電動仕様の「ルノー カングー」2023年初頭からデリバリー開始

「ルノー カングー」待望のBEV仕様「カングー E-Tech エレクトリック」は航続距離285km

ルノー カングー E-Tech エレクトリックのエクステリア。
2025年までに48万台の電気自動車を生産する計画を持つルノー、カングーに待望の電動モデル「E-Tech エレクトリック」を追加した。
デビュー25周年を迎えたマルチパーパスビークル「ルノー カングー」に、待望の電動モデル「カングー E-Tech エレクトリック」が追加された。最高出力122psを発揮する電気モーターに、45kWhのバッテリーバッテリーが組み合わせられ、航続距離は285kmを確保。カングー E-Tech エレクトリックは10月17日に開幕する、パリ・モーターショーでワールドプレミアされ、デリバリーは2023年初頭から開始される。

Renault Kangoo E-Tech Electric

ルノー・エンブレムの奥に充電口を配置

ルノー カングー E-Tech エレクトリックのエクステリア。
カングー E-Tech エレクトリック専用グリルを採用。ルノー・エンブレムの奥に充電口が配置されている。

1997年の初代デビュー以来、実用的なデザイン、スライド式サイドドア、広大なラゲッジスペースなどを備えたカングーは、商用モデル・乗用モデルともにセグメントを牽引してきた。25年間、これまで世界50カ国で440万台を販売。今回、2021年にデビューした3代目カングーに、シリーズ初となるフル電動モデル「カングー E-Tech エレクトリック」が登場した。

エクステリアは内燃機関モデルを踏襲しながら、水平方向にキャラクターラインが入れられたボンネットに、4つのルーバーが配置された専用グリルを採用。ルノーのエンブレムの奥には、充電用プラグ差し込み口が収められている。

カングー E-Tech エレクトリックは、用途に合わせて3つの仕様をラインアップ。「Authentic(オーセンティック)」は、自治体や公共サービスが必要とする基本的な装備を搭載、商用ユースを希望する顧客用となる。「Equilibre(エクイリブル)」は、後席パッセンジャーに快適な室内空間提供し、環境に優しいタクシーなどの交通サービス向け。「テクノ(Techno)」は、快適性と安全性に加えて、個性的なデザインを求めるファミリー層や自営業者用となっている。

快適な2列目シートと大容量ラゲッジスペース

その使いやすさから、全世界で400万台を販売したカングー・シリーズ。電動モデルとなっても、広大なラゲッジなど、そのユーティリティ性能は少しも損なわれていない。
その使いやすさから、全世界で400万台を販売したカングー・シリーズ。電動モデルとなっても、広大なラゲッジなど、そのユーティリティ性能は少しも損なわれていない。

インテリアは内燃機関モデルをベースとし、一部の仕様ではシックなダークブラッシュウッド仕上げが導入された。長時間の運転が想定される商用ユースを考慮し、エルゴノミクスに配慮したドライバーズシートが採用された。また、ダッシュボードの10インチのオールデジタル・カラーディスプレイ(オプションで設定可能)には「E-Tech」専用の情報も表示される。

2列目はセグメントの全てのモデルよりも広大なスペースが用意されており、大人3人が快適に過ごせる3座のシートに加えて、室内を快適な温度に保つ後席用ベンチレーションシステムも採用。カテゴリー最大容量となる、850リッターのラゲッジスペースに加えて、2列目シートをスライドすることで、2500リッターまで拡張することもできる。

工具を使わずに調整可能な革新的なルーフバーを使うことで、様々な大きさの荷物を積載することも可能。また、新たにレベル2自動運転機能を含む、14ものドライバーアシスタントシステムが採用されている。

日常域をカバーする285kmの航続距離

ルノー カングー E-Tech エレクトリックの走行シーン。
自家用だけでなく、都市部の商用ユースも想定されているカングーは、1回のフル充電で285kmという、必要にして十分な航続距離が確保された。

新型リチウムイオンバッテリーは、45kWhの容量を持ち、個別に交換が可能な8個のモジュールで構成される。走行可能後続距離は285 km(WLTPサイクル)と、日常におけるほとんどの用途に十分対応が可能。バッテリーは、8年/16万kmの保証付きとなり、それ以前に電池容量が公称容量(SoH)の70%を下回った場合は、ルノーが無償でバッテリーを交換する。

最高出力90kW(122ps)、最大トルク245Nmを発揮する電動モーターを1基搭載。出力を56kW(76ps)、最高速度を110km/hに制限する「エコモード(Eco mode)」をオンにすることで、状況に合わせて航続距離を最適化することも可能だ。

今回、あらゆる季節・気候に対応すべく、ヒートポンプを利用した「デュアルゾーン・エアコンシステム」が採用された。可逆式エアコンと同じシステムが採用されており、暖房は外気を室内へと取り込み、冷房は室内の空気を抜いて室外へと放出。これにより快適性だけでなく、エアコンの使用による航続距離の短縮を避け、あらゆる状況下において航続距離を最大30km延長するという。

バッテリーへの充電は「家庭用11kW充電システム」、5%から80%までを2時間30分で充電可能な「22kW AC急速充電システム」、170kmの航続距離分を約30分で充電可能な「80kW DC充電システム」に対応する。

電動ドリフトコンセプト「ルノー R5 ターボ 3E」のエクステリア。

非公開: 電動ドリフトコンセプトカー「ルノー R5 ターボ 3E」が目指したのは、50年前の5(サンク)ターボとテレビゲームの融合

ルノーは「5(サンク)」の誕生50周年を記念し、かつてラリーで大活躍した「5ターボ」「5ターボ2」という歴史的なスポーツバージョンをオマージュ。フル電動ドリフトショーカー「R5 ターボ 3E」を開発した。R5 ターボ 3Eは、9月25日に開催される「シャンティイ・アート&エレガンス 2022(Chantilly Arts & Elegance 2022)」においてワールドプレミアされる。

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…