目次
Renault Kangoo E-Tech Electric
ルノー・エンブレムの奥に充電口を配置
1997年の初代デビュー以来、実用的なデザイン、スライド式サイドドア、広大なラゲッジスペースなどを備えたカングーは、商用モデル・乗用モデルともにセグメントを牽引してきた。25年間、これまで世界50カ国で440万台を販売。今回、2021年にデビューした3代目カングーに、シリーズ初となるフル電動モデル「カングー E-Tech エレクトリック」が登場した。
エクステリアは内燃機関モデルを踏襲しながら、水平方向にキャラクターラインが入れられたボンネットに、4つのルーバーが配置された専用グリルを採用。ルノーのエンブレムの奥には、充電用プラグ差し込み口が収められている。
カングー E-Tech エレクトリックは、用途に合わせて3つの仕様をラインアップ。「Authentic(オーセンティック)」は、自治体や公共サービスが必要とする基本的な装備を搭載、商用ユースを希望する顧客用となる。「Equilibre(エクイリブル)」は、後席パッセンジャーに快適な室内空間提供し、環境に優しいタクシーなどの交通サービス向け。「テクノ(Techno)」は、快適性と安全性に加えて、個性的なデザインを求めるファミリー層や自営業者用となっている。
快適な2列目シートと大容量ラゲッジスペース
インテリアは内燃機関モデルをベースとし、一部の仕様ではシックなダークブラッシュウッド仕上げが導入された。長時間の運転が想定される商用ユースを考慮し、エルゴノミクスに配慮したドライバーズシートが採用された。また、ダッシュボードの10インチのオールデジタル・カラーディスプレイ(オプションで設定可能)には「E-Tech」専用の情報も表示される。
2列目はセグメントの全てのモデルよりも広大なスペースが用意されており、大人3人が快適に過ごせる3座のシートに加えて、室内を快適な温度に保つ後席用ベンチレーションシステムも採用。カテゴリー最大容量となる、850リッターのラゲッジスペースに加えて、2列目シートをスライドすることで、2500リッターまで拡張することもできる。
工具を使わずに調整可能な革新的なルーフバーを使うことで、様々な大きさの荷物を積載することも可能。また、新たにレベル2自動運転機能を含む、14ものドライバーアシスタントシステムが採用されている。
日常域をカバーする285kmの航続距離
新型リチウムイオンバッテリーは、45kWhの容量を持ち、個別に交換が可能な8個のモジュールで構成される。走行可能後続距離は285 km(WLTPサイクル)と、日常におけるほとんどの用途に十分対応が可能。バッテリーは、8年/16万kmの保証付きとなり、それ以前に電池容量が公称容量(SoH)の70%を下回った場合は、ルノーが無償でバッテリーを交換する。
最高出力90kW(122ps)、最大トルク245Nmを発揮する電動モーターを1基搭載。出力を56kW(76ps)、最高速度を110km/hに制限する「エコモード(Eco mode)」をオンにすることで、状況に合わせて航続距離を最適化することも可能だ。
今回、あらゆる季節・気候に対応すべく、ヒートポンプを利用した「デュアルゾーン・エアコンシステム」が採用された。可逆式エアコンと同じシステムが採用されており、暖房は外気を室内へと取り込み、冷房は室内の空気を抜いて室外へと放出。これにより快適性だけでなく、エアコンの使用による航続距離の短縮を避け、あらゆる状況下において航続距離を最大30km延長するという。
バッテリーへの充電は「家庭用11kW充電システム」、5%から80%までを2時間30分で充電可能な「22kW AC急速充電システム」、170kmの航続距離分を約30分で充電可能な「80kW DC充電システム」に対応する。