神社&お寺のおもしろ交通安全ステッカー……こんなデザインもアリ!? 初詣に行ったら探してみよう!

クルマの正月飾り同様に、最近は貼っているクルマも少なくなった「交通安全」 のステッカー。神社やお寺で売っていて、かつては毎年新しいステッカーに更新しているクルマも見かけたくらい。しかし、貼る人は少なくなっても、神社&お寺では相変わらず交通安全ステッカーが販売されている。しかも、それぞれの神社やお寺で工夫を凝らしたデザインのものを用意している。日本屈指の交通安全ステッカー蒐集家「タンデム」さんの協力で、その一部を見てみよう!
REPORT:Motor-Fan.jp 取材協力:タンデム

「交通安全ステッカー」というとどういったものを思い浮かべますか? 「交通安全」の文字と神社やお寺の名前が書き込まれ、鳥居や仏閣、その神社やお寺と縁の深いデザインされていたり……といったイメージだろうか。
それも間違っていない。交通安全ステッカーのオーソドックスだ。

福岡県の太宰府天満宮。菅原道真公の梅がポイントだ。
島根県の出雲大社は、大国様の打出の小槌がモチーフ。
東京都千代田区の神田明神は江戸総鎮守。金文字が豪華。
神君家康の霊廟、栃木県の日光等将軍は徳川家の家紋、三つ葉葵。贅沢な金地。

“交通安全”といえば乗り物だよね!

そんなオーソドックスな交通安全ステッカー以外にも、色々なモチーフのデザインがある。特に”交通安全”ともなればやはり乗り物とは切っても切り離せない。乗り物モチーフのステッカーだが、その乗り物の種類も実はかなり豊富だったりする。

千葉県富里市の香取神社のモチーフはトラクター。富里市はスイカの名産地で、スイカモチーフのステッカーもある。
奈良県天理市の大和神社は戦艦大和の艦名の由来となった旧国名を冠した神社。
新しいジャンルでありながら”航空神社”は意外と多い。このステッカーは大阪府泉佐野市の泉州航空神社のもの。

陸海空とそれぞれモチーフにしたステッカーがある中で、最近のバイクブームから”バイク神社”として話題になっている神社もあり、15社がランドマーク認定部会により認定されている。それとは別にバイクモチーフとした交通安全ステッカーもある。山梨や秩父、北海道はツーリングのメッカだけに然もありなん。

山梨県山梨市の差出磯大嶽山神社。空冷シングルのクラシックバイクモチーフで、 キャブレターや燃料コックまで描かれている凝ったもの。
埼玉県秩父郡小鹿野町の小鹿神社は欧文「OGANO」をバイクにデザインしたもの。小鹿野はライダーの聖地として人気のエリアだ。
北海道十勝郡の浦幌神社は社名をバイクのデザインに。

さて、ここまで見て”クルマ”のステッカーが無いことに気づきだろう。実はクルマをモチーフにした交通安全ステッカーが意外にも少ないのだ。タンデムさんの収集品にもあまり見かけない。

神奈川県横浜市保土ケ谷区にある神明社がモチーフとする”クルマ”は牛車。
フォーラムエイト・ラリージャパンでもおなじみの愛知県新城市にあるその名も「車神社」は車輪がモチーフ。クルマ、バイク、自転車、ドローン(!)の安全を護る神社ということだ。
群馬県桐生市の宝徳寺の交通安全ステッカーは数少ない”自動車”が描かれたステッカーだ。クルマに乗るのは同寺のキャラクター「わくわく日和」で、LINEスタンプもある(!)

歴史好きなら必見!

神社やお寺はその祭神や縁起、曰くに歴史的故事や歴史上の人物が絡むことも多い。歴史好きなら訪れておきたいところだ。上にも挙げた菅原道真公はもちろんのこと、戦国武将や何気の多いのが源氏が縁となるものだ。

兵庫県川西市の多田神社は天皇に連なる清和源氏の発祥の地。始祖である満仲公から頼光、頼信、頼義、義家の五代を祀る。武家の棟梁らしく騎馬モチーフ に源氏の家紋である笹竜胆をあしらう。
群馬県太田市の金山城跡にある新田神社は新田義貞を祀る。金山城跡はスバルの太田工場から程近く、スバリストなら大光院と合わせて手に入れたいところだ。
東京都品川区の品川神社は徳川家康が関ヶ原出陣の際に戦勝祈願をした神社。「追突御免」はインパクト抜群!
山形県米沢市の上杉神社は上杉謙信を祀る。毘沙門天の一字をあしらったシンプルなデザイン。
武田信玄を祀る山梨県甲府市の武田神社。武田菱に諏訪法性兜と軍配をあしらった赤金のデザインがカッコイイ。

かわいい? かっこいい? 動物デザイン

神様の使いであったり縁起に関わるものだったり、神社やお寺には意外と動物と縁が深い。となると、交通安全ステッカーにも動物をモチーフにしたデザインが採用されていることもある。
例えば日本で一番多い「八幡神社」の使いは鳩。「稲荷」といえば「狐」が超有名。菅原道真公の「天満宮」「天神」は牛。「熊野神社」は八咫烏。「春日大社」「鹿島神宮」は鹿といったところ。
また、それらとは関係なく動物モチーフとしているものも少なくない。

東京都青梅市の御嶽神社は「おいぬ様」と呼ばれるニホンオオカミ。道に迷った日本武尊を導いた狼で、大口真神という。秩父の三峯神社も同じくオオカミの縁起をもつ。

「有鹿神社」のパンダは神社の縁起や関係のある動物とは全く関係なく、被り物の名物宮司「パンダ宮司」がモチーフになっている変わり種だ。

神様仏様キャラクター様

歴史上の人物が祭神になっている以外ビジュアル的にあまり露出の多くない日本の神々。畏れ多いということもあってか、神様自体がステッカーに描かれているケースは多くない。一方で、お寺の方はというと、ビジュアル面も含めて布教してきた歴史的背景もあり、仏様とその仲間がステッカーに登場することが多いようだ。
神様が出てこない神社でもその神社にまつわる、いわゆる”キャラクター”がステッカーのデザインを賑わせることもしばしば。

埼玉県川越市にある成田山川越別院(本行院)は「川越のお不動さま」というだけあり不動明王がモチーフなのだが、このステッカーはイラストがあまりにカッコイイ。
東京都調布市の深大寺は元三大師のキラシール。鬼の姿になり疫病退散した際の姿で「角大師」とも。由緒ある絵姿だが、なかなかに個性的である。

「がまんさま」や「黒奴」「走り坊さん」など、神社やお寺と合わせて解説したいところだが、あまりに情報量が多いのでここはあなたが今このサイトを見ているガジェットで検索していただきたい。

神社・お寺なのにこんなのあり?欧文ステッカーがカッコイイ

神社やお寺といえば古くから日本にあるものであり、日本的、広く見ても東洋的なイメージ。にもかかわらず欧文を軸にデザインされたステッカーも少なくない。一見する寺社仏閣のステッカーとも、ともすれば交通安全のステッカーとも気が付かれないデザインもある。もしクルマに貼るのであれば、こういったものの方がさりげなくて良いのかもしれない。

山形県山形市の豊烈神社は山形水野藩祖である水野忠元を豊烈霊神として祀る。モノトーンの家紋と欧文を組み合わせたシンプルなデザインは神社というよりホテルのような雰囲気。
石清水八幡宮(京都府八幡市)は宮司がバイク好きということで、社名を欧文で表記。オレンジに鳥のモチーフはちょっとハーレー風。ハーレーの鷲ではなく鳩なのは八幡宮だから。
片瀬諏訪神社(神奈川県藤沢市)は欧文と神輿を組み合わせたデザインに、黒金+赤の配色で豪華な雰囲気。
弘法寺(千葉県市川市)は「真間山弘法寺」「南無妙法蓮華経」をアルファベット表記したもの。デザイン的には80年代テイストを漂わせている。
黒黄のツートーンに漢字、ブラックレター書体の欧文、梵字を組み合わせたデザインがとにかくカッコイイ倶利伽羅不動寺(石川県河北郡)。密教系は梵字をデザインに使っているステッカーはよく見かけてる。

交通安全ステッカー蒐集家「タンデム」さん

20年来の愛車、ハーレーダヴィッドソンを駆って全国津々浦々の寺社仏閣を詣で交通安全ステッカーを収集。その数、実に400以上で日々増えつつある。どんなに遠くでもバイクで行くのがポリシーで、ハンドルネームの「タンデム」は奥様と二人乗りで旅することから。

タンデムさんが20年来苦楽を共にしてきたハーレー。隅々まで知り尽くしており、多少のことであれば自分でなんとかできるとか。使いやすいようにカスタムしており、BMWのフロントカウルはご愛嬌(笑)。集めた交通安全ステッカーはリヤボックスに貼ったりする。

今回紹介したほかにも、タンデムさんのブログとインスタグラムには多数の交通安全ステッカーが掲載されている。その数、ラインナップは一見の価値ありだ!
また、バイク雑誌『月刊モトチャンプ』では、タンデムさんへのインタビューをもとに交通安全ステッカーのミニ特集も組んでおり、こちらもぜひ一読してほしい。

最後に、昨今の御朱印ブームでも問題になったことで、タンデムさんも言っていたことだが、神社やお寺を詣でるのは御参りが第一であることを肝に銘じておきたい。御朱印やステッカー、あるいは何か寺社仏閣の品を集めているのなら、まず御参りを済ませてから求めるのが筋というものだろう。その辺り、準逆を違えては折角のご利益も得られないのでは無いだろうか?

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