アイシンの発想力とブリッツの実行力

このMCBを活用するため、車種ごとに専用ブラケットを用意してキット化したのがブリッツ。『B-MCB』と名付けられるこのアイテムは、MCBの効果を最大限に引き出すと同時に、ブリッツがラインアップするパーツとの共存を可能にする設計が施されているのが特徴となっている。

「MCBは内部の皿バネが持つ張力と、摩擦機構による抵抗の組み合わせによって、車体に加わるストレスや振動を受け流す構造となっています。この皿バネや摩擦機構のセッティングは車種ごと、さらに取り付ける場所によっても異なっています。そのため、ブリッツが設定したブラケットに合わせ、1台ずつ走らせながら味付けを変更しているんですよ」と語るのはアイシンの多田さん。

そもそも、MCBの開発は他の自動車部品を開発している中からヒントを得て、「オモシロイものが作れそう」と考えたのがきっかけなのだとか。ダンパーのようにストレスを吸収するだけでなく、スプリングを組み込むことで正常位置への回復を素早く行なう。まさにサスペンションの持つ機構を、そのままコンパクトなボディに埋め込んでしまったというわけだ。

MCBのラインアップには「1000N」と「3000N」の2つのタイプがラインアップされている。車種別キットのBLITZ 『B-MCB(価格:4万9500円〜/税込)』では、このどちらかをベースに据えさらに車種ごとの味付けが行なわれているのだ。
乗り心地を進化させるMCBの革新部分がこちら。赤で塗られた部分に収まる皿バネによって張力が発生。張力だけでなく白い樹脂パーツの摩擦によって衝撃を吸収することで微細な振れを抑制する。これらの調整によって車種ごとに最適なセッティングを導き出すのだ。

確実に体感できる車種別専用設計

「もちろん、サスペンションのように何十ミリも動くことはありません。ただ、ボディには振動することで1ミリにも満たない極わずかな変形が絶えず発生していて、これを抑えることはサスペンションの動きにも良い効果を与えてくれる。さらに、微細な振動を取り除くことで乗り心地もアップするのです」

また、前述の通り車種やサスペンションキットの違いでもセッティングは変えられている。例えばGR86ではノーマルサスペンション装着車とブリッツ・ダンパーZZR装着車では異なる製品番号が与えられ、その都度、開発元となるアイシンの手で官能テストによるセッティングが施されている。まさに、専用設計のサスペンションパーツというわけだ。

MCBを装着することで路面の凹凸やステアリング操作を行なった際のロール量は大幅に軽減。さらに横Gも小さくなるため、乗り心地とハンドリングが大幅に改善される。

対応車種続々追加の期待感

現在は32車種(開発予定含む)に及ぶラインアップを用意しているが、今後はさらに続々とバリエーションを増強していく予定。その車種もスポーツクーペだけでなく、ミニバンからSUV、軽自動車まで幅広く展開する予定というため、乗り心地が気になる人はチェックしておいて損はないはずだ。また、ブリッツでは全国の販売店で体感イベントを積極的に開催している。実際にB-MCBを装着したデモカーに乗ってみて、その効果を知ることも可能だぞ。

ブリッツでは実際に装着する車種を入手してブラケットの設計が行なわれる。その際には可能な限り車体の加工を必要とせず、しっかりと効果が得られるポイントを見極めることが第一。その上で、アイシンによる官能テストが行なわれ、晴れて製品化にたどり着くのだ。