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Lamborghini GIRO JAPAN2021
九州をステージとしたランボルギーニのツーリングイベント
JIROとはイタリア語で「周回」とか「周遊」という意味があるという。ランボルギーニのGIROは風光明媚なロケーションをオーナーたちがそれぞれのクルマで巡るというツーリングイベントだ。本国イタリアをはじめ各国で開催されており、日本では2017年に初開催された。以後は年に一度行われる定例イベントとなって、日本のランボルギーニファンを楽しませてきたが、残念ながら2020年はコロナ禍により中止となってしまった。しかし2021年は2年振りに「GIRO JAPAN 2021」として、12月10日から12日の3日間の日程で開催されたのだ。
今回のステージは九州。全国からスタート地点の宮崎に集まったランボルギーニは約30台にのぼる。アヴェンタドール、ウラカン、ウルスとすべての車種が揃ったのはもちろんだが、中には日本専用に7台限定で生産されたアヴェンタドール S ジャパン・リミテッド・エディションや、世界限定40台で日本には2台しかないチェンテナリオなど希少なクルマの姿も見られたのは驚きだった。
30台ものランボルギーニが全国から集結
イベントの始まりは宮崎シーガイアコンベンションセンターでのガラ・ディナー。参加者は思い思いにドレスアップし、ランボルギーニにふさわしい雰囲気の中で地元の美味を堪能。翌朝は宮崎神宮の宮司による祈祷の後、シーガイアをスタート。参加者にはコースを解説したコマ地図が渡され、さらに全体を3つのグループに分けてそれぞれに先導車がつくという形だ。地元以外の参加者がほとんどであるだけに、迷子になる人が出ないよう、万全の体制が取られている。
一ツ葉有料道路を経由して西都ICから東九州自動車道へ入る。北上して都農ICで降り、最初の休憩地点である都農ワイナリーに向かう。高台にあるワイナリーの駐車場にランボルギーニがズラリと集合すると、さすがに壮観だ。スタート時は準備に追われていたこともあり、参加者たちはここで初めて他の参加車両をじっくりと見ることとなった。あちこちでクルマ談議に花を咲かせ、すぐにお互いの距離を縮めたようだ。
大排気量V型エンジンのエキゾーストノートが轟く
都農ワイナリーを後にして、海沿いの国道10号を日向方面へと向かう。ちなみに初日にボクがドライブしたのはウルス。快適な乗り心地とファミリーでの旅行にも十分な広さ、そしてSUVならではの高い視界はツーリングを楽しむのに最適な1台。しかも高速道路でのパフォーマンスも一級品。STRADAでも十分だが、ちょっと強く加速したい時はANIMAのセレクターをSPORTに入れると、まるでアヴェンタドールのようなレスポンスでエンジンが反応し、怒涛の加速を見せてくれるのでまったくストレスを感じることがない。
金ヶ浜にある海沿いのレストランで昼食を摂った後、再び北上。各車には無線が渡され、先導車からの指示が送られてくるからこちらはほぼ“言われるがまま”に走るだけ、余計な神経を使わなくて済むので景色を堪能できる。さらに無線を通じて土地土地の情報も流してくれるから、観光案内つきのドライブとなってとても楽しい。リニアモーターカーの試験路に興奮しながら走行を続け、東九州自動車道で大分・佐伯方面を目指す。北川ICを降りた後、「道の駅北川はゆま」で休憩。事前にSNSで告知されていたせいか、大勢の地元の人が待っていてくれた。通常はまず目にすることのないランボルギーニの集団に皆大喜びで、熱心にクルマを観察したり写真を撮ったり、参加者たちも子供を座席に座らせてあげたりと、地元の人との触れ合いを楽しんでいたようだ。
様々なイベントがツーリングを盛り上げる
さらに東九州自動車道を走り、大分県に入る。佐伯ICで降りた時、時刻は14時近くになっていた。その後は海沿いの国道217号を通って「しおさいの里」で再び小休止。ここでも大勢の人の歓待と太鼓の演奏に迎えられ、お祭り気分がさらに盛り上がる。ここでボクはクルマをウルスからウラカン STOにチェンジ。ちなみにスタートからここまで約200kmの走行でウルスの燃費は9.2km/リッター。通常よりもやや速いペースで走っていたことを考えれば、十分な数字だろう。
津久見ICから再び東九州自動車道に乗り、本日の目的地である別府を目指す。ウルスと比べるとウラカン STOの乗り味は比較にならないほどハード。とはいえ街中でも不快になるほどではないし、僅かなステアリングやスロットルの動きにも即座にクルマが反応してくれるので、運転することがとても楽しい。しかしルームミラーによる後方視界がほとんどゼロなのは、いささか不便だが・・・。
地元の人々との交流もツーリングの醍醐味
16時に別府湾SAに到着し、給油を行う。やはり我々一行は多くの人達に囲まれたのだが、その中に特に熱心にウラカンSTOの写真を撮っている青年がいたので話してみたら、ランボルギーニが大好きなのだという。ボクがGENROQの取材で来ていることを告げると大層喜んでくれて、ひとしきりクルマの話で盛り上がった。東京から遠く離れた場所で読者と触れ合うことができて、ボク自身も非常に嬉しい体験となった。
この日は約270kmを走り、別府に宿泊。夜は別府市とコラボレーションしたサプライズの花火などの演出もあり、みな長距離走行の疲れも忘れて、思い思いの夜を満喫した。
世界限定40台の希少モデル、チェンテナリオも参加
最終日となる12日は、オートポリスでの走行プログラムのために熊本を目指す。この日はなんと、途中までランボルギーニ福岡が所有するチェンテナリオの助手席に乗って移動するという幸甚に恵まれた。ソフトトップすらないチェンテナリオで3日間に渡るイベントに参加する勇気には驚くばかりだが、ランボルギーニ福岡の入江社長も一週間前から天気予報と睨めっこだった、と笑う。初めて乗るチェンテナリオは意外にも乗り心地が良く、またアヴェンタドール ロードスターよりも明らかに風の巻き込みが少ない。予想を上回るGT性能の高さは、新鮮な驚きだった。
九州横断自動車道を九重ICで降り南下、やまなみハイウエイを通りミルクロードを経由してオートポリスへ向かう。ミルクロードは阿蘇山を臨みながら走り抜ける道で、高い木がほとんどない草原の中を適度なワインディングが続くという、日本離れした景色が魅力のドライブウエイだ。
サーキットでランボルギーニのパフォーマンスを味わう
九州の雄大な自然を感じながら走っているうちに国際サーキット、オートポリスに到着。GIRO JAPAN 2021のフィナーレは、ここオートポリスで占有走行という贅沢なものだ。全員でストレート上での記念撮影を行ったのち、先導車に続いて全長4674mの本コースを走行。公道では不可能な速度域でランボルギーニのポテンシャルを味わうことができ、3日間の最後を飾るにふさわしい体験となった。
初めてJIRO JAPANに参加してみて感じたのは、ホスピタリティのレベルの高さだ。綿密なルート設定や数々のイベント、そして優れた食事にホテルなど、とにかく参加者に楽しんでもらうことを第一に考えられている。現代はモノではくコトの時代と言われるが、ランボルギーニという一流のモノを通じて一流のコト体験を提供するGIRO JAPANは、まさに現代にふさわしい最高のエンターテインメントだと言えるだろう。
REPORT/永田元輔(Gensuke NAGATA)
PHOTO/LAMBORGHNI JAPAN
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