目次
装備充実で先進安全機能は国内ライバル勢を上回る

スズキの新規車種であるコンパクトなクーペスタイルSUVのフロンクス。グローバル戦略車であり、スズキの主戦場でもあるインドでは、2023年4月に発売され約17ヵ月で20万台が販売されるというスマッシュヒットを放った。日本では24年10月に発売。インドから輸入するカタチになり、日本向けとして考え抜いた仕様となっている。4WDが用意されるのも日本だけだ。
エクステリア




Bセグメントの中でも小さめのサイズで全長は4m以下だが、その割に全幅は1765㎜とやや大きめ。デザイン段階で日本での販売は決定していなかったため、このサイズになったようだ。そのおかげでコンパクトながら立派な体躯に見えて存在感が高い。設計段階からは日本での販売も意識していたので、全高は1550㎜と日本のほとんどの立体駐車場に収まるサイズとなり、ETCユニットが綺麗に収まるスペースなども確保されている。クーペスタイルなので後席のヘッドルームはやや狭いが、レッグルームは十分なスペースがあって、それなりの居住性は確保されている。
乗降性


装備は充実していて、ワイヤレスチャージャーやインフォテインメントシステム、先進安全装備などは日本国内のライバルを上回る。ソフトパッドを多用し、レザー調×ファブリックのコンビのシートもこのクラスとしてはラグジュアリーだ。エンジンは手持ちの中で最もトルクのある1.5ℓNA、トランスミッションはダイレクト感があってドライビングが楽しめるようにと6速ATが選ばれた。最高出力101PS、最大トルク135Nm(FF車)というスペックはBセグメントには必要十分で、アクセルを踏み込めば活発な加速をみせる。ただし、1500〜2000rpm程度の常用域のトルクはもう少し厚みが欲しいと感じることもある。苦手な回転域にあるときにアクセルを少し踏み増しても反応が鈍く、シフトチェンジも緩慢だ。そんなときはメリハリの効いたアクセルワークにするか、スポーツモードに切り替えるとストレスフリーで運転できる。
インストルメントパネル

サスペンションやタイヤ、パワーステアリングなどは専用にチューニングされており、日本特有の高速道路のジョイントなどでも入力を優しく丸めた感覚がある。凹凸が連続する場面で少しバタつくことがあるものの乗り心地はおおむね快適だ。
居住性


ワインディングロードでは操舵初期の反応がやや鈍く感じられたが、切り込んでいけばグーッと素直な感覚でノーズがインに向いていく。基本的な部分はしっかりしているが、高速道路での直進安定性を重視して、いたずらに俊敏性を追っていないのだろう。全体的には低速域で優しい乗り心地ながら高速域ではフラットライド。穏やかで扱いやすく、それでいて安心感も高いという特性なのだ。ロングドライブでも疲れの少ない部類と言えるだろう。
うれしい装備





新規デビュー 24年10月16日
月間販売台数 1925台(24年10月~11月平均)
WLTCモード燃費 19.0km/ℓ ※FF車

ラゲッジルーム


ロードノイズや風切り音などは静かとは言えないが、国内のライバル車もだいたい同じようなレベルだ。スズキ車であり、しかもインドからの輸入車ということでコストパフォーマンスの高さは目を見張るものがある。300万円以下のSUVとしては最も買い得感が高いと言える。

