【脱力系でも核心をつくF1コラム】第2回

新記録13連勝達成……でもなによりRed Bull Racingの「横一文字」が気になる、というF1のオハナシ

Red Bull Content Pool
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スーパーカーは大好きだけど、F1はそこまで詳しくないかも……。そんなアナタにお届けする、ゲンロクWeb流のちょっとゆるめのF1コラム。第2回は、レッドブルのアレに注目。

35年ぶりの新記録。でもココでは話は逸れて……

Red Bull Content Pool
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いやぁ、Red Bull Racing。F1新記録となる13連勝です(旧記録は1988年マクラーレンホンダのセナプロによる11連勝)。2022年最終戦アブダビから、2023年前半戦最後のラウンドとなるベルギーまで勝ちっぱなし。プロ野球で言えば、前年の日本シリーズから翌年の夏休み前までまったく負けなしの80連勝的な。そのぐらい圧倒的な強さ。

そこまで勝ちまくってたら「もうマシン開発なんかもしなくてもいいでしょ?」って思っちゃうけど、夏休み前にRed Bull Racingが投入してきた改良版RB19(=2023年シーズン用マシンがRB19。改良版を以下RB19改と呼びます)。もともとダントツに速いマシンをさらに改善してきたからもっと速い。そしてライバルに比べてタイヤも長持ち……。その真面目なテクニカル解説は姉妹誌Auto Sportsで読んでいただくとして、ここで注目すべきは「そのカッコよさ」であります。

F1を追っているファンの方ならもうご存知だろうけど、近年F1でいちばんのホットトピックとなっているのが「サイドポッド」のデザイン(コクピットのすぐ横の左右出っ張ってる部分)。ラジエターが詰まっていて冷却はもちろんのマシン全体の空力に大きな影響がある。

その中でも、RB19改がスンゴイのがサイドポット先端にある「エアインテーク」。

ホラホラ、前から見た時のこの「薄さ」ね。嗚呼。。。

Red Bull Content Pool
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ラジエターがあって空気を取り込むってんだからガバーッと前に向けて口があいているのが当たり前。F1マシンって350km/hでるんだもの。なるべく空気を取り入れたい。けど開口部を大きくすると空力的に美味しくない。基本そのせめぎあい。そんな中で。RB19改のエアインテーク。前から見るともうポスト投函口よりも細っこい横一文字。ジャッキーンとモダンでこりゃカッコいい。空力的にどうしたこうしたはこの際もう気にしないで、見た目のかっこよさだけで、嗚呼。。。

「この人ナニ言ってんの?」って読者の方は他のマシンのサイドポットエアインテークを見てみるべし(下写真)。ほらほら、もうなんかヌボーってサカナが口を開いているみたいでモダン感がレベチ。

Ferrari
Ferrari

RB19改だと、実際には開口部が前向きでなく“少し上を向いている”イメージなんだけれど(*だから前から見ると極薄に見える)、従来の「前から後」ではなく「上から吸って後に出す」っていう空気の流れをイメージさせるこのデザイン。再度言わせてもらうと、機能がどうしたこうしたっていうよりも、この「新感覚の視覚的なエネルギーの流れ方感」(なんのこっちゃ)っていうのが、とどのつまり最高で。

ウイングが他よりも少し複雑になっている。フロントノーズがとんがっている。ボディが他より細くてシャープ。そういうよりわかりやすい部分でなく、まさかのサイドポッド・エアインテークの形状で未来を示してきたRB19改。

薄型インテークでクリーンエアを多く後ろに流してとか、入り口を絞ることで取り込む空気の流速を上げて、とかとか。そういう性能面でももちろんスゴいんだろうけど。ただ、見た目としてのかっこよさ、未来感、こんなの見たことない感。そういうところの楽しみの意味で、本当に素晴らしいディテールで(うっとり)。スーパーカー大好きGENROQ読者の皆様にも、是非とも注目してほしいマシン&ディテールなワケであります。

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