待望の新型「ベントレー コンチネンタルGT」プロトタイプに初試乗!

4代目となる新型「ベントレー コンチネンタルGT スピード」に衝撃試乗「最高出力782PSの驚異的性能」

6.0リッターW12に別れを告げ、ついに4.0リッターV8ウインターボ+モーターのPHVへと進化を遂げた新型コンチネンタルGT。最終段階のプロトタイプに試乗することが叶った。
6.0リッターW12に別れを告げ、ついに4.0リッターV8ウインターボ+モーターのPHVへと進化を遂げた新型コンチネンタルGT。最終段階のプロトタイプに試乗することが叶った。
4代目となる新型コンチネンタルGTおよびGTCの試乗が叶った。新型コンチネンタルGTはPHVとなり、その圧倒的な性能の進化ゆえ、最初のモデルから「スピード」の車名を冠する。(GENROQ 2024年8月号より転載・再構成)

Bentley Continental GT Speed

最初のモデルから「Speed」を冠する

4代目と進化を果たしたベントレー・コンチネンタルGT。4リッターV8ターボに190PS/450Nmのe-モーターを組み合わせる超高性能PHVへと進化を果たした。
4代目と進化を果たしたベントレー・コンチネンタルGT。4.0リッターV8ターボに190PS/450Nmのe-モーターを組み合わせる超高性能PHVへと進化を果たした。

ついに、PHVとなって電動化を果たした4代目となる新型「ベントレー コンチネンタルGT」が姿を表した。その最大の特徴は、ターボの大型化やマッピングの変更により600PS&800Nmを絞り出すに至った4.0リッターV8ツインターボと8速DCTの間に位置する190PS&450Nmのe-モーターから成るハイブリッドシステムだ。そのシステム最高出力は782PS、最大トルクは1000Nm! で最高速度は335km/h、0-100km/h加速3.2秒というパフォーマンスは、6.0リッターW12を積んだ先代コンチネンタルGTを大きく上回るものだ。よって新型の車名はこれまでの慣例を破り、最初からコンチネンタルGTスピードを名乗る。

一方、リヤシートからラゲッジルームのフロア下に搭載されたバッテリーの容量は25.9kWhで、EVモードで80kmの距離もしくは160km/hでの走行が可能。CO2排出量は36g/kmも抑えられている。R&D部門のダイレクターで車体開発責任者のマーカス・ティールによると、プラットフォーム自体は基本的に先代と同じだが、気筒休止システムを廃止したV8、小型化された燃料タンクなど各部の軽量化で前後重量配分は50対50になったという。また正式な車両重量は発表されていないものの、先代より重くなっているのは間違いないところだ。

ZFと共同開発の足まわりを採用

サスペンション形式も同じだが、圧縮と伸縮を独立制御することで、自由度を高めたZFと共同開発のダブルバルブダンパーを初採用。そのほかe-デフ、後輪操舵、アクティブトルクベクタリング、ベントレーダイナミックライドなど先代でも定評のあった装備もアップデートされて引き継がれている。

昨年ボルボから出戻りデザイン部門の責任者に就任したロビン・ペイジが手がけたボディはクーペとコンバーチブルの2種類。睨みをきかせる虎をイメージしたというヘッドライト、立体的になり大型化されたテールライトが特徴的で、先代から引き継いだのはボンネットフードとドアくらいだとペイジは語る。また収納式だったリヤスポイラーが廃止され、代わりにダッグテール状のトランクリッドが採用されているが、発生するダウンフォース量は変わらないという。また細かい部分ではフロント下の左右にあったACC用のカメラがひとつに纏められフロントグリル内に移動した。これはカメラの性能が向上したと共に、冷却効率を上げるためでもある。

新開発のADASに期待

インテリアの意匠は大きく変わらないが、モニターで周囲の5台のクルマを追跡しながら、ステアリング以外のすべての操作を行うACC、空気清浄機能を備えた新しいエアコンシステム、スマホのアプリをインフォテインメントシステムに統合できるマイ・ベントレーAppスタジオ、そしてスマホを使ったリモートチャージやパーキングなどデジタルテクノロジーが大きく進化しているのも特徴といえる。

今回スペイン・バレンシアで試乗したのは最終段階のプロトタイプということで、走行はサーキットのみとなったが、中身に関しては生産型とほぼ同じだという。走行モードはデフォルトのベントレー、コンフォート、スポーツ、カスタムの4種類。デフォルトのベントレーモードはEVで立ち上がり、必要に応じてエンジンを始動しハイブリッドに移行するというもので、静かでスムーズで乗り心地もいい。一方、スポーツモードを選択すると常にエンジンが稼動した状態となるのだが、そのエキゾーストノートは想像以上に勇ましい。

驚くほどシャープなハンドリング

新型はクーペの「GT」とコンバーチブルの 「GTC」の2タイプのボディが用意される。
新型はクーペの「GT」とコンバーチブルの「GTC」の2タイプのボディが用意される。

では何が一番先代と違うのか? それはリニアでスムーズで圧倒的に速いハイブリッドならではのパワーデリバリーだ。しかも後輪操舵やトルクベクタリングのおかげでハンドリングは驚くほど軽やかでシャープ。またブレーキング時の姿勢変化も少なく、乗り心地が常にしなやかなのは、ダブルバルブダンパーの効果の賜物だとティールはいう。

敢えてネガを挙げるとすれば、バッテリーによりラゲッジスペースが狭くなったことだが、走行面に関しては重量増のネガは微塵も感じられない。むしろ、ラグジュアリーGTとしての気高さと、スーパースポーツとしての逞しさが、より明確となって共存するようになったことは、素直に歓迎すべきだと思う。

REPORT/藤原よしお(Yoshio FUJIWARA)
PHOTO/Bentley Motors Ltd
MAGAZINE/GENROQ 2024年 8月号

SPECIFICATIONS

Bentley Continental GT Speed(プロトタイプ)


ボディサイズ:全長4985 全幅1966 全高1397mm
ホイールベース:2851mm
エンジン:V型8気筒DOHCツインターボ
総排気量:3996cc
最高出力:575kW(782PS)
最大トルク:1000Nm(102kgm)
トランスミッション:8速DCT
駆動方式:AWD
サスペンション形式:前ダブルウィッシュボーン 後マルチリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
0-100km/h加速:3.2秒
最高速度:335km/h

【問い合わせ】
ベントレーコール
TEL 0120-97-7797
https://www.bentleymotors.jp/

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著者プロフィール

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藤原よしお

クルマに関しては、ヒストリックカー、海外プレミアム・ブランド、そしてモータースポーツ(特に戦後から1…