
直立したSUVボディのカイエンが電気自動車になることはわかっていたが、今回のスパイショットでは、カイエンクーペもEV化されることが証明された。

オリジナルのカイエンが2003年モデルとしてデビューしたときは、ポルシェ愛好家たちの不興を買ったものだった。しかし、すぐにカイエンはポルシェのスポーツカーのラインアップとして認知され、同ブランドのベストセラーモデルのひとつとなった。ポルシェが初のカイエンEVを準備している現在、中型SUV界隈の序列や秩序は新たな岐路に立たされていると言えるだろう。
2024年に発売された弟分、マカン エレクトリックは、その内燃機関モデルと同様にSUVスタイルのボディのみが提供されているが、カイエン エレクトリックも同様に、内燃機関モデルのカイエンが用意している2つのボディデザイン(オリジナルとクーペ)のバージョンを、電動モデルでもそれぞれ設計する値打ちがあるとポルシェは考えているようだ。
これまで見慣れてきたのと同様のスタイリングを持つカイエンEVのルーフラインの傾斜とリヤウィンドウの角度は、それでも一般的なSUVの基準からするとすでにかなりスポーティなのだが、ここに掲載したクーペではBピラー以降がさらに急降下している。また、後部ドアの窓ははるかに浅く、リヤウィンドウの傾斜もかなり強く、まさに“背徳のSUVボディ”が完成している。
プロトタイプは低い姿勢が強調されているが、テールライトとリヤハッチ、バンパーの下部の造りは、カイエン プロトタイプのものと非常によく似ている。フロントエンドのデザインも似ており、マカン エレクトリックから多くが流用されていることが推察できる。
フロントエンドでは、4つのLEDデイタイムランニングライトがバンパーの上のヘッドライトのように見える部分に取り付けられているが、実際のヘッドライトは下側に取り付けられ、バンパーのくぼみに隠れているようだ。
アウディもA6 e-tronとQ6 e-tronに同じ視覚的なトリックを採用しているが、共通点はそれだけではない。アウディのEV兄弟とポルシェのマカン エレクトリック、およびカイエン エレクトリックは、すべて同じPPEアーキテクチャに基づいて構築されている。
しかし、カイエンのホイールベースは、マカンやQ6で見られる約2.9メートル(114インチ)よりも長くなるようだ。そして、その余分な長さがあっても他車同様の機敏さを保つため、ポルシェはリヤ・アクスル・ステアリングを装備する。カメラマンの情報によると、このプロトタイプが急カーブを曲がるときに、それが実際に動作しているのを見ることができたという。
量産型ではデュアルモーターと全輪駆動が標準となり、マカンのパワートレインと一部重複することになるが、最もパワフルなカイエンの価格と出力は、現在のマカンのフラッグシップである、105300ドル(約1600万円)のターボが提供する最高出力639psを間違いなく凌駕するだろう。
同社は以前、カイエン エレクトリックを 2026 年に発売すると発表していたが、派生バージョンを別々に発売するという同社の傾向から考えて、クーペ・バージョンは、SUVバージョンの発売の数ヶ月後になるものと予想される。








