【モントレー・カーウィーク】街で見かけた展示車以外の気になるクルマ

モントレー・カーウィーク2023(の周辺)で見かけた気になるクルマ【今買うなら、ひょっとしてコレちゃう?番外編】

華やかな会場には様々な夢のクルマが集う。実際オークション平均落札価格は8000万円前後という。
華やかな会場には様々な夢のクルマが集う。実際オークション平均落札価格は8000万円前後という。
クルマの流行廃りにあわせて大きく動く中古車市場。もしも中古車ライフを送るなら、その波を正確に捉えてお得な買い物をしたいものだ。そんな時代の羅針盤たるべく、西川淳が「今」買いのクルマを紹介する。番外編の今回は先日行われたモントレー・カーウィークで見かけた気になるクルマたち。

昨年に比べて少々下降気味の平均落札価格

この数年、落ち着いてきたかに思われた趣味のクルマの中古車市場だけれど、ここにきて急激な物価上昇と円安とが重なって海外市場での価格が相対的に上昇し、つられて買い手がさほど積極的ではなかったはずの日本市場の相場も上がってきた。いやはや、クルマ好きにとっては何とも楽しみづらい状況に再びなりつつある。

今年のモントレー・カーウィークでもたくさんのオークションが開催され話題を呼んだ。ただし、新たに参入したオークションハウスもあって、出品台数は増えてものの落札台数(成約率)と平均落札価格は昨年に比べて少々下降気味。ちなみにボナムスに出品されて注目の的だった1967年式フェラーリ412Pは50億円に“とどまった”。

台あたり平均の落札価格は、昨年より1割ほど下がったとはいえ、それでも8000万円前後と言うからもはや金持ち以外手を出せない状況だ。手をつけられないとはまさにこのことを言う。

まずはふたつの「8」に注目

そんな場所に一週間もいると、買えやしないのに感覚がおかしくなっていく。これはまずいと言うわけで、モントレーの街中でイベントの合間や移動時にもう少し買いやすいモデルを探してみた。

個人的に今乗るとかっこいいと思うのが「ジャガーXK」シリーズの初代だ。低くて長くナローなクーペ&カブリオレスタイルはすでに現代車にはないたたずまい。クラシックの領域にとどまっている。動力性能もそこそこ期待できるし、何よりジャガーは最新のFタイプを最後に、エンジン付きスポーツカーはもう作らないかもしれない。クラシックな雰囲気の初代XKクーぺに再び注目が集まることもありうる。今なら100万円台から探せる! スーチャー付きのRよりタッパのあるタイヤを履いた自然吸気の「8」がいい。

次に何台かイベントでも見かけてかっこいいと思ったのが「BMW 8シリーズ」の初代だ。このところ日本でも人気、と言うか海外バイヤーが買いあさってしまい、沢山あった中古車も随分と減ってしまった。けれども相場そのものはさほど上がっていない、今がラストチャンスだろう。12気筒よりも8気筒が欲しいところだけれど、流石にほとんど流通していない。12発なら500万円前後で見つかる。

アメリカンマッスルとV12フェラーリ

70周年ということで「シボレー コルベット」もモントレーでは主役の1台だった。最新のNAミドシップとなったC8は、デビュー時には新車にプレミア人気がついたけれど今は落ち着いている。よくできたスポーツカーながら、コルベットらしさに欠けると思う人が多かったのか、最近になって中古車の流通量が急激に増えてきた。何せ年間に3万台以上作っているミドシップカーなのだ。今後は相場も順調に下がっていく。逆にコルベットらしさを求めたユーザーが先代モデルへ回帰しているようで、C7のZ06などはC8よりも高い価格で取引されることもあるようだ。C6同様、決断は早い方が良さそうである。

もう一台のアメリカンマッスル、「ダッジ ヴァイパー」もモントレーを走っているとめちゃくちゃかっこよく見えた。日本での人気はイマイチだから、ずっと“お買い得プライス”。もっとも新しいモデルは高値安定で、今狙うとすれば初代のロードスターだ。海外バイヤーによって買いあさられた形跡もあって流通台数はかなり減っているけれど!

最後にフェラーリ。個人的にもずっと注目してきた「550マラネロ」。以前、一度高くなったけれど再び下落。長らく買いやすい状況が続いていたけれど、そろそろ上がってきたようだ。現状、マーケットプライスは2000万円近くにまでなっているけれど、実質的にはもう少し安い価格で取引される。今のうちに手に入れておいて間違いない。リアリティある価格で購入できるMTの12気筒最後のFRフェラーリなのだから。

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