焦ってバックするのは危険!停止線オーバーは落ち着いた対応が基本

信号待ちの際にブレーキ操作が間に合わず、前輪が停止線を越えてしまうケースは珍しくない。
こうしたハプニングは誰にでも起こりうるものだが、そのまま停車を続けてよいのか、それとも後退すべきか判断に迷う場面でもある。

そこで知っておきたいのが、停止線を越えてしまった際に取るべき基本的な対応である。
道路交通法第7条において赤信号は「停止位置を越えて進行してはならない」と定められており、停止線を越えて交差点内に進入した状態は信号無視や交差点等進入禁止違反などに問われる可能性がある。
しかし、違反を恐れるあまり、停止線を越えたことに気づいた瞬間に慌ててバックを開始するのは、後続車がすでに直近まで接近して停車している場合、後退操作によって追突事故を引き起こすリスクを高める危険な行為だ
とくに信号待ちの列に並んでいる状況では、後続車のドライバーは前方車両が後退してくることなど予測していないケースがほとんどであり、わずかな後退であっても接触事故につながりかねない。

また、自車のすぐ後方に原付バイクや自転車がすり抜けて停止している可能性も考えられるため、死角への確認不足が交通事故を招くおそれもある。
したがって、停止線をわずかに越えてしまった程度であり、他者の通行を著しく妨げていないのであれば、無理に後退を試みるのではなく、信号が変わるまでそのまま待機するという判断も選択肢のひとつとなる。
まずは周囲の状況を冷静に見極めることが、二次的な事故を防ぐための第一歩といえるだろう。
状況に応じた柔軟な判断が必要

一方で、すべてのケースにおいてそのまま待機すればよいというわけではない。
たとえば、横断歩道の上に車体を停止させてしまった場合や交差点の中央付近まで完全に進入してしまった場合などは、歩行者や交差道路を通行する車両の通行を著しく妨げるおそれがある。
横断歩道を塞いでしまうと歩行者が車道を大きく迂回せざるを得なくなり、他の車にはねられるといった二次被害を引き起こす危険性も高まるため、状況を見てバックするべきか判断する必要があるというわけだ。

このような場面では、まずミラーや目視で後続車や歩行者の有無、後方との距離感を確認し、安全に後退できる空間があるかどうかを見極めることが重要となる。
もし後続車が近い距離で停車している場合は、ハザードランプを点灯させるなどして周囲に合図を送り、自車が後退したがっている意思を明確に伝えながら、慎重に後退操作をおこなうとよいだろう。
また、交通量の多い交差点付近では警察官が交通整理をおこなっている場合もあるため、その場に警察官がいるときは指示に従って移動することが望ましい。
警察官の誘導があれば、後続車や歩行者の動きも含めて安全な移動のタイミングを示してもらえるため、ドライバー自身が判断に迷う必要がなくなるからだ。
停止線のオーバーは誰にでも起こりうるハプニングであるからこそ、焦らず冷静に状況を把握する姿勢が求められる。
