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Mercedes-AMG G63
2018年以来となる改良を実施
メルセデス・ベンツ Gクラスは、ゲレンデヴァーゲンの時代から長きにわたりクロスカントリー4WDのアイコンとして君臨。2018年にはフルモデルチェンジに近い大幅な改良を実施し、軽量化や室内スペースの拡大など、高級オフロードモデルとしての地位を確立している。
今回6年ぶりに実施されたフェイスリフトは、ドライブトレインの電動化、最新のドライバーアシスタンスシステムの導入など、時代の要求に合わせた進化を果たしている。メルセデスAGのチーフ・テクノロジー・オフィサー兼製品開発・サプライチェーン担当取締役のマルクス・シェーファーは、Gクラス改良新型について次のようにコメントした。
「新型Gクラスは、オンロードでもオフロードでも、真のアドベンチャーを実現するため、今回その開発目標を大きく引き上げることになりました」
「電動化されたドライブトレイン、先進的な『MBUX』インフォテインメントシステム、快適装備やオフロード機能の充実など、ゲレンデヴァーゲンから続くサクセスストーリーを継続する態勢が整ったと言えるでしょう。新型Gクラスは、卓越したドライビング体験だけでなく、最先端のデジタル体験までもを兼ね備えているのです」
48Vマイルドハイブリッドを導入
ハイパフォーマンス仕様「メルセデス AMG G 63」は、4.0リッターV型8気筒ガソリンツインターボを搭載。最高出力は20PS向上した593PS、最大トルクも200Nm向上した850Nmを発揮する。0-100km/h加速はスポーツカーに互する4.4秒、最高速度は220km/hを謳う。
「G 450 d」と「G 500」は、ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)と48Vマイルドハイブリッドシステムを導入し、パフォーマンスと効率性を向上。「G 450 d」は3.0リッター直列6気筒ディーゼルターボを搭載し、最高出力は372PS、最大トルクは750Nmを発揮する。3.0リッター直列6気筒ガソリンターボの「G 500」は、最高出力455PS、最大トルク560Nmというスペックが与えられた。また、Gクラス初のフル電動モデル「EQG」も遅れて追加される予定だ。
キープコンセプトながら空力を改善
エクステリアは、ラジエーターグリルが従来の3本の水平ルーバーから4本の水平ルーバーに変更され、前後バンパーデザインに改良が加えられた。新形状のAピラークラッディングとルーフエッジスポイラーリップ、新たな断熱材により、エアロダイナミクスも改善され、効率性に加えて室内のNVH(ノイズ・バイブレーション・ハーシュネス)も向上している。
特徴的なドアハンドル、頑強な外装保護トリム、リヤドアに装着されたスペアタイヤ、ボンネットに突き出たインジケーターランプなど、Gクラスのアイコニックな特徴は改良新型でも健在。また、リヤバンパー形状の変更を受けて、リヤビューカメラはバンパー中央のナンバープレートホルダー上部に移された。このリヤビューカメラの側面にはウォッシャー用ワイパー液ノズルが取り付けられている。
オプションの「AMGライン」を選ぶと、マッシブなホイールアーチエクステンション、20インチAMG鍛造アロイホイール、ナッパレザー製AMGマルチファンクション・スポーツステアリングホイールが導入される。また、ブラックを基調としたスポーティで表情豊かなデザインエレメントを含む「ナイト・パッケージ」をチョイスすることも可能だ。
最新世代の「MBUX」を導入したコクピット
ラグジュアリーで機能的なインテリアは、最新の「MBUX」インフォテインメントシステムを導入。コクピットには12.3インチドライバーディスプレイと12.3インチメディアディスプレイが配置される。ヨーロッパ仕様はキーレスゴーシステム、温度調節機能付きカップホルダー、Burmester製3Dサラウンドサウンドシステムが標準搭載された。
「Android Auto Wireless」と「Apple CarPlay」に対応し、スマートフォンを「MBUX」システムにワイヤレスで接続することが可能。また、リヤシートには「MBUXハイエンド・リヤシート・エンターテイメント・システム」がオプションで用意された。このオプションを選ぶと、リヤシート用に2基の11.6インチタッチディスプレイが搭載される。
サイドエアベントは丸いヘッドライト形状を模しており、専用のイルミネーションも用意された。パッセンジャーシート側のグラブハンドルも健在で、ディファレンシャルロック用スイッチは再設計された「オフロード・コントロール・センター」に組み込まれている。
標準仕様搭載されるタッチコントロールサーフェスを備えた最新世代のマルチファンクション・ステアリングホイールはナッパレザー製。ナッパレザー製シートは今回の改良新型から、シートサーフェイスの選択肢が拡充された。
今回、Gクラスに求められる基本的な悪路走破性能はそのままに、新機能オフロードコクピット(OFFROAD COCKPIT)、透過ボンネットなど、サポート機能を充実化。オフロードコックピットは、オフロード走行に必要なデータをドライバーディスプレイとメディアディスプレイの両方で確認することができる。