スズキ最速バイク「GSX1300Rハヤブサ(隼)」、満を持して156.45万円で2014年日本デビュー【今日は何の日?2月10日】

スズキ・GSX1300Rハヤブサ(隼)日本仕様
スズキ・GSX1300Rハヤブサ(隼)日本仕様
一年365日。毎日が何かの記念日である。本日は、1999年に世界デビューを果たし、圧巻のパフォーマンスによって世界中で人気を獲得していたスズキの大型スポーツバイク「ハヤブサ(隼)」の日本仕様が誕生した日だ。2008年にモデルチェンした2代目ハヤブサを、ついに日本に投入したのだ。
TEXT:竹村 純(Jun TAKEMURA)/PHOTO:三栄・モトレジェンド Vol.7 スズキGSX1300R HAYABUSA

■究極の大型スポーツバイク「ハヤブサ」が日本デビュー

2014(平成26)年2月10日、スズキは究極の高性能を誇る大型スポーツバイク「ハヤブサ」を日本にも投入した。ハヤブサは、1999年より欧州や北米などで販売を開始し、スズキが誇る旗艦バイクとして世界中で人気を獲得していたが、ついに日本でもデビューすることになったのだ。

スズキ・GSX1300Rハヤブサ(隼)日本仕様
スズキ・GSX1300Rハヤブサ(隼)日本仕様

スズキが歩んだ高性能バイクの歴史

スズキの本格的なバイクは、1955年に登場した「コレダ号」に始まり、その後電動アシスト自転車やスクーター、ロードスポーツ、アドベンチャーなどバラエティ豊かなバイクを世に送り出してきた。一方で、スズキらしい個性的な高性能バイクも数多く投入してきた。特に特徴的な高性能バイクを簡単に紹介する。

1962年「マン島TT(ツーリスト・トロフィー)」、世界選手権初優勝、初代50cc世界チャンピオンに輝く(スズキ歴史館より)
1962年「マン島TT(ツーリスト・トロフィー)」、世界選手権初優勝、初代50cc世界チャンピオンに輝く(スズキ歴史館より)
1962年マン島TTレースで「スズキRM62」が初優勝
1962年マン島TTレースで「スズキRM62」が初優勝
1962 SUZUKI RM62のイラスト(作・柴田制作所/スズキ歴史館より)
1962 SUZUKI RM62のイラスト(作・柴田制作所/スズキ歴史館より)

・世界最高峰のマン島TTレースでの初優勝
参戦2年目の1962年、2ストローク単気筒エンジンを搭載する「スズキRM62」が念願の初優勝、“2ストロークのスズキ”をアピールした。

GT750(ジーナナ)
量産バイク国内初の水冷エンジンを搭載した大型バイク「GT750(ジーナナ)」

・量産バイク初の水冷エンジン
1971年に登場した国産車初の大型バイク「GT750」は、直3の2ストローク水冷エンジンを搭載した。

RE5
1974年、世界で唯一大量生産したロータリーエンジン搭載バイク「RE5」

・ロータリーバイク
世界で唯一、大量生産したロータリーエンジン搭載バイク「RE5」は、1974年にデビューして大きな話題となった。

GSX-R
レーサーレプリカブームを巻き起こした1984年発売のスズキ「GSX-R」

・レーサーレプリカ
レーサー譲りのアルミフレームとフルカウルを採用した1983年発売「RG250」と1984年発売「GSX-R」は、レーサーレプリカブームを巻き起こした。

GSX-R750
1985年、スズキ独自の油冷エンジンを搭載した「GSX-R750」

・油冷エンジン
1985年には、冷却性の向上を狙ったスズキ独自の油冷エンジンを搭載した「GSX-R750」を発売、数々のレースで大活躍した。

圧巻のパフォーマンスで世界を驚かせたGSX1300R ハヤブサ

1999年にデビューした初代「GSX1300R ハヤブサ」
1999年にデビューした初代「GSX1300R ハヤブサ」

1990年代になると、一般的なスーパースポーツを超える絶対的な高速性を追求した究極の高性能バイクが登場し始めた。極限まで空気抵抗を低減したフルカウルに、高性能エンジンを搭載して車速300km/hでも安定して走り切るようなメガスポーツである。

スズキ・GSX1300Rハヤブサ(隼)日本仕様
スズキ・ハヤブサの歴史
スズキ・GSX1300Rハヤブサ(隼)日本仕様
スズキ・ハヤブサの歴史

スズキは、“アルティメットスポーツ(公道における、究極のスポーツバイク)”と謳ったコンセプトの「GSX1300R ハヤブサ」を1999年世界に向けて発売した。最高出力175ps/最大トルク14.1kgmを発揮する1.3L並列4気筒DOHCの油水冷4ストロークエンジンを搭載。そのパワーを受け止めて高い安定感を発揮するアルミツインフレーム、空気抵抗を極限まで抑えた独特な形状のカウルが装備された。

またその凄まじい性能を支えるため、高い放熱性・耐摩擦性を持つメッキ(SCEM)エンジンシリンダーや2ステージインジェクション、SRADラムエアーシステムなど多くの最新技術も惜しみなく投入された。

すべてを一からデザインしたハヤブサは、軽々と300km/hの壁を超えるパフォーマンスを見せつけ、ライバルたちが到達できなかった領域にいち早く辿り着き、世界最速のバイクと称賛されたのだ。

ちなみに「ハヤブサ(隼)」名前の由来は、隼は狩りの際には時速300km/hを軽く超える速度で飛ぶ(急降下)ことができることから、“アルティメットスポーツ”のコンセプトにピッタリだったので、この名が冠されたそうである。

ついに日本仕様のハヤブサ登場

スズキ・GSX1300Rハヤブサ(隼)日本仕様
2014年に日本で発売された日本仕様のアルティメット(究極の)大型スポーツバイク「GSX1300Rハヤブサ(隼)」

2014年2月のこの日、ハヤブサの日本仕様が国内での販売を始めた。1999年より欧州や北米などで販売を開始し、近年ではインドなど新興国へ投入するなどしてスズキが誇る旗艦モデルとして世界展開されていたが、従来は日本へは輸入車として販売されていた。

スズキ・GSX1300Rハヤブサ(隼)日本仕様
スズキ・GSX1300Rハヤブサ(隼)日本仕様

今回の日本仕様ハヤブサは、2008年にモデルチェンジされた2代目であり、国内の認証基準に適合しながら、鎧兜をモチーフに、高い空力特性とライダーへの防風効果を実現。パワーユニットは、欧州仕様と同じ最高出力197ps/最大トルク15.8kgmを発揮する1.3L直4 DOHC水冷4サイクルエンジンが搭載された。

スズキ・GSX1300Rハヤブサ(隼)日本仕様
スズキ・GSX1300Rハヤブサ(隼)日本仕様

その他にも、国内2輪車初のETC車載機器を装備し、高速道路など俊敏さが求められる中長距離走行から街乗りまで、ライダーの好みに応じて出力特性を3つの中から選択できるS-DMS(スズキ・ドライブモードセレクター)が搭載された。

スズキ・GSX1300Rハヤブサ(隼)日本仕様
スズキ・GSX1300Rハヤブサ(隼)日本仕様

スズキはハヤブサを国内に投入することで、大型2輪車の商品強化を図るとともに、スズキ2輪のブランドイメージの更なる向上を図ったのだ。

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スズキは、古くからパワフルなエンジンを搭載した大型についてもスズキならではの個性的なデザインを採用したり、先進技術を採用した個性的なバイクを提供している。軽自動車同様、思い切って新しい技術を採用するスズキの社風がバイクにも反映されているのだ。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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著者プロフィール

竹村 純 近影

竹村 純

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までを…