出すのが早すぎた?生産終了した個性派のおすすめホンダ車5選【モーターファンおすすめ中古車】

ホンダ・エレメント
ホンダは、時に他のメーカーが真似できない個性的なクルマを世に送り出す。ただし、時代を先取りしすぎるあまり、セールス的に成功したとは限らず、一世代で販売終了となってしまった名車(迷車?)も少なくない。そこで、今回の【モーターファンおすすめ中古車】では生産終了した個性派のおすすめホンダ車5選を紹介する。

ホンダCR-Z ハイブリッド+6MTは世界初!爽快な走りが魅力のライトウェイスポーツ

ホンダCR-Z(後期型)

CR-Zは、スポーツハイブリッドカーとして2010年2月に登場。「Emotional=見て、触れて、ときめく」「Exciting=積極的に走りたくなる」「Smart=エコで、使えて、自己を解放できる」の3つの価値を持つクルマを目指して開発された。エクステリアには、走りの機能美と、ハイブリッドカーの先進的でクリーンなイメージを高密度に凝縮したデザインが採用された。フロントビューは、存在感のある大開口のフロントグリルと、フェンダーの張り出しを強調した面造形でワイド感を表現。サイドビューは、軽快感とスピード感を強調したワンモーションフォルムとし、空力を追求したドアミラーやアウタードアハンドルなどに、専用デザインが用いられた。また、インテリアは運転席を包み込む戦闘機のコックピットのようなデザインが採用された。スーパー3Dメーターを中心に、その左右に水平基調のバー表示とした計器類をレイアウト。高い視認性と、クリスタルブルーの照明による未来感を演出している。発売当時は、手頃なハイブリッドスポーツカーとして大きな話題となり、発売1カ月で1万台の受注を達成した。

軽快感とスピード感を強調したワンモーションフォルム
スーパー3Dメーターは今見ても新鮮だ

パワートレーンは、2代目インサイト同様のハイブリッドシステムのIMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)を採用。1.5ℓ i-VTECエンジンと小型・軽量なIMAの組み合わせにより、走りの楽しさと優れた燃費性能を高次元で両立している。現在のホンダ車のハイブリッドモデルはe:HEVが主流。e:HEVが2モーターで直結モードを備えるシリーズハイブリッドなのに対して、IMAは機構がシンプルで「軽量・コンパクト」なパラレル式で、あくまでエンジンが主体となる。また大きなトピックはハイブリッドカーとして世界で初めて6速MTを設定したこと。当時はハイブリッドカー=エコという考え方が主流だったが、その概念を見事覆した。車重も1160kgと軽く、絶対的なパワーはないが、電動化による爽快な走りを楽しめる。

平均中古価格は65万円。
たとえばMTモデルだと「CR-Z α 6MT 2010年式、走行2万2000kmで車両本体価格84万円」というような中古車がある。MTモデルの方が少々価格が高い印象だ。
スポーツカーの電動化は、最近トレンドになってきており、最近ではフェラーリやメルセデスのAMGでもハイブリッドモデルが登場している。惜しくも2016年には生産を終了してしまったが、CR-Zは、電動スポーツカーの先駆けとして再注目されるべき存在だ。

IMAは機構がシンプルで「軽量・コンパクト」なパラレル式。あくまでエンジンが主体だ。

詳細スペック:α(CVT)

全長×全幅×全高(㎜)=4080×1740×1395
ホイールベース(㎜)=2435
エンジン:1.5ℓ 水冷直列4気筒SOHC+モーター
駆動:FF
最高出力:113ps(83kW)/6000rpm
最大トルク:14.7kg・m(144N・m)/4800rpm
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
トランスミッション:CVT
車重(kg):1160
新車価格:249万8000円
※2010年発売当時のスペック

ホンダ・ジェイド スポーティな走りが気持ちいいミニバン/ワゴン

ホンダ・ジェイド(後期型)

ホンダ・ジェイドは、2015年2月に発売されたロールーフミニバンだ。足回りや床下部品の小型化を徹底し、効率良くレイアウトした超高密度低床プラットフォームを採用することで、多くの立体駐車場に対応した低全高でスタイリッシュなデザインに、3列6人乗りを実現した。3列仕様の2列目「Vスライドキャプテンシート」は、リヤのホイールハウスを避け、斜め後方へ大きくスライドさせる新機構で、足元に広いスペースを創り出します。シートを後ろに下げるほどシート位置が内側に寄っていくため、2列目シートでも快適な前方視界が得られるよう工夫されている。また、2018年のマイナーチェンジでは2列5人乗り仕様も登場した。

低全高によるスポーティなプロポーション
すっきりとしたインパネ周り

ジェイドの魅力は、何と言ってもその低全高から得られるスポーティな走りだ。パワートレーンは、ハイブリッドとガソリンターボエンジンの2種類が選べる。ハイブリッドモデルには、1.5ℓ DOHC i-VTECエンジンに高出力モーター内蔵7速DCT、リチウムイオンバッテリーとパワードライブユニットを一体化したIPUを組み合わせたSPORT HYBRID i-DCDを採用。低速ではEVのような静かでズムーズなモーター走行を楽しめ、アクセルをぐっと踏み込めば、エンジンがかかり力強く加速する。最近のハイブリッドモデルではトランスミッションにCVTが採用されることが多いが、ジェイドはDCTなので変速もキビキビとしていてダイレクト感がある。エンジン音を聞いていても楽しい。 ターボモデルには、直噴1.5ℓ VTEC TURBOエンジンを搭載。直噴システムや小径タービン、デュアルVTCなどの採用により、低回転域でのターボ効果の向上を図ることで、常用域で2.4ℓエンジン並みのパワー(最高出力150ps、最大トルク203Nm)を発生。多人数乗車時や坂道でも、スムーズな力強さを発揮する。3列にこだわらないなら筆者のおすすめは、ターボモデルの5人乗り仕様だ。ハイブリッドよりスポーティでキビキビ走るので、ジェイドの性格にぴったり。また3列6人乗り仕様は、3列目がお世辞でも快適とは言えず、子どもでも緊急用と考えた方が良い。2列目の「Vスライドキャプテンシート」も面白いが、若干座面が短く感じた。それなら割り切って、スポーティワゴンとして2列目仕様を選びたい。

平均中古価格は159万円。
たとえばターボモデルだと「ジェイド 1.5RS 2016年式、走行4万9000kmで車両本体価格176万円」というような中古車がある。
2000年代前半、一世を風靡した低全高ミニバンだが、近年は販売台数が伸びず、ほとんどのモデルが姿を消した。ジェイドも例外ではないが、2020年に販売終了されたばかりということもあり、比較的低走行で状態の良いものが残っている。スポーティなミニバン、ワゴンを考えている人には良い選択肢だ。

3列仕様
2列仕様

詳細スペック:RS

全長×全幅×全高(㎜)=4650×1775×1530
ホイールベース(㎜)=2760
エンジン:1.5ℓ 水冷直列4気筒DOHC16バルブターボ
駆動:FF
最高出力:150ps(110kW)/5500rpm
最大トルク:20.7kgm(203Nm)/1600~5000rpm
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
トランスミッション:CVT
車重(kg):1510
新車価格:253万円
※2015年発売当時のスペック

今回は、生産終了した個性派のおすすめホンダ車5選を紹介した。現在販売されている国産車にはないキラリと光る魅力がそれぞれにある。ぜひ好みにあった楽しい一台を見つけていただきたい。

キーワードで検索する

著者プロフィール

MotorFan編集部 近影

MotorFan編集部