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Bentley Bentayga EWB
ベンテイガ EWBオーナーの50%が導入
「エアラインシートスペシフィケーション」は、後席パッセンジャーが7段階から希望する温度を選択すると、オートクライメートシートが乗員の体温と路面湿度を25ミリ秒ごとに摂氏0.1度の精度で感知。暖房・冷房・換気、またはそのいずれかを同時に行うかを判断し、パッセンジャーを最適な温熱環境に保つことができる。
また、姿勢制御システムは、カイロプラクターと共同開発したアルゴリズムにより、パッセンジャーの着座位置やツボを自動的に微調整するシステム。このシステムは、3時間にわたって6つの独立した圧力ゾーンに177の圧力変化を加えることが可能で、快適性を向上し移動中の疲労を最小限に抑えることができる。シート表面の形状を時間と共に微妙に変化させることにより、身体のどの部分も長時間の圧力に耐えることなく、常に快適に過ごすことができるという。
ベンテイガ EWBにおける「エアラインシートスペシフィケーション」の初期導入率は、50%にも達している。
パッセンジャーが気づく前にセンサーが感知
パッセンジャーは7つの設定から最適な温度目標を設定可能で、センサーが測定したライブデータをもとにパッセンジャーに最適な温度をシートの暖房・冷房・換気レベルを変動させて決定する。初期段階では、シートは希望の温度を実現するために効率的に働き、シートヒーターとベンチレーションシステムを可能な限り早く作動させる。
その後、設定温度を維持するためにシートの温度システムを微小に調整。走行中も最適な温度快適性を維持するシステムとなる。実験では人間は摂氏1~2度の温度変化にしか気づけないが、システムはさらに細かいレベルまで実際の温度をモニター。ライブデータによってパッセンジャーが認識する前にシステムが作動し、快適性を維持するために手動制御を必要とせず、インテリジェントで自律的な温度調整が提供される。
オートクライメートシステムは、既存のシートヒーター技術を活用しているが、新たにシートベンチレーションファンを開発。従来のシステムより約80%も多くの空気を動かすことができるようになった。消費電力は現在のシートクライメートシステムより少なく、オートクライメート・モードでは、乗客が手動で作動させた場合に比べて、システム全体の消費電力は約40%も少なくなっている。
3次元的なひねりでツボを刺激
シートマッサージなどの疲労回復システムは数多く存在するが、「ポスチュラル・アジャストメント」はさらに一歩進んだ積極的な疲労回復システム。空気圧を利用したソフトなゾーンで身体とシートの接触圧を微妙に調整することで、アジャスタブルシートにありがちな2次元的な動きを超えて、3次元的なひねりでツボを刺激することができる。
これらの動作は、長時間の移動で不快感を感じるユーザーに対し、カイロプラクターと共同で開発した複雑なアルゴリズムによって制御。ベントレーは、専門組織「コンフォート・モーション・グローバル (CMG)」と協力し、科学的な空気圧による姿勢調整システムを開発した。CMGは数年前から疲労予防の分野に取り組んでおり、医学的根拠に基づく研究試験を実施し、姿勢の変化が快適さと健康にもたらす効果を明らかにしている。
座面の接触部に微妙な変化を与えることで、圧迫されていた身体組織が緩和され、他の部分には圧力がかかるようになる。これにより、身体の局所的な自然回復を促すことが可能になった。姿勢運動は背中や手足の角度に小さな変化を生み、血流を増加させることができる。特に腰や下肢の不快感が軽減されるため、パッセンジャーはより長い時間、注意力と集中力を維持することができるようになる。
12基の静音電動モーターをシート内に搭載
エアラインシートスペシフィケーションでは、助手席の背もたれにクッションと背もたれのボルスター調整、クッションエクステンション、電動ヘッドレスト高さ調整、展開式フットレストを追加。また、助手席サイドのリヤパッセンジャーは「VIPモード」時に助手席を前方に移動させることでくつろぎの体勢をとることもできる。
エアラインシートは、オートクライメートや姿勢調整システムとともに、ハンドクラフトのレザー表面の下に最先端のテクノロジーを搭載。12基の静音電動モーターは、シートだけで22通りもの調節が可能になった。
ユーザーは自身の体型に合わせて、または仕事や休息に合わせてシートを調整することができる。モーターには3基のインテリジェントな空気圧バルブ電子制御ユニットを搭載。モーターとバルブの組み合わせは、マスターシートモーション&ウェルビーイングECUによって管理されている。