水の場合は、錆びや腐食が早期に進んでしまう。
高額な修理代。後々の不具合発生。身の安全確保を鑑みても、バイクで冠水路を走行することはNG。早めに走行を止め、迅速に高台へ避難することが重要だ。
もしも身動きがとれず、脱出のために仕方なく冠水路を走った時は、雨天走行後と同様、必ず水道水で細部までキレイに洗車し、しっかりと乾燥。またエンジンオイルやブレーキオイルの交換。ドライブチェーン、ワイヤー類、可動部の注油やグリスアップなど、各部のメンテナンスも徹底的に実施するべし。
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