モータースポーツ、スポーツコンパクト、Zの伝統。日産ファンの3つのカルチャーをそれぞれ1台で表現
日産は、ラスベガス・コンベンションセンターで11月3日から6日まで開催されるSEMAショーに、3台のコンセプトカーを出展する。
SEMAショーは、自動車メーカーとアフターマーケットのパーツメーカーが出展し、数多くのカスタムカーが集まるトレードショーだ。今回の3台のテーマは、日産ファンのカルチャーのなかでも異なる3つの領域。現代のモータースポーツ、スポーツコンパクトとチューナーの世界、そしてZの伝統だ。プロジェクトNAT2 SCCAツーリング2 Z、セントラ スペックV コンセプト、ダットサンS30コンセプトがそれぞれを受け持ち、セントラル・ホールの日産ブースに並ぶ。
日産社員のレース活動から誕生。NISMO Design Japanが歴代の日産レーシングカーにちなんだリバリーをデザイン
プロジェクトNAT2 SCCAツーリング2 Zは、日産の社員が余暇にモータースポーツに取り組むボランティアグループ、日産アクセラレーション・チーム(NAT)が開発したレースカー。SCCA(スポーツカー・クラブ・オブ・アメリカ)のツーリング2クラスの規定に合わせて製作された。

リバリーは、歴代の日産レーシングカーにちなんでNISMO Design Japanがデザインし、ラッピングの施工はフライング・リザード・モータースポーツが担当した。赤いボディの上部をブルーで塗り分け、その境界に白いラインを配置。白いラインはフロントからドアを経てCピラーへと駆け上がり、ボディサイドに勢いを与えている。白いフードにゼッケン23とZのロゴを組み合わせ、ルーフはブラックだ。

フードには冷却性能を高めるTrackspec Engineering製のルーバーを追加。ドアパネルはカットされ、軽量化のためにドアガラスも取り外した。排気はNISMOが設計したGT4用のシングル出しステンレスエキゾースト。ホイールはNISMOが設計したGT4用のレイズ製18×11J鍛造アルミホイールで、マキシスRC-1の275/35ZR18タイヤを組み合わせる。フロントブレーキは6ポットのモノブロックキャリパーと380mmの2ピースローター。リヤはクラス規定に従い、標準のキャリパーとローターのままだ。

コクピットには、サベルトのGTフラットボトム・ステアリングホイールと、Zestek製のクイックリリースとパドルシフターを装着。ダッシュボードはロールケージのダッシュバーに合わせて取り付け、スイッチプレートとキーマウントは耐熱性の高いPAHT-CF素材を3Dプリントで製作した。キャビンはカーペット、遮音材、内装トリム、空調、オーディオを取り去り、Rise FabShop製の軽量なアルミフロアトレイを装着。ハフマスター・モータースポーツが設計・製作したSCCA競技仕様のロールケージに、サベルトのフルハロー・シートと赤と黄色の6点式ハーネスを組み合わせた。

エンジンはVR30DDTT型。クラス規定に合わせて38mmのタービン吸気リストリクターを装着し、NISMOのコールドエアインテークキットを組み込む。エンジンルームの左右には、nismoロゴを入れたインテークボックスが収まる。

SE-Rの登場から35年。ワイドボディキットとGT-R NISMOのパーツでセントラをスポーツコンパクトに仕立てる
北米でセントラSE-Rが発売されてから35年。セントラ スペックV コンセプトは、カー・アンド・ドライバー誌が「真のスポーツセダン」と評したこのモデルを記念し、SE-Rを輸入車シーンの人気モデルに押し上げたファンに向けてつくられたという。

エクステリアではBOMEX製のワイドボディキットを装着し、フロントフェンダーを大きく張り出させた。フロントバンパー中央の開口部からは、ギャレット製の前置きインタークーラーがのぞく。フードは機能的な吸気口を備えたカスタム品で、複数のダクトを開けている。排気はサイド出しで、リヤホイール手前のサイドスカートに楕円形のテールパイプを配置。サイドスカートとフロントリップの下端に引いた赤いラインが、低い重心を強調している。リヤにはR35型GT-R NISMOのリヤスポイラーを装着する。


足元は、19×9.5JのNISMO LM-RS1鍛造ホイールに265/35R19のヨコハマ・アドバン・ネオバAD09。ブレーキはR35型GT-R NISMOのブレンボ製をコンバートし、フロントに6ポットキャリパーと390mmローター、リヤに4ポットキャリパーと380mmローターを組み合わせる。スポークの奥にはブロンズ系のキャリパーが目を惹く。

インテリアでは、NISMOステアリングホイールを装着。シートにはR35型GT-R NISMOのレカロ製フロントシートを採用し、ブラックのレザーにレッドのファブリックを組み合わせた配色が室内を引き締める。

パワートレインは、ギャレット製G25-550ターボチャージャーで過給したMR20DD型2.0ℓエンジン。エンジンルームでは、赤く仕上げたエアクリーナーまわりとパイピングが目を引く。トランスミッションはジュークNISMO RSの6速MTに手を加え、ヘリカルLSDを組み込んだ。

S30のボディに現行Zのツインターボを搭載。クリス・フォーズバーグが手掛けた2世代のZをつなぐレストモッド
ダットサンS30コンセプトを手掛けたのは、日産と長く協力関係にあり、フォーミュラ・ドリフトのチャンピオンでもあるクリス・フォーズバーグ。Zの愛好家でもある彼が、S30型の造形に現行Zのツインターボ V6を組み合わせたレストモッドだ。

フロントフェンダー、フード、エアダム、前後バンパー、ハッチ、スポイラーをカーボン製のカスタムパーツに置き換えて軽量化。ボディ色は現行Zにも設定されるセイランブルーで、NISMOの40周年デカールセットを貼る。S30のシルエットはそのままに、新旧のZを色でもつないでいるというわけだ。ブラックのフロントバンパーまわりが、ボディのブルーを一段と際立たせている。ホイールはブロンズのNISMO LM-RS6鍛造ホイール(17×9J)で、245/40R17のX-Comp HPタイヤを履く。
コクピットには、Grip Royal製ステアリングホイール、Speed Hut製のカスタムメーター、NISMOのブラックアルミ製シフトノブを装備。シートはOMPシルバーストーンで、ボディ色と呼応するブルーのパーフォレーテッドレザーを横方向のステッチで仕上げ、サイドサポートはブラックとした。ドアトリムもシートに合わせて仕立てている。

エンジンはVR30DDTT型で、ギャレット製PMAXターボチャージャーとNISMOのコールドエアインテーク、ヒートエクスチェンジャーを装着。赤いラインを入れたNISMOのカーボン製エンジンカバーが、エンジンルームのアクセントになっている。トランスミッションは現行Zの6速MTで、デフにはNISMOのR200 LSDを組み合わせる。サスペンションはTechno Toy Tuningのパーツで一新。ブレーキはウィルウッド製で、フロントに6ポットキャリパーと300mmローター、リヤに4ポットキャリパーと280mmローターを採用した。

3台はSEMAショーのためにつくられたコンセプトカーで、販売の予定はない。ただし、SEMAで試したアイデアが将来の市販車に反映される可能性はあるという。ローグ、キックス、パスファインダーに設定されているロッククリークは、過去のSEMAコンセプトから生まれたシリーズだ。出展車に装着された日産とNISMOのアクセサリーパーツのなかには、販売店で購入できるものもあるという。なお、日産はSEMAショー向けのトラックとSUVのコンセプトについても、後日発表する予定だ。


