2000万円超の最新トヨタ&レクサスラグジュアリーモデル3台比較

トヨタとレクサス2000万円超のラグジュアリーモデル3台「LM」「センチュリーSUV&セダン」をサイズと室内と馬力で比較する

LMのホイールベース3000mmに対し、センチュリーSUVは2950mmでほとんど差がない。同セダンが一番長い3090mmとなる。
LMのホイールベース3000mmに対し、センチュリーSUVは2950mmでほとんど差がない。同セダンが一番長い3090mmとなる。
同じトヨタ製ラグジュアリーモデル3台だが、ミニバン、SUV、セダンとボディタイプはまったく異なる。車両本体価格はLMが2000万円、センチュリーSUVが2500万円、センチュリーセダンが2008万円といずれも2000万円超えの本格派を比較する。

全長が短いLM、全幅の広いSUV、WBの長いセダン

LM、センチュリーSUV、センチュリーセダンを比較する。意外なことに全長はミニバンのLMが5125mmで一番短く、セダンタイプのセンチュリーはLMより210mmも長い5335mm。SUVタイプのセンチュリーもLMに対して80mm長い5205mmとなっている。

一方ホイールベースはLMの3000mmに対し、センチュリーSUVは2950mmでほとんど差がない。同セダンが一番長い3090mmだ。このあたりはLMとセンチュリーSUVがともに新GA-Kプラットフォームを採用している一方で、センチュリーセダンのプラットフォームはTNGAではなく、4代目レクサスLS(LWB仕様)をベースとしているという点も影響しているかもしれない。

全高はミニバンであるLMがもっとも高く17インチホイール仕様で1945mm、19インチホイール仕様で1955mmとなっており、全高1805mmのセンチュリーSUVに対して140~150mm、最も低い1505mmのセンチュリーセダンに対しては440~450mm背が高くなっている。逆に全幅はLMがもっとも狭く1890mmで、1990mmのセンチュリーSUVに対し100mm、1930mmのセンチュリーセダンに対して40mm狭くなっている。

ボディサイズ比較

LM500hセンチュリーSUVセンチュリーセダン
全長5125mm5205mm5335mm
全幅1890mm1990mm1930mm
全高1955mm(19インチ仕様)
1945mm(17インチ仕様)
1805mm1505mm
ホイールベース3000mm2950mm3090mm
車両重量2460kg2570kg2370kg
乗車定員4名4名5名

三者三様のパワートレイン

3車ともエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドだが、それぞれ異なるパワートレインを搭載しているのが面白い。まずLMは2.4リッター直4ターボエンジン、6速ATにモーターを組み合わせてフロントに、リヤにも高出力モーターを搭載する。2.4リッター直列4気筒ターボをベースとするハイブリッドパワートレインは、LM以外ではレクサスRX500hとトヨタ・クラウンクロスオーバーに採用されているのみ。しかもLMは出力面でクラウンクロスオーバーより強化されており、システム最高出力は371PSを誇る。

センチュリーSUVは3.5リッターV型6気筒エンジンのプラグインハイブリッドシステム(PHEV)を搭載する。駆動方式はLM同様にリヤをモーターで駆動するAWDだ。エンジンパワーはLMの2.4リッター直4ターボより低く設定されているが、モーターは前後ユニットともに強力で、システム最高出力は412PSとLMを上回る。またPHV車であり、EV走行可能距離は69kmもあるから日常はEVとしても使用可能だ。

センチュリーセダンは、5リッターV8エンジンをベースとするハイブリッドシステムで、駆動方式はRWDとなっている。5リッターV8エンジンは最高出力381PS、モーターが同224PSとなっており、システム最高出力は431PSに達する、3車の中でもっともシンプルかつパワフルなパワートレインとなっている。

ちなみにWLTCモード燃費はPHEVのセンチュリーSUVが14.2km/L、LMが13.5km/L、センチュリーセダンが12.4km/Lの順となっている。

パワートレイン比較

LM500hセンチュリーSUVセンチュリーセダン
パワートレイン2.4リッター直4ターボ+ハイブリッド3.5リッターV6+プラグインハイブリッド5リッターV8+ハイブリッド
エンジン種類2.4リッター直列4気筒ターボ3.5リッターV型6気筒5リッターV型8気筒
トランスミッション6速ATCVTCVT
駆動方式AWDAWDRWD
エンジン最高出力202kW(275PS) / 6000rpm193kW(262PS)/6000rpm280kW(381PS)/6200rpm
エンジン最大トルク460Nm/ 2000-3000rpm335Nm/4600rpm510Nm/4000rpm
モーター最高出力 フロント/リヤ64kW(87PS)/75.9kW(103.2PS)134kW(182PS)/80kW(109PS)165kW(224PS)
モーター最大トルク フロント/リヤ292Nm(29.8kgm)/168.5Nm(17.2kgm)270Nm(27.5kgm)/169Nm(17.2kgm)300Nm(30.6kgm)
システム最高出力273kW(371PS)303kW(412PS)317kW(431PS)
燃費性能(WLTCモード)13.5km/L14.2km/L12.4km/L

後席の空間はLMが圧勝か?

ショーファーカーでは後席の快適性が何よりも重要視される。LMの室内寸法は日本向けにまだ公表されていないが、すでに公開されている画像を見る限り、足もとや頭上のスペースはセンチュリーの2台を圧倒していそうだ。LMは前後席がガラス製パーティションで区切られているのが特徴だ。車内空間をガラスで仕切ることで、後席のパーソナル感とプライバシー性を高め、車両前部から発生するノイズを低減。パーティションガラスは開閉や調光変更が可能で、前後席どちらからでも操作可能だが、後席には作動ロックボタンが用意されている。このパーティション下部にはHDMI入力が可能な48インチ大型ディスプレイが備えられ、左右2画面表示など様々な表示パターンが用意される。後席はオットマン付きパワーシートでヒーターとベンチレーターも設定。ヒーターはアームレストとオットマンにも備わる。シートバックとクッションにはエアブラダー(空気袋)が内蔵され、大腿部から背中までを押圧する機能も持つ。

センチュリーSUVは後席と荷室の間に隔壁となるラゲージルームセパレーターを備えるほか、車内の前後席を隔てるように設けられたタワーコンソールにはブルーレイディスクプレイヤーなどが格納され、11.6インチのディスプレイが左右前席後部にそれぞれ配置される。電動リヤシートは最大77度まで倒すことが可能で、フルリクライニング時は身長190cmの人が足先を伸ばしても前席に触れないスペースが確保される。LM同様に脱着式のリヤマルチオペレーションパネルも装備され、空調やオーディオ、助手席の操作を含むシート操作がこのデバイスから可能だ。メーカーオプションの冷蔵庫は左右後席間に配置される。

センチュリーセダンはロングホイールベースを活かし、セダンとしては広い空間を確保している。内蔵エアブラダーで肩から腰までを押圧するリフレッシュシートはヒーターとベンチレーターも備え、後席は左右ともにパワーリクライニングシートとなっているほか、左側はオットマンも電動化される。左右前席に挟まれるように配置されたタワーコンソールには11.6インチディスプレイのほか、ブルーレイディスクプレイヤーなどを装備。また、センチュリーはSUV/セダンともにアクティブノイズコントロールを装備。車内に伝わるエンジンのこもり音などを、スピーカーから逆位相の音を発することで打ち消し、静粛性を一段と向上させている。

センチュリーセダンには備わらないドライブモードとして、センチュリーSUVとLMにリヤコンフォートモードが設定された。文字どおりに後席の快適性を重視したドライブモードで、レクサスにとってはLMが初採用で、AVS(Adaptive Variable Suspension system)の減衰力特性は後席の乗り心地を優先し、アクセルやブレーキを統合制御することで、加減速時の車両姿勢変化が減るようにセッティングされた。なおサスペンション型式はLMが前マクファーソンストラット/後ダブルウィッシュボーン、センチュリーSUVが前マクファーソンストラット/後マルチリンク、センチュリーセダンが前後マルチリンクと、3車でそれぞれ異なるがAVSは全車装備される。

先代LMには7シーターも存在していたが、新型となって4シーターしか設定がない。センチュリーはSUVタイプが4名、セダンタイプは5名となっている。

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…