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3年ぶりにWECが開催された富士スピードウェイ
9月11日、富士スピードウェイで2022年FIA世界耐久選手権(WEC)決勝が行われた。コロナ禍もあって、富士スピードウェイでWECが開催されるのは実に3年ぶりとなる。総合優勝を収めたのはハイパーカークラスのトヨタGR010ハイブリッドで1-2フィニッシュである。ハイパーカーとは高出力モーターとエンジンを組み合わせたハイブリッドのプロトタイプスポーツカーだ。
トヨタはル・マン5連覇を達成して今や耐久王の風格をまとっていたが、7月にデビューしたばかりのプジョーやスポーツカーとしての長い伝統を持ったアルピーヌなども注目を集めていた。なにしろWECは3年ぶりなのである。ハイパーカークラスには来年からフェラーリ、ポルシェ、BMWなども参戦するとあって、輸入スポーツカーファンとしては見逃せないシリーズとなるかもしれない。
もちろん旧来のLMP2クラスや、フェラーリやポルシェ、アストンマーティンなどのスポーツカーがしのぎを削るGTEクラスもあり、見所たっぷりの混走レースである。レースそのものの細かいところはモータースポーツメディアをご覧いただくとして、今回非モータースポーツ媒体(?)として取材の機会が与えられたのは「サーキットサファリ」体験である。
歴戦の海外メディアも驚いたサーキットサファリとは?
サーキットサファリは決勝前日の練習走行中に観客を乗せた大型バスを走らせて、コース上でレーシングカーの迫力を接近して体験できるというものだ。すでにスーパーGTなどでは実施されているのでレースファンならご存知の方も多いだろう。最近は海外でも行われる場合もあるようだが、WECではここ富士スピードウェイでしか用意されないプログラムだ。
サーキットサファリとは言い得て妙だと感心した。数時間後にレースを控えたレーシングカーはまさに猛獣というに相応しい迫力を醸している。大型バスに乗ってサーキットを周回するのもなかなか体験できないことだが、その脇を猛スピードのレーシングカーが行く様は、まさに野放しの猛獣がいる中をいくサファリパークそのもの。
バスはコースを2周(約15分)走行し、その間ほとんど途切れることなくハイパーカーやLMP2、GTEマシンが激しいサウンドを伴いながら抜いていった。百戦錬磨の海外メディアのカメラマン達も興奮を抑えられない表情で、いつもとは異なる撮影を楽しんでいた。編集部も普段行わないレース取材、しかも特殊な取材の機会を与えられたことで、すっかりレースへのリスペクトが高まってしまった。
この特殊なサーキットサファリ体験の価格は8800円/2名(ここには観戦券料金は含まれないので別途購入が必要だ)。人気のためウェブサイトでの申し込みの上、抽選が行われるという。来年はフェラーリやポルシェなどの海外スポーツカーブランドの参加も予定しているし、もしもWEC観戦を予定しているなら、オススメのオプション観戦プランである。