THE WORLD OF BENTLEY Vol.01

ハイブランドSUVを牽引するベンテイガ! V8とW12、それぞれの魅力を探る 【ベントレー特集:01】

ベントレー ベンテイガ V8とベンテイガ スピードの2ショット
ベントレー ベンテイガ V8とベンテイガ スピードの2ショット
ベントレー初のSUVであるベンテイガ。道なき道を行くタフネスさとファミリーの長距離移動も余裕でこなす実用性、そしてベントレーならではの美しさと豪華さを併せ持つ究極の1台だ。W12とV8という異なるパワーユニットのベンテイガを連れ出し、その魅力の本質を探ろう。

Bentley Bentayga V8×Bentayga Speed

贅沢な野性

ベントレー ベンテイガ V8とベンテイガ スピードの2ショット
ラインナップは、V8エンジンを搭載するベンテイガ V8(写真左)と、W12エンジンを搭載するベンテイガ スピード(写真右)を揃える。もちろんエンジンだけでなくエクステリアも相違点が多い。

スポーツカーやラグジュアリーカーのハイブランドが挙ってSUVを発売する、そんな時代の口火を切ったのがベンテイガだ。

中にはそんな泥臭い仕事はよそに任せておけばいいという意見もあるだろう。だが、そもそもベントレーはそれを望む顧客への忠誠のためにベンテイガを企画したはずだ。あらゆる手段で望みを叶えるというのはハイブランドの所以でもあり、使命でもある。2015年9月のデビュー以来、軽く2万台を超える販売台数は、その成果ともいえるだろう。

その成功を踏まえて、ベンテイガは昨年、初となるビッグマイナーチェンジを受けた。その日本仕様は昨秋に上陸している。当初はV8のみだったが、今年に入ってW12を搭載するスピードが上陸。パワートレインは2種類から選べる状況となっている。また、この冬にはV6プラグイン・ハイブリッドモデルも上陸する予定だ。

フルモデルチェンジにも相当するアップデートを受けた現行ベンテイガ

ベントレー ベンテイガ V8のインテリア
伝統的クラフトマンシップと最新のデジタルテクノロジーが融合したインテリア。レザーの色やパネルの素材などは多数の選択肢が用意される。写真はベンテイガ V8。

エクステリアは15年のジュネーブショーで発表されたコンセプトカー、EXP10スピード6を源流とする現行コンチネンタルGT以降のデザインランゲージとの統一感を意識したものに改められた。クリスタルカット調のヘッドライトやオーバルのテールライトなど、灯火類が特徴的なフェイスリフトかと思われるが、実際は割線レベルからテールゲートの形状が改められたのをはじめ、ほぼすべてのボディパネルが変更されるほど、手の込んだものとなっている。

それは内装も然りで、センターコンソールやドアトリムのデザインは全面変更、シートもフォームやシェイプが改められている。インフォテインメントや先進運転支援システムも最新世代へとアップデートされており、内容を見る限りはフルモデルチェンジといっても差し支えないほど随所に手が加えられている。

ベントレーらしい「精緻な工業製品と手巧の工芸品」を両立

ベンテイガ スピードのフロントシート
インパネとシートは手触りの良いレザーやアルカンターラで覆われる。W12を搭載するスピードは助手席前のパネルとシートにSpeedのロゴが入る。

車内に座って感じるのはあらゆるところに杢や革が張り巡らされた、その圧倒的な物量だけではない。革ならばその肌触りの良さや縫い込みの入念さ、杢ならば磨き込まれた表層の質感など、じっくり人手間が尽くされていることだ。精緻な工業製品と手巧の工芸品、2つの側面を併せ持つベントレーのプロダクトの深みをここで思い知らされる。

ダイヤルやスイッチなどの操作モノはカチッとした節度の中に温もりのあるタッチで、感触にも気遣われていることが伝わってくる。ダッシュボード左右端に配されるブルズアイと呼ばれる丸型のエアベントや、その脇の風量を調節するレバーは金属で象られるが、そのしっとりとした摺動感こそがベントレーだと刷り込まれている方もいらっしゃることだろう。ディテールひとつにもユーザーとの契りを交わし続けるところもまた、ブランドのプライドだろう。

ポルシェが開発を主導したV8をチューニングして搭載

ベントレー ベンテイガ V8の走行シーン
ベンテイガ V8が搭載する4.0リッターV8ツインターボは、最高出力550ps/最大トルク770Nmを発揮。8速ATを介して最高速度290km/h、0-100km/h加速4.5秒のパフォーマンスを見せる。

ベンテイガV8に搭載されるV型8気筒の側は、ポルシェが開発を主導し、ランボルギーニやアウディのハイパフォーマンスモデルも用いるそれをベースにベントレーが独自のチューニングを施している。そのテイストはアクセルを踏み込まない限りは至って滑らかでクリーンなものだが、ひとたび鞭打てばバシッとトーンが変わって、野太いサウンドと共に猛然と加速をみせるベントレーらしい野味も備わっている。

最高出力は550ps、0-100km/h加速は4.5秒と性能数値的にはスピードに劣るが、実質的な速さにほぼ差はないし、中回転域のパンチ力はこちらの方に分があるほどだ。

ランボルギーニすら凌駕する最高速度を秘めたベンテイガ スピード

ベンテイガ スピードの走行シーン
今や希少な多気筒かつハイパワーなW型12気筒+ツインターボエンジンを採用するベンテイガ スピード。2.5トン以上の重量級ボディながら最高速度は300km/h超えを実現し、SUVでありつつもスーパースポーツモデルに遜色ない実力を誇る。

グループの技術力を結集したW型12気筒は他に類のないピストンレイアウトでエンジン本体をコンパクトにまとめたユニークなものだ。日本市場においてはベントレーのみが搭載する希少なユニットでもある。スタートボタンを押すと聞こえる軽やかなセルの音、いかにも多くのピストンの爆発が綺麗に揃った始動時の精緻なサウンドは、自動車エンジンの頂点とも称される12気筒ならではの荘厳さに満ちている。

回せど流せどエンジンの回転はひたすら滑らかで、低回転域から細粒なトルクがとめどなく湧き上がりためらいなく車体を押し出す感覚もまた12気筒らしい歓びともいえるだろう。回転フィールはトップエンドに至るまでひたすら伸びやかで、いざ踏み込めば635psのハクも匂わせるが、総じてレッドゾーンまで引っ張る必要はまったく感じない。最上の質感を纏った速さが、欲しい時にアクセルひとつで得られる算段だ。最高速度は306km/hとランボルギーニ ウルスをも上回る世界最速級だが、それもまたこのクルマにとっては余技・余興の一環である。

・・・と、選べるパワートレインはベンテイガの趣旨にまつわる優劣に関係はない。いずれも約束されるのは、外的環境を問わない最上の移動空間だ。或いは最強の陸上移動手段と言い換えても過言ではないだろう。

REPORT/渡辺敏史(Toshifumi WATANABE)
PHOTO/田村 弥(Wataru TAMURA)
MAGAZINE/GENROQ 2021年 10月号(特別付録 小冊子「THE WORLD OF BENTLEY」より)

【SPECIFICATIONS】
ベントレー ベンテイガ V8
ボディサイズ:全長5150 全幅1995 全高1755mm
ホイールベース:2995mm
車両乾燥重量:2470kg
エンジンタイプ:V型8気筒DOHCツインターボ
総排気量:3996cc
最高出力:404kW(550ps)/5750-6000rpm
最大トルク:770Nm(78.5kgm)/2000-4500rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:AWD
サスペンション:前ダブルウィッシュボーン 後マルチリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール:前後285/45ZR21
最高速度:290km/h
0-100km/h加速:4.5秒
車両本体価格(税込):2269万円

ベントレー ベンテイガ スピード
ボディサイズ:全長5145 全幅1995 全高1755mm
ホイールベース:2995mm
車両乾燥重量:2520kg
エンジンタイプ:W型12気筒DOHCツインターボ
総排気量:5945cc
最高出力:467kW(635ps)/5000rpm
最大トルク:900Nm(91.8kgm)/1750-4500rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:AWD
サスペンション:前ダブルウィッシュボーン 後マルチリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール:前後285/40ZR22
最高速度:306km/h
0-100km/h加速:3.9秒
車両本体価格(税込):3345万円

【問い合わせ】
ベントレーコール
TEL 0120-97-7797

【関連リンク】
・ベントレー 公式サイト
http://www.bentleymotors.jp/

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渡辺敏史