THE WORLD OF BENTLEY Vol.02

ベントレー コンチネンタルGTが魅せる豪奢な世界観に迫る 【ベントレー特集:02】

ベントレー コンチネンタルGT コンバーチブルとベントレー コンチネンタルGT マリナーの走行シーン
ベントレー コンチネンタルGT コンバーチブルとベントレー コンチネンタルGT マリナーの走行シーン
美しさと速さ、そして実用性を高いレベルで満足させるクルマがGT(グランドツーリング)だ。クーペスタイルのGTは、パーソナルな道具として乗る者に深い満足と感動を与えてくれる。2つのボディを持つベントレー流GT、ブランドの根幹となるクルマの奥深い価値を明らかにする。

Bentley Continental GT Convertible×Continental GT Mulliner

スポーティだが極上のフォーマルを併せ持つGT

ベントレー コンチネンタルGT コンバーチブルとベントレー コンチネンタルGT マリナーの走行シーン
豪奢な装備を満載するマリナーと、圧倒的かつ快適なオープンクルーズを可能とするコンバーチブル。いずれも極上のグランドツーリングを提供する。

敢えて扉と呼びたくなるような重厚なドアを閉めた瞬間、一切の雑音から解放され、柔らかい静寂に包まれる。それはベントレー・オーナーの密かな愉悦なのかもしれない。

ベントレー・コンチネンタルGTの室内空間は「広い」と表現すべきものではないと思う。さりとて窮屈と言う表現も当てはまらない。乗り手の姿勢にちょうどよくフィットする。それはまるで、ロンドンのサヴィルロウで仕立てたスーツのような感覚かもしれない。スポーティだが、この上なくフォーマルなのである。

然るのち、シガーの先に火を回していくようにW12エンジンを覚醒させる。微かな振動の中に、コンチネンタルGTの息吹が感じられたら、贅沢な時間のはじまりだ。

日を跨ぎ国境を越えていく「旅」こそコンチネンタルGTの真骨頂

ベントレー コンチネンタルGT コンバーチブルとベントレー コンチネンタルGT マリナーのインテリア
パーソナルな雰囲気が漂うコンバーチブルは、内装のセレクトにもこだわりたい。ウッドやレザーは多くの素材やカラーから選択できる。

人それぞれに異なる歩幅があるように、クルマにも固有のマイレージが存在するように思う。それは1回のドライブで走り切る最適な距離感のようなもの。近所を走り回るのに最適なシティコミューターがある一方で、ロングドライブを得意とするツアラーも存在する。言わずもがな、コンチネンタルGTの距離感は深遠ともいえる長さだ。日を跨ぎ国境を越えていくことを考えれば「旅」と表現すべきだろう。それも壮大な旅だ。

戦後すぐのベントレーがRタイプのスペシャルモデルに、象徴的な「コンチネンタル」のサブネームを与えた理由は容易に理解できる。ベントレーのステアリングを握るような冒険心に満ち溢れたイギリス人たちが目指したのは、海峡を渡った先にあるコンチネンタル。つまりヨーロッパ大陸だったからである。

サロンのような豪奢な室内空間と優れた乗り心地を完備

ベントレー コンチネンタルGT コンバーチブルとベントレー コンチネンタルGT マリナーのシート
パーソナルな雰囲気が漂うコンバーチブルは、内装のセレクトにもこだわりたい。ウッドやレザーは多くの素材やカラーから選択できる。

古のRタイプ・コンチネンタルはレーシングカーのようなスピードで走り続けることができたが、決して粗野な乗り物ではなかった。サロンのような豪奢な室内空間とそれに見合った優れた乗り心地、ドライバビリティを兼ね備えていたのである。

ベントレーRタイプ・コンチネンタルによって確立された精神性、もしくはレシピは、そのまま今日のコンチネンタルGTへと受け継がれている。2003年にデビューし、21世紀のベントレー・ブランドを代表する1台となったこのクルマの起源を辿れば、優に半世紀を越えるのだ。

ベントレー・コンチネンタルGTの車名の末尾に力強く存在するGTというアルファベット。それが意味するのはグランドツーリング、壮大な旅である。今日の自動車世界で「GT」は安易に扱われているきらいもあるが、ことコンチネンタルGTに限っては「名は体を表す」のである。

世界最古のコーチビルダー「マリナー」の名を冠する特別モデル

ベントレー コンチネンタルGT マリナーのフロントスタイル
ベントレー コンチネンタルGT マリナーのフロントスタイル

今回ステアリングを握った2台のコンチネンタルGT。そのうちの1台はコンチネンタルGTマリナーだった。長年ベントレーのボディ製造や仕立てに関わってきた世界最古のコーチビルダーであるマリナー。彼らが手掛けることで究極の洗練を身に着けた最上級モデルである。

ドライバーの目の前にはシルバーの文字盤が特徴的な速度計と回転計が備わり、センターコンソールではブライトリングがマリナーのために誂えた時計が精緻に時を刻む。

車内を流れるゆったりした時間の流れに浸る

ベントレー コンチネンタルGT マリナーのセンターコンソール
コンチネンタルGTの中でも最もラグジュアリーなグレードとなるマリナー。手作業による細部の仕上がりはもはや工芸品のようだ。

コンチネンタルGTをドライブするたびに「なぜか」スピードや時間の流れる感覚がゆったりしたものになってしまうことを考えれば、正確な計器類の存在は欠かせない。つまりベントレーによるグランドツーリングは、ドライバーにとってさほど長い旅ではないのかもしれない。

もう1台のコンチネンタルGTは、ソフトトップを纏ってもなお優雅なクーペ・シルエットを忘れないコンバーチブル。スイッチひとつで完全なオープンエア・モータリングが楽しめる。まさに自動車世界における究極の贅沢がこの1台に込められていると言っていいだろう。

コンチネンタルGTが標榜するスポーティかつフォーマルという世界観は、そのままコンバーチブルにも当てはめることができる。屋根を下ろしたオープンのスタイルは優雅な見た目を演出してくれるが、一方では重心の低い好戦的な身のこなしも楽しませてくれるのである。

滑空するように回転する熟成極まったW型12気筒エンジンを搭載

ベントレー コンチネンタルGT コンバーチブルのエンジン
W型12気筒は世界でもベントレーだけが採用する特異なメカニズム。パワーとトルクの強さだけでなく、滑らかな回転フィールが素晴らしい。

いずれ劣らぬ豪奢な移動空間。パートナーと壮大な旅に出るためのグランドツアラー。マリナーも、そしてコンバーチブルも、コンチネンタルGTは自動車らしからぬ静寂を纏い、滑空するように滑らかに突き進む。

4.0リッターのV8と6.0リッターのW12エンジンをラインナップしているコンチネンタルGTだが、今回の2台はともにW12搭載モデルだった。圧倒的なパワーは、それを全開放するためだけに存在するのではない。持てる力の数パーセントしか使わないからこそ生まれる余裕も、確かにあるのだ。

早晩、自動車世界の動力は電気に取って代わられるらしいが、焦る必要はない。熟成なったコンチネンタルGT、満ち足りたベントレーの世界観が今ここにあるのだから。

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REPORT/吉田拓生(Takuo YOSHIDA)
PHOTO/小林邦寿(Kunihisa KOBAYASHI)
MAGAZINE/GENROQ 2021年 10月号(特別付録 小冊子「THE WORLD OF BENTLEY」より)

【SPECIFICATIONS】
ベントレー コンチネンタルGT コンバーチブル
ボディサイズ:全長4880 全幅1965 全高1400mm
ホイールベース:2850mm
車両重量:2450kg
エンジンタイプ:W型12気筒DOHCツインターボ
総排気量:5950cc
最高出力:467kW(635ps)/5000-6000rpm
最大トルク:900Nm(91.8kgm)/1350-4500rpm
トランスミッション:8速DCT
駆動方式:AWD
サスペンション:前ダブルウイッシュボーン 後マルチリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール:前265/40ZR21 後305/35ZR21
最高速度:333km/h
0-100km/h加速:3.8秒
車両本体価格(税込):2999万7000円

ベントレー コンチネンタルGT マリナー
ボディサイズ:全長4880 全幅1965 全高1405mm
ホイールベース:2850mm
車両重量:2260kg
エンジンタイプ:W型12気筒DOHCツインターボ
総排気量:5950cc
最高出力:467kW(635ps)/5000-6000rpm
最大トルク:900Nm(91.8kgm)/1350-4500rpm
トランスミッション:8速DCT
駆動方式:AWD
サスペンション:前ダブルウイッシュボーン 後マルチリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール:前275/35ZR22 後315/30ZR22
最高速度:333km/h
0-100km/h加速:3.8秒
車両本体価格(税込):3511万2000円

【問い合わせ】
ベントレーコール
TEL 0120-97-7797

【関連リンク】
・ベントレー 公式サイト
http://www.bentleymotors.jp/

著者プロフィール

吉田拓生 近影

吉田拓生

1972年生まれ。『カー・マガジン』編集部に12年在籍し、2005年からモータリングライターとしての活動をスタ…