FCと大容量バッテリーを効率よく使い分けることで燃費を向上!
航続距離は300km以上を実現
カーボンニュートラルの実現を目指すなか、トヨタは水素を重要なエネルギーと位置づけ、2014年に初の燃料電池自動車(FCEV)「MIRAI」を発売し、30カ国以上の地域に販売してきた。加えて2019年からは、水素から電気を起こす「燃料電池システム(FCシステム)」の供給を開始し、バスや鉄道、定置式発電機など、100社以上に3500基を超えるFCシステム(2026年9月末時点)をグローバルに供給してきた。また、パートナーとともに、水素カートリッジや水素サウナなどを開発し、日常生活に身近な領域でも脱炭素化も推進している。
そんな取り組みの一環として、トヨタは2018年に初代「SORA」を発売。燃料電池によるクリーンで静かな走行で路線バスの新たな価値を提示した。このたびの新型「SORA」の市場投入により、引き続き公共交通の水素利活用を通して、同社は水素社会の実現に向けて貢献していく。

新型「SORA」は、いすゞとトヨタが路線バスのゼロエミッション化の一環として共同開発した次世代FC路線バス。いすゞが開発したBEVフルフラット路線バスのプラットフォームをベースにトヨタが開発したFCシステムを組み合わせ、路線バスの環境性能や使い勝手をさらに進化させた。
FCと大容量バッテリーを効率よく使い分けることで燃費を向上し、初代「SORA」と比べて航続距離を約100kmプラスとなる、300km以上(トヨタ測定による参考値)を実現した。
また、これまでの取り組みのなかで培ったFC技術をベースに改良した、商用車向けの小型で出力・耐久性を高めたFCスタックを採用。スムーズで安定した運行に寄与している。また、新たに商用車向け大型水素タンクを開発し、FCシステムを屋根上へコンパクトに搭載することで、バス事業者による車両メンテナンスがよりスムーズに行えるようになった。

安全機能も進化した。DSM(ドライバーステータスモニター)と連動するEDSS(ドライバー異常時対応システム)の装備により、ドライバーに異常が発生した場合は車両を減速・停車。停車後は自動でパーキングブレーキを作動し、坂道でも安全を確保することができる。また、自車前方の歩行者・自転車を検知し、ドライバーへ通知する安全装置「フロントブラインドスポットモニター」を装備。車外事故低減に向けた安全性にも寄与している。
使い勝手の良さにも磨きがかかった。車室内は段差のないフルフラットフロアを採用し、車いすやベビーカーを利用する方を含め、すべての乗客がより安全・スムーズに移動できる空間に設計。
また、車いすワンタッチ固定装置(オプション/2027年4月頃より受付が可能)を設定し、車いすユーザーの乗降と運転士によるスムーズな固定作業をサポートする。
モデルラインナップは座席の配置などが異なる都市型と郊外型の計4車型。多様な路線ニーズに対応している。
水素満充填は約10分(トヨタ測定による参考値)ででき、高い車両稼働率が求められる路線バスの運行に対応。また、車両は新しい高速充填規格に対応しており、今後対応する水素ステーションが整備された際には、充填時間を約半分に短縮することが可能だ。そのほか、外部給電器の接続により、災害時などに非常用電源としての利用ができるようになっている。
トヨタ「SORA」主要諸元
ボディサイズ:全長10545×全幅2485×全高3440mm
乗車定員:70(座席19+立席50+乗務員1)名
FCスタック:トヨタFCスタック(固体高分子形)
FCスタック最高出力:113kW(154ps)
モーター:交流誘導電動機
モーター最高出力:220kW(299ps)※110kW×2
モーター最大トルク:970Nm ※485Nm×2
高圧水素タンク:3本(70MPa)
水素タンク容積:471L
駆動用バッテリー:リチウムイオン電池

