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Bugatti Bolide
サルト・サーキットの大観衆に走行シーンを披露
ブガッティが誇るモータースポーツの伝統は、ル・マン24時間レースの密接に関係している。今回、ル・マン24時間レース100周年という完璧なタイミングに合わせ、サルト・サーキットに集まった大観衆の前で、ボリードの走行シーンが初めて披露された。
決勝レースがスタートする前、6月10日午後にボリードが、これまで多くの歴史が刻まれてきたサルト・サーキットを走行。今回のデモンストレーションランは、ボリードの一般初公開となっただけでなく、1988年のル・マン24時間レースウイナーであるアンディ・ウォレスがそのステアリングを握った。
耐久レースマイスターのウォレスがドライブ
2011年からブガッティの公式テストドライバーを務めるウォレスは、ル・マン24時間、デイトナ24時間、セブリング12時間の3冠を達成した耐久レースマイスター。ボリードでの走行を終えたウォレスは、興奮を隠さず次のように振り返った。
「今年のル・マン24時間レースで、ボリードのステアリングを握ったことは、特別な瞬間となりました。そして、サルト・サーキットに集まった観客のエネルギーとクルマとの一体感は私の生涯の思い出になるでしょう」
「ボリードはあらゆる点で本物のレーシングカーのようなエクステリアとフィーリング、最高レベルの高性能を備えています。最高速度で自重の約2倍のダウンフォースを発生させ、高速コーナーで高いレベルのグリップと安定性を発揮するのです。ここに最高出力1600PSを発揮する8.0リッターW型16気筒クワッドターボエンジンを組み合わせることで、ボリードはまったく新しい次元に到達しました」
EB110S “ル・マン”も会場に展示
今年のル・マン24時間のレースウイークは、100周年を記念したイベントが数多く開催された。ボリードの一般公開に加え、さらに2台の特別なブガッティが登場。ウォレスのデモンストレーションラン後、「ル・マン100周年特別展」において、ブルーのボディカラーを纏った「EB110S “ル・マン”」も公開されている。
EB110 GTをベースに開発されたEB110S “ル・マン”は、最高出力611PSを誇る3.5リッターV型12気筒クワッドターボエンジンをリヤミッドに搭載。1994年シーズンのル・マン24時間レースにも参戦するも、メカニカルトラブルにより、早々とリタイアを余儀なくされた。それでも、世界中のモータースポーツファンに強い印象を残した1台だと言えるだろう。
ル・マン100周年特別展には、EB110S “ル・マン”に加えて、1931年のル・マン24時間レースを走った「ブガッティ タイプ50S」も展示されている。