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Mercedes-Benz S 450 d 4MATIC
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LEXUS LS500h
ほぼ同サイズも対照的なアピアランス




今回はハイブリッドの「レクサス LS500h」とディーゼルマイルドハイブリッドの「メルセデス・ベンツ S 450 d 4MATIC」を比較する。日本ではトヨタ セルシオとして1989年に初代モデルがデビューを果たした「レクサス LS」。2017年に5代目となる現行モデルが登場し、2020年にフェイスリフトを実施。レクサスを強く主張する“スピンドルグリル”を中心に据え、シャープでエッジを効かせたエクステリアが特徴となる。対する「メルセデス・ベンツ Sクラス」はメルセデスらしい大型グリルを中心に配置するが、より柔らかな印象のアピアランスを持つ。
LSは先代まで設定されていたロングボディを廃止し、全長5235mm/ホイールベース3125mmの標準ボディ1種類のみを展開。「LS500h」は全長で55mm、ホイールベースで20mm「S 450 d 4MATIC」よりも長いが、サイズ的にはほぼ変わらない。それでも、LS500hは6ライトウインドウを採用したことで、S 450 d 4MATICよりもキャビンスペースを大きく見せている。
メルセデス・ベンツ S 450 d 4MATIC
ボディサイズ=全長5180mm×全幅1930mm×全高1505mm
ホイールベース=3105mm
車両重量=2130kg
タイヤサイズ=255/45R19
レクサス LS500h
ボディサイズ=全長5235mm×全幅1900mm×全高1460mm
ホイールベース=3125mm
車両重量=2280(RWD)/2360(AWD)kg
タイヤサイズ=245/50R19(前)、245/50R19(後)
フルハイブリッドによる高い経済性


現行型のLSは、先代までラインナップしていた4.6リッターV型8気筒エンジンを廃止した。パワーユニットのダウンサイジングを図り、「LS500h」は3.5リッターV型6気筒ツインターボにモーターを組み合わせたハイブリッドパワートレインを搭載し、最高システム出力は359PSというスペックを実現した。
一方のS 450 d 4MATICは、3.0リッター直列6気筒クリーンディーゼルに、インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター(ISG)を搭載し、最高出力は367PSを発揮する。
フルハイブリッドのLS500h、高効率クリーンディーゼルにISGを組み合わせるS 450 d 4MATICと、どちらも高い経済性が特徴。ただ、乗り味に関してはディーゼルらしい太いトルクを持つS 450 d 4MATICに対し、LS500hはモーター駆動によるリニアなパワーデリバリーが特徴となる。
メルセデス・ベンツ S 450 d 4MATIC
エンジン形式=直列6気筒ディーゼルターボ+ISG
排気量=2988cc
最高出力=367PS/4000rpm
最大トルク=750Nm/1350-2800rpm
トランスミッション=電子制御9速AT
駆動方式=AWD
レクサス LS500h
エンジン形式=V型6気筒+ハイブリッドシステム
排気量=3456cc
システム最高出力=359PS/6600rpm
最大トルク=356Nm/5100rpm
最大モータートルク=300Nm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=RWD/AWD
日本的な価値観を極めた「レクサス LS500h」




LS500hは12.3インチTFT液晶メーターに、12.3インチ横型ディスプレイを配置。コンソール上には使用頻度の高いシートヒーターやシートベンチレーションの物理スイッチが残された。S 450 d 4MATICは12.3インチメーターディスプレイに、存在感を持つ縦型の12.8インチ有機ELメディアディスプレイが組み合わせられている。
十分なレッグスペースやヘッドスペース、贅を尽くしたトリムやシートなど、どちらのモデルもフラッグシップに相応しい快適な後席を誇る。S 450 d 4MATICがクロームパーツを多用し、煌びやかにラグジュアリー性をアピールするのに対し、LS500hはオーナメントに西陣織やプラチナ箔が用意されるなど、日本文化のエッセンスを室内に採り入れている。
「ドイツらしさ」と「日本らしさ」を極めた2台のラグジュアリーサルーン。価格差は300万円以上あるが、メルセデス・ベンツらしい高級感を求めるならば、S 450 d 4MATICとなる。Sクラスよりもリーズナブルな価格と、日本的な細やかさに重きを置くならば、LS500hは最適な選択肢になるだろう。