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アウトランダーPHEVの基本情報・燃費情報
3代目アウトランダーは、2021年にデビュー。それまでのモデルはガソリン車も用意していましたが、3代目は、PHEVのみのラインアップになります。エクステリアは、新世代「DYNAMIC SHIELD(ダイナミックシールド)」を持つフロントデザインを採用するなど存在感満点です。
PHEVコンポーネントを刷新し、電動車としての魅力もアップ。EV航続距離を延長しながら、高出力を発揮するツインモーター4WDならではの滑らかな力強さが特徴です。アクセルペダルだけの操作で加減速することができるイノベーティブペダル オペレーションモードにも注目。また、車両運動統合制御システムS-AW5に、新たに後輪側にもブレーキAYC機能を追加することで、左右輪のブレーキ制御によるトルクベクタリングも前後輪で行え、ドライバーの思い通りのハンドリングと高い操縦安定性を実現しています。
加えて、最新の運転支援機能「e-Assist」のほか、高速道路同一車線運転支援機能の「MI-PILOT」など先進システムにも注目です。
メーカー | 三菱自動車 |
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車種 | アウトランダーPHEV |
全長×全幅×全高 | 4710×1860×1740~1745mm |
車両重量 | 2010~2110kg |
排気量 | 2359cc |
ドア数 | 5 |
トランスミッション | CVT(無段変速車) |
駆動方式 | フルタイム4WD |
定員 | 5〜7名 |
WLTCモード燃費 | 16.2~16.6km/L |
JC08モード燃費 | 17.8~19.0km/L |
新車価格帯 | 484.1~570.6万円 |
アウトランダーPHEVのグレード別燃費・価格比較
三菱 アウトランダーPHEVのグレード別の燃費は以下の通りです。
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グレード | トランスミッション | 駆動方式 | WLTCモード燃費 |
---|---|---|---|
M | CVT(無段変速車) | フルタイム4WD | 16.6km/L |
G | CVT(無段変速車) | フルタイム4WD | 16.2km/L |
ブラックエディション | CVT(無段変速車) | フルタイム4WD | 16.2km/L |
G | CVT(無段変速車) | フルタイム4WD | 16.2km/L |
ブラックエディション | CVT(無段変速車) | フルタイム4WD | 16.2km/L |
P | CVT(無段変速車) | フルタイム4WD | 16.2km/L |
Mグレードは5名乗り、Gグレードは5名乗りと7名乗りを設定し、最上級グレードのPグレードは7名乗りのみ。ブラックエディションはGグレードがベースになっていてこちらも5名乗りと7名乗りを用意します。
全車、PHEVシステムは共通で、前後モーターと、駆動用バッテリーの出力アップによって、アクセルを踏み込むシーンでもなるべくエンジンを始動せずにEV走行をキープするのが特徴です。駆動用バッテリーは、総電力量20kWhの大容量を持ち、カタログ値のEV走行換算距離(等価EVレンジ、WLTCモード)は、Mグレードで87kmを実現しています(PグレードやGグレードは83km)。
ハイブリッド走行時の燃料消費率は、Mグレードが最も優れていて、16.6km/L(WLTCモード)をマーク。そのほかのグレードは7名乗り仕様を含めてすべて16.2km/Lです。もちろん日常使いを、充電したバッテリーの電力だけで走り切ることができれば、充電に用いる電気代がかかるものの、ガソリンはほぼ消費しないという点がポイントになります。
アウトランダーPHEVと競合車種の燃費比較
以下では、三菱 アウトランダーPHEVと比較検討されることが多い「三菱 エクリプスクロス」「トヨタ カローラクロス」「三菱 エクリプスクロスPHEV」の燃費を比較します。
- アウトランダーPHEVとエクリプスクロスの燃費比較
- アウトランダーPHEVとカローラクロス
- アウトランダーPHEVとエクリプスクロスPHEVの燃費比較
アウトランダーPHEVとエクリプスクロスの燃費比較
三菱 アウトランダーPHEVと三菱 エクリプスクロスの燃費比較は以下の通りです。
車種 | トランスミッション | 駆動方式 | WLTCモード燃費 |
---|---|---|---|
三菱 アウトランダーPHEV | CVT(無段変速車) | フルタイム4WD | 16.2~16.6km/L |
三菱 エクリプスクロス | CVT(無段変速車) | FF/フルタイム4WD | 12.4~13.4km/L |
エクリプスクロスは、2018年に登場した三菱のコンパクトSUV。1.5Lの直4ターボエンジンのみで登場しましたが、翌年にディーゼルエンジン車を追加。2020年には大幅改良と同時に、PHEVモデルが登場しています(このときにディーゼルモデルが消滅)。ここでは、まずガソリンモデルと比較していきましょう。
1498cc直列4気筒DOHC16V(直噴MIVEC)ターボエンジンは、150ps、24.5kg・mを発揮。2WDと4WDをラインアップし、トランスミッションは8速スポーツモードCVTです。WLTCモード燃料消費(カタログ値)は、2WDが13.4km/L、4WDが12.4km/Lです。
PHEVのアウトランダーには敵わないものの、ボディが小柄で車重も軽いので、ガソリンモデルでもリーズナブルな燃費性能を持っているのが特徴です。
もちろんアウトランダーPHEVの場合、モーター駆動だけで走り切ることができれば、コストを抑えられるのはやはり注目点ですね。
アウトランダーPHEVとカローラクロス
三菱 アウトランダーPHEVとトヨタ カローラクロスの燃費比較は以下の通りです。
車種 | トランスミッション | 駆動方式 | WLTCモード燃費 |
---|---|---|---|
三菱 アウトランダーPHEV | CVT(無段変速車) | フルタイム4WD | 16.2~16.6km/L |
トヨタ カローラクロス | CVT(無段変速車) | FF/フルタイム4WD | 14.4~26.2km/L |
トヨタ カローラクロスは、カローラ初のSUVモデルで、全長4490mm、全幅1825mmのコンパクトなボディを持つカジュアルな都会派モデル。アウトランダーよりも220mmボディが短く、エクリプスクロスに近い全長(エクリプスクロスより55mm短い程度)で、タウンユースでも大きさが気にならないサイズです。
パワーユニットは2タイプで、1.8L直4ガソリンエンジンと、1.8Lエンジン+モーターのハイブリッドです。燃費性能はハイブリッドが優れていてフロントにモーターを組み込む2WDで26.2km/Lを達成。前後モーターの4WD(E-Fourモデル)で24.2km/Lです。アウトランダーPHEVのハイブリッド走行時の燃費値を上回ります。
なお、アウトランダーPHEVの場合、毎日のお出かけが近場だけでそれをモーター走行だけでまかなえるならランニングコストを抑えることができます。
アウトランダーPHEVとエクリプスクロスPHEVの燃費比較
三菱 アウトランダーPHEVと三菱 エクリプスクロスPHEVの燃費比較は以下の通りです。
車種 | トランスミッション | 駆動方式 | WLTCモード燃費 |
---|---|---|---|
三菱 アウトランダーPHEV | CVT(無段変速車) | フルタイム4WD | 16.2~16.6km/L |
三菱 エクリプスクロスPHEV | CVT(無段変速車) | フルタイム4WD | 16.4km/L |
エクリプスクロスとの比較は、さきほどはガソリンモデルと比べましたが、今度は、PHEV版のエクリプスクロスと比較してみましょう。2.4Lガソリンエンジンとモーターの組み合わせというのは共通しますが、アウトランダーのほうがパワフルなのが特徴です。とくにモーターの出力が、フロントで34ps、リアで41ps、アウトランダーが上回ります。
駆動用バッテリーの総容量は、13.8kWhのエクリプスクロスPHEVに対して、アウトランダーPHEVは20kWhとなり、カタログに記載されているEV走行換算距離(等価EVレンジ、WLTCモード)も、エクリプスクロスPHEVが65km、アウトランダーPHEVが87km(Mグレード)。これらは、アウトランダーがフラグシップモデルとしての存在価値を誇示する部分です。
ハイブリッド走行時の燃料消費率(カタログ値)は、エクリプスクロスPHEVが16.4km/L。アウトランダーPHEVはMグレードが16.6km/L、そのほかのグレードが16.2km/Lですから、こちらは、ほぼ同等。EV走行での距離が22kmの差があるのと、車両価格や装備の内容などが両者を比較検討する際のポイントになりそうです。なお、エクリプスクロスPHEVは5名乗りのみですので、7名乗りを望むならチョイスはアウトランダーPHEVになります。
アウトランダーPHEVの年間維持費をシミュレーション
自動車税 | 43,500円(自動車税 種別割) |
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自動車重量税 | 免税 |
自賠責保険 | 17,650円(24か月分) |
点検・車検費用 | 約60,000円 |
ガソリン代 | 電気代を含み約82,000円 |
任意保険 | 約50,000円 |
年間維持費合計 | 約253,150円 |
月間維持費合計 | 約21,096円 |
※最初の車検(新車から3年の初回継続車検)を受ける年について、一例を記しています。
※「点検・車検費用」は、代行手数料なども含める一例として掲載しています。
※「ガソリン代」は、1年間の走行距離を10,000kmと仮定し、7,000kmをEV走行で、3,000kmをエンジンも用いたハイブリッド走行という使い方を想定。交流電力量消費率(WLTCモード)227Wh/km、ハイブリッド燃料消費率(WLTCモード)16.6km/Lのデータを用いて、電気代は1kWhあたり31円で計算して7000kmで4万9259円、ガソリン代は1Lあたり180円で計算して3000kmで3万2530円。その合算を表組みに掲載しています。
※「任意保険」は概算です(車両保険を付けない一例)。契約者の年齢や等級、契約時の条件などによって異なります。
※年間維持費合計は項目ごとの額を合算したもので、それを12で割ったものを月間維持費合計として掲載しています。
アウトランダーPHEVは、新車購入時の環境性能割(以前の取得税に当たる)が非課税。重量税も、免税のため、かかりません。また国からの補助金(CEV補助金:55万円)の対象のモデルになっています。このほか東京都(基本補助額45万円+特別補助金10万円)など地方自治体の補助金の対象にもなり、加えて、自動車税の減税が受けられる場合もあります。地域によっては多くの優遇が得られるモデルです。
上記の表組みは、維持費などをシミュレーションするため、最初の車検(新車時から3年目の車検)を受ける年をイメージして概算で試算しています。アウトランダーPHEVは、最初の車検時の重量税も免税になり、ここでも優遇があります。
上記の金額に加えて、駐車場代や高速道路利用料金などがプラスとなるので、実際の利用環境に合わせてシミュレーションすることで、より正確なランニングコストが確認できるでしょう。
アウトランダーPHEVの燃費の良い走り方のポイント
燃費性能に優れるPHEVですが、燃費のいい運転を心がけることで、本来の効率の良い走行を実現してくれます。ここでは、良い燃費で走るためのポイントについてまとめていきます。
- 余計な荷物を下ろすことで負荷をかけない
- エアコンの温度設定は控えめに
- 減速のエネルギーを電気に変える回生ブレーキに注目
PHEV(プラグインハイブリッド)は、EV(電気自動車)の特性と、ハイブリッドモデルの特性を合わせ持つので、燃費のいい走行にはガソリンエンジン車などとは異なる面もあります。もちろん、どんなクルマでも軽いほうが燃費にとって好条件ですので、まずは余計な荷物を積みっぱなしにしないことが大切です。
アウトランダーPHEVは、駆動用バッテリーの電力が十分にあるうちはモーターのみで走行してくれますので、近距離移動の多い日常は、自宅などで充電した電力だけで走れてとても経済的です。その際、エアコンの使用を控えめにすることもポイント。夏場は温度を高めに設定し(無理のない範囲で)、寒い季節はシートヒーターを積極的に使って可能ならエアコンをオフにすると電気の消費を抑えることができます。
加速時やバッテリー残量が少ないときは、シリーズハイブリッド走行に(エンジンで発電しモーターで走行)、そして、高速道路などでは、パラレルハイブリッド走行に切り替わります(エンジンで走り、モーターがアシスト)。そこで注目したいのが、減速時のエネルギーを電気に変換する回生ブレーキ。下り坂や減速時のエネルギーを電力へと換えて充電できます。アウトランダーPHEVは、回生ブレーキ力が働かない「B0」から、バッテリーに最大の充電できる「B5」まで6段階に調節できます。ステアリング横のパドルで調整できるこのシステムをうまく活用することで、さらに燃費アップを目指すことができます。
アウトランダーPHEVは新車・中古車どちらで買うべき?
三菱 アウトランダーPHEVの燃費情報を踏まえたうえで、新車・中古車どちらで買うべきか検討時のポイントを解説します。
- アウトランダーPHEVの新車購入がおすすめの人
- アウトランダーPHEVの中古車購入がおすすめの人
アウトランダーPHEVの新車購入がおすすめの人
ボディカラーや装備など好みの仕様で購入するには、新車がおすすめなのは他のモデルと同じですが、ポイントは新車なら減税や補助金といった優遇をしっかり受けられる点。とくに補助金に関しては、新車での購入が必須です。
なお、補助金には限りがあり、タイミングによっては予算を使い切っていることがあるやもしれませんので、まずはディーラーなどで確認することが大切。工場出荷時期目処など納車までどれくらいかかるかは、メーカーのWebサイトに掲載されているので、ぜひチェックしましょう。2023年8月初旬掲載の内容では、アウトランダーは「全グレード 4か月程度」と記載されています。
アウトランダーPHEVの中古車購入がおすすめの人
中古車でも新型が流通していますが、新車で補助金を受けた場合の価格よりもお得になり、しかも自分の好みに合ったものを探せるかがポイントになるでしょう。また、より予算を抑えるなら、先代モデルの中古車を検討することも良い策になりそうです。先代モデルは2018年8月に大幅改良を受けて、EV走行時の航続距離が伸長し、エンジン排気量も2.4Lに拡大しています。さらに、2020年10月には、レーンチェンジアシスト機能付き後側方車両警報システム(BSW/LCA)を全グレードに拡大していますので、これらに注目して自分のぴったりの1台を探すとよいでしょう。
アウトランダーPHEVの燃費についてまとめ
今回は、三菱 アウトランダーPHEVの燃費についてご紹介しました。
アウトランダーPHEVは、同社の優れた電動化技術と四輪制御技術を惜しみなく投入しつつ、新世代プラットフォームや先進技術を活用したフラッグシップモデルです。それだけに完成度は高く、20kWhバッテリーを搭載するなど、日常をモーターだけで走れるほどのEV走行距離を実現しています。
思い通りのハンドリングや高い操縦安定性を実現してくれる車両運動統合制御システムS-AWCや、アクセルペダルだけの操作で加減速することができるイノベーティブペダル オペレーションモードなども採用。走りのパフォーマンスを磨き上げて登場したのも大きな魅力です。
また7人乗りを用意するなどユーザーの使用シーンにマッチするラインアップや、存在感あふれるエクステリア、充実の装備なども魅力的で、見逃せないポイントにあふれる注目の1台と言えるでしょう。