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BMW M5 Touring
最高レベルの走行性能と使い勝手の良さを両立
新型「BMW M5 ツーリング」は、公道やサーキットにおける高い走行性能に加えて、日常域からレジャーにも対応する使い勝手の良さを兼ね備えた、ユーティリティーパフォーマンスモデルとして開発された。
高回転型4.4リッターV型8気筒エンジンに、素早いレスポンスを発揮する電気モーターを組み合わせた「Mハイブリッドシステム」システムを搭載。現行BMW M社製マシンとしては3番目のMハイブリッドシステム採用モデルとなる。エンジンとモーターによるシステム最高出力は535kW(727PS)、最大トルク1000Nm。8速AT(Mステップトロニックトランスミッション)とM xDriveを介して4輪を駆動する。
強烈なパワーだけでなく、長距離走行能力も備えており、モーターのみで走行するEVモードも完備。全輪駆動システム「M xDrive」、アクティブMディファレンシャル、M専用シャシーは、すべてM ハイブリッドシステムに合わせた専用チューニングが施された。0-100km/h加速はM5 セダンとほぼ変わらない3.6秒(セダン=3.5秒)を実現している。
新型M5ツーリングは、2024年8月に米国カリフォルニアで開催されるモントレー・カーウィークでワールドプレミア。BMWグループのディンゴルフィング工場で生産され、2024年11月から米国とヨーロッパおいて販売が開始される。現時点で、日本市場への導入時期は未定となっている。
レーシングカーを思わせるエクステリア
新型M5 ツーリングのエクステリアは、ハイパフォーマンスモデルのアイコンである「BMW Mデザイン」に新たな解釈が加えられた。そのフォルムは、M4 GT3やWECを戦うプロトタイプレーシングカーからインスパイアされたディテールが、各部に導入されている。
エアロダイナミクスを意識した専用コンポーネントの多くがボディ同色にペイントされ、ブラックソリッド仕上げのルーフがピュアなエクステリアを演出。大きく張り出したホイールアーチ、筋肉質なショルダー部とワゴンらしい伸びやかなルーフラインがマッシブな印象を見る者に与え、ベースとなった5シリーズ ツーリングとの明確な違いをアピールする。
彫刻的なフロントセクションは、大型エアインテークと新デザインのBMW Mキドニーグリルが配置され、「BMWアイコニック・グロー・コンターライティング」が標準装備される。リヤセクションはスリムなテールライトがサイドまで伸び、バンパー外縁にはレーシーな垂直リフレクターがレイアウトされた。
左右2対のエキゾーストテールパイプが一体化された2セクション・スプリットディフューザーが、ワイド感と力強さを強調。スポーツエキゾーストシステムは、エモーショナルなエンジンサウンドをパッセンジャーへと提供し、それぞれのテールパイプにはブラッククロームの100mmトリムが施された。
4.4リッターV8ツインターボエンジン単体で593PSを発揮
新型M5 ツーリングに搭載される「Mハイブリッドシステム」は、クラシカルな高回転特性を持つ4.4リッターV型8気筒Mツインパワーガソリンターボエンジンと専用チューニングされた電気モーターに、8速AT(Mステップトロニックトランスミッション)が組み合わせられた。クロスバンクエキゾーストマニホールド、最適化されたオイルセパレーションが導入され、V8エンジン単体で最高出力は430kW(585PS)、最大トルクは750Nmを発揮する。
第5世代「BMW eDrive」電気モーターは最高出力145kW(197PS)、公称最大トルクは280Nm。プリギヤステージによりトランスミッション入力時の実効トルクは450Nmにまで引き上げることができる。
ドライバーがアクセルを踏み込んだ瞬間に電気モーターが発生するパワーと、インテリジェント制御エンジンとの相乗効果により、爽快なレスポンスとリニアなパワー伝達を実現。標準仕様の最高速度は電子リミッターにより250km/hに制限されるが、オプションの「Mドライバーズパッケージ」を装着すると、最高速度は305km/hまで引き上げられる。
EVモードでの最大航続距離67km
M5 セダンにも搭載されていた「BMWアイコニック・サウンド・エレクトリック」は、電気モーターにアコースティックな専用サウンドを加える機能。M5専用の電動サウンドは、EVモードでの走行時に、アクセルの動きに対してリアルなレスポンスを追加する。ドライブシステムの設定により、V8エンジンの出力に加えて電気パワーが加わったことを強調する専用サウンドも用意された。
ハイブリッドパワートレインによるすべてのパワーは、全輪駆動システム「M xDrive」を介してインテリジェントに路面へと伝達。「2WDモード」はDSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロール)システムをオフにすることで、リヤ駆動での走行を楽しむことも可能となっている。
EVモードでの最高速度は140km/hに制限され、ボディ下部に配置された高電圧バッテリーの容量は18.6kWh。最大航続距離61~67km(WLTPサイクル)を実現し、搭載される充電ユニットは最大11kWの交流充電に対応する。
スポーツ性とラグジュアリーを両立したコクピット
センターコンソールのM専用コントロールパネルに加え、Mボタンが装備されたフラットボトム形状の「Mレザーステアリングホイール」、電動調整式「Mマルチファンクションシート」、「BMWヘッドアップディスプレイ」、M専用コンテンツを含む「BMWカーブドディスプレイ」を標準装備する。
メリノレザー・トリム、BMWインタラクション・バー、4ゾーンオートマチック・クライメートコントロール、ウェルカムアニメーション付きM専用インテリア・ライティング、Bowers & Wilkins製サラウンドサウンドシステムなどが、高級感とプレミアムな雰囲気を演出する。
インフォテインメントシステム「BMW iDrive」は、BMWオペレーティングシステム8.5をベースとし、タッチコントロールと自然な発話による操作に対応。ナビゲーションシステムに加えて、空調機能のコントロールも可能となっており、温度選択/風量/シートヒーター/ステアリングホイールヒーターの調整を、コントロールディスプレイ下部にあるメニューか、音声コマンドによって操作できる。
ラゲッジルームは通常時が500L、後席をたたむことで最大1630Lまで拡張が可能。標準装備のコンフォートアクセスと自動テールゲートにより、大きな荷物でも簡単に搭載することができる。オプションのトレーラーカップリングを装着するとで、最大2000kgまでの牽引にも対応する。