目次
新車購入時にかかる税金は4種類
新車購入時には以下の4種類の税金がかかる。
- 消費税
- 自動車税
- 自動車重量税
- 環境性能割
まずは、それぞれの税金の内容を解説していこう。
【価格に10%上乗せされる消費税】車両本体価格だけでなく納車手数料にも
もっとも馴染み深く、負担が大きい税金は「消費税」だ。
消費税は商品の販売やサービスの提供に対してかかる税金であり、車両本体やオプション装備はもちろん、納車時の登録車検代行手数料や納車準備費用などにもしっかりと消費税の10%が上乗せされる。
クルマは高額な買い物であるだけに、購入価格に対して累進的に増えていく消費税の負担がもっとも大きい。
【排気量に応じて増える自動車税】グリーン化特例の75%減税もあり
「自動車税種別割(自動車税)」はエンジン排気量に応じて課せられる税金で、普通車は排気量500cc刻みで税金額が増減する。電気自動車は排気量1000cc以下として計算され、軽自動車の乗用車は一律1万800円だ。
年に1回支払うことになる自動車税は、本来4月1日時点でクルマを所有している人物に支払い義務が生じる。そのため軽自動車は、4月2日以降に購入すれば当年度の自動車税を支払う必要はない。それに対し、普通車の場合は購入月の翌月から年度末までのぶんを月割りで支払う必要がある。
「グリーン化特例」という車ごとの燃費達成基準値に応じて減税される優遇制度も存在し、2026年3月31日までに新規登録した電気自動車(EV)・プラグインハイブリッド車(PHEV)・水素燃料電池車(FCEV)などは自動車税が75%減税される。ただし減税されるのは購入翌年の自動車税だ。
【クルマの重さで計算する重量税】エコカー減税対象車なら免税措置も
「自動車重量税(重量税)」は、クルマの重さに応じて課せられる税金となる。
普通車は車両重量500kg刻みで税額が増減するが、参照されるのは登録時の車両重量であるため、メーカー出荷時に追加されたオプション装備によっては同一グレードでも税額に差が生じる場合がある点には注意しよう。軽自動車の重量税は、実際の車体重量にかかわらず1年あたり3300円の一律だ。
自動車税とは異なり、重量税は車検時に次回の車検期限までをまとめて納める仕組みになっていて、一般的な乗用車であれば新車購入時に3年分の重量税をまとめて支払うことになる。
重量税にも燃費達成基準値に応じて免税または減税される優遇措置が設けられている。こちらの名称は「エコカー減税」といい、2025年4月30日までに新車登録したクルマは燃費達成基準値に応じて免税または25〜50%の割合で減税される。
【取得額の最大3%を納める環境性能割】EVやPHEVは非課税
「環境性能割」は、クルマの燃費達成基準値に応じて取得価格の約90%に対して0〜3%の範囲で増減する税金だ。
軽自動車の場合は取得価格の0〜2%となり、EV・PHEV・FCEVなど走行時の環境負荷が小さいクルマは0%、つまり非課税となる。
ただし、現在の優遇措置内容が適用されるのは2025年3月31日までとなっている。環境性能割のほか、「エコカー減税」や「グリーン化特例」も同様に減税対象車や割合は数年ごとに変更されることは覚えておく必要がある。
新車購入時にかかる税金をシミュレート【車種・グレード別】
クルマ購入時にかかる税金は、同じ価格帯の同一車種であってもエンジン排気量や車重、環境性能などによって変動する。クルマによって税金額にどれくらいの差があるのか計算してみよう。
トヨタ ヤリスクロスの場合
グレード等 | Z 2WD (1.5Lガソリン ) | Z 4WD (1.5Lハイブリッド) |
車両本体価格(税抜き) | 221万3636円 | 255万3636円 |
消費税 | 22万1364円 | 25万5364円 |
自動車税(1年) | 3万500円 | 3万500円 |
重量税(3年) | 3万6900円 | 0円 |
環境性能割 | 5万9700円(3%) | 0円 |
税金合計 | 34万8464円 | 28万5864円 |
ヤリスクロスは純ガソリン車、ハイブリッド車ともにエンジン排気量は1.5Lで価格にも大きな差はない。しかし自動車税のグリーン化特例と、重量税のエコカー減税によって価格が高いハイブリッド車の方が6万円ほど支払う税金が少なくなる。
トヨタ カローラクロスの場合
グレード等 | Z 2WD (2.0Lガソリン) | Z 4WD (1.8Lハイブリッド) |
車両本体価格(税抜き) | 263万6364円 | 314万4545円 |
消費税 | 26万3636円 | 31万4455円 |
自動車税(1年) | 3万6000円 | 3万6000円 |
重量税(3年) | 3万6900円 | 0円 |
環境性能割 | 7万1100円(3%) | 0円 |
税金合計 | 40万7718円 | 35万455円 |
カローラクロスは、ヤリスクロスよりも1ランク大きなエンジン搭載し、価格も高いだけあって税金額は大きく増えている。しかし、そのぶん環境性能が高いハイブリッド車の優遇によって受ける恩恵も大きい。
トヨタ RAV4の場合
グレード等 | G 4WD (2.5Lハイブリッド) | PHEV Z 4WD (2.5Lプラグインハイブリッド) |
車両本体価格(税抜き) | 391万2727円 | 512万0909円 |
消費税 | 39万1273円 | 51万2091円 |
自動車税(1年) | 4万3500円 | 4万3500円 |
重量税(3年) | 0円 | 0円 |
環境性能割 | 0円 | 0円 |
税金合計 | 43万4773円 | 55万5591円 |
カローラクロスよりもさらに1ランク大きなエンジンを搭載したRAV4は、366万6000円の「RAV4 G(ガソリン)」の購入時に支払う税金額が51万5873円にもなるが、ハイブリッド車を選べば10万円近く支払う税金が少なくなる。
RAV4 PHEVは車両価格が高いぶん消費税が大きく跳ね上がるものの、グリーン化特例により翌年度の自動車税が75%減税の1万1000円に抑えられるうえ「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」を申請すれば、55万円が後日キャッシュバックされる。
新車購入時は車両本体価格の+10〜15万円を見積もろう
車体価格やオプション価格の消費税は内税となっているため、計算が容易な反面、支払った額の大きさに目が行きづらい。
また、実際の購入時には以上の税金のほかにも、代行手数料などの諸経費がかかる。もちろんそれらの費用にも消費税がかかるうえ、自動車リサイクル料金や自賠責保険料の支払いも必要だ。
クルマにかかる税金は、性能や価格に応じて累進的に増えていく。どこで折り合いをつけるかが、クルマ選びの大きなポイントと言えるだろう。