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Pioneer NP1
通信型ドライブレコーダーも搭載 声だけの新時代ナビ
カーナビといえば、地図画面を出して目的地を入力、というのが基本。カーナビが普及してから約30年、このスタイルは変わることがなかった。しかし、このパイオニア NP1は音声で操作して音声で案内するという新発想のカーナビ。従来は画面にルートを描き、それを補完するために音声での案内があったが、NP1はその画面というものを完全に無くしてしまったのだ。音だけなんて本当に大丈夫なのだろうか? 実際に試してみよう。
装着車両はポルシェ 911のタイプ993。1994年式のこのクルマには当然ナビはついていない。以前はナビをつけようかなと思った時期もあったけど1DINのスペースしかないので適合する機種がほとんどない。そのうちにスマホ時代となったこともあり、結局ナビは着けずにずっときてしまったのだ。NP1はドラレコのようにウインドウ上部に装着するだけなので、このような旧車にはまさにオススメ。
通信型ドラレコも搭載しているし、クルマWi-Fiとして使うことも可能だ。そうそう、NP1はナビの他に録り逃しのない通信型ドラレコも搭載している。普通のドラレコよりはやや大きいけれど、狭い993の車内でも気になるほどではない。最初にスマホ専用アプリで使用者の情報を登録したら、スタンバイOKだ。
まるで優秀なナビゲーターのように
目的地の検索は、最初に「NP1」と呼びかけてシステムを起動させることから始まる。次に「新宿スクエアタワー(編集部のあるビル)を探して」と言ったら「タリーズコーヒー新宿スクエアタワー店があります。ここに行きますか?」とNP1が答えた。完全に一致する名称の登録がなくても、合致するキーワードから目的地を提案してくれるのだ。「はい」と答えると、音声案内が始まる。これが従来のカーナビの音声案内とは比較にならないぐらい細かく、たとえば「3つ先の信号を右です」とか「300mほど先の信号を左、山手通りです」とか「山手通りに入りました。5分ほど道なりです」など、要所要所でドライバーの不安を解消するような的確な案内をしてくれる。また「目的地まであと何分?」と聞くと即座に答えてくれたりもする。まさに隣にいる優秀なナビゲーターと会話をしている感じで、画面がなくてもまったく不安は感じない。
でもやはり地図画面も欲しい、という人でも大丈夫。専用アプリには地図も表示されるので、地図を見ながらのドライブも可能。また検索は施設名だけではなく「近くの空いている駐車場を探して」とか「近所の美味しいラーメン屋さんを探して」という注文にも応えてくれるから、初めての場所でも頼りになる。残念なのは音声による住所検索は現状は登録のある公共・商業施設しか対応していないことだが、その場合は専用アプリで住所で検索をしてそのまま目的地とすることができる。今後は定期的なアップデートでサービスや機能は増えていくというから、いずれは住所検索の範囲も増えるかもしれない。
ナビゲーションの新常識となるか?
音だけの案内に対する当初の不安を完全に払拭してくれたNP1。想像していたよりも遥かに使えるし、画面を見る必要がないので安全面でも優れている。ナビゲーションは画面で、という常識も、近いうちに変わっていくのかもしれない。
PRICE LIST
契約価格 | 契約内容 | 更新内容 | |
契約プラン1 | 6万5780円 | 1年分の通信+サービス料込み。 | 2年目以降の支払額は1万5840円/年 |
契約プラン2 | 9万3500円 | 3年分の通信+サービス料込み。 | 4年目以降の支払額は1万5840円/年 |
契約プラン3 | 2800円/月(24回分割払い。) | 1年分の通信+サービス料込み。 | 2年目以降の支払額は1万5840円/年 |
REPORT/永田元輔(Gensuke NAGATA)
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