あの町の人気者、キュートなドーナツ移動販売車が『トミカ』に登場だ!

発売から50年以上、半世紀を超えて支持される国産ダイキャストミニカーのスタンダードである『トミカ』と、自動車メディアとして戦前からの長い歴史を持つ『モーターファン』とのコラボレーションでお届けするトミカと実車の連載オールカタログ。あの『トミカ』の実車はどんなクルマ?

No.40 ミスタードーナツ 移動販売車 (サスペンション可動/窓開閉・希望小売価格594円・税込)
No.40 ミスタードーナツ 移動販売車 (サスペンション可動/窓開閉・希望小売価格594円・税込)

2025年4月の第3土曜日に、それまでのNo.40 消防活動二輪車 クイックアタッカー』に代わる新車として登場したのが『No.40 ミスタードーナツ 移動販売車』です。

移動販売車とは、飲食物や商品、サービスを提供するために特別に改造された車のことで、特に飲食を扱うものは“キッチンカー”や“フードトラック”とも呼ばれます。固定された店舗と違って自由に移動でき、開業資金も少なくて済むため、近年では個人のビジネスとして人気が高まっています。

トヨタ タウンエース トラック 実車 フロントビュー(『トミカ』のモデル車両とは必ずしも同一ではありません)
トヨタ タウンエース トラック 実車 リヤビュー(『トミカ』のモデル車両とは必ずしも同一ではありません)

この移動販売車には大きく分けて3つの種類があり、1つ目は飲食系移動販売車(キッチンカー)で、ハンバーガーやホットドッグなどの軽食、クレープやワッフルなどのスイーツ、コーヒーやタピオカといったカフェドリンク、弁当やラーメンなどの本格的な食事を販売するタイプがあります。2つ目は物販系移動販売車で、アクセサリーやハンドメイド雑貨、移動式ブックカフェや古本販売、生鮮食品(野菜・肉・魚など)を扱うものが含まれます。3つ目はサービス系移動販売車で、移動理容室やネイルサロンなどの美容系、ペットのトリミングサービス、さらには自転車修理や靴磨きなどのメンテナンスサービスを提供する車もあります。

トヨタ タウンエース インパネ

これらの移動販売車のベース車両は様々で、業態に応じた車両が選ばれます。たとえば、軽トラックは小回りが利き、狭い場所でも営業しやすいため、クレープやコーヒー販売といった喫茶・軽食系に向いています。バンは内部空間が広く、キッチン設備をしっかり設置できるため、弁当やラーメンなどの本格的な調理が必要な食品に適しています。さらに、マイクロバスや2tトラックをベース車に使えば大型の調理設備を積むことが可能になり、大人数での運営や長時間の営業に向いています。車両のカスタマイズも重要で、調理スペースのレイアウトや換気設備、冷蔵庫の配置などを工夫することで、より効率的な営業が可能になります。

トヨタ タウンエース トラック Xエディション フロントシート

このたび『トミカ』に加わったNo.40 ミスタードーナツ 移動販売車』は、トヨタを代表するキャブオーバーあるいはセミキャブオーバー型の小型商用バン/トラックであるタウンエースをベース車にしたもののようです。

トヨタ タウンエース 1.5Lエンジン

タウンエースは2008年に登場した現行モデルで4代目を数え、開発と生産は初代モデルから一貫してダイハツに委託されています。現行4代目モデルはトヨタとダイハツで共同開発され、インドネシアのダイハツの生産拠点で生産されたグランマックスの日本向け仕様といった存在で、当然ながらダイハツのグランマックスとは兄弟車になります。また、OEM供給されているマツダの5代目ボンゴも兄弟車です。車型はバンとトラックの2種類で、バンには標準ルーフとハイルーフの2種類があり、トラックはバンより若干全長が長くなっています。

ミスタードーナツ移動販売車 フジファミリーフーズ運用車 (PHOTO:フジファミリーフーズ/編集部にて一部加工)

現行タウンエースのトラックは最大積載量が800kg積みと、先代より小さくなりましたが、これは町中での使いやすさや使い勝手の検討の結果、先代より小型化、小排気量化、最大積載量の減少化がはかられたためです。『No.40 ミスタードーナツ 移動販売車』のモデル車は、このトラックの荷台に簡易キッチンや販売ブースを架装した車両のようです。

ミスタードーナツ移動販売車 フジファミリーフーズ運用車 (PHOTO:高橋工房/編集部にて一部加工)

さて、ミスタードーナツは、1955年にアメリカでハリー・ウィノカー氏によって創業されたドーナツチェーンで、日本では1971年にダスキン株式会社がフランチャイズ展開を開始し、おなじみの『ポン・デ・リング』などのオリジナル商品やスターバックス、ピエール・エルメとのコラボレーションを展開しながら全国約900店舗を展開しており、現在は日本独自の成長を遂げつつ台湾やタイなどの海外市場にも進出し、カフェ業態の拡充やデリバリー対応の強化など新たな展開を進めています。

ミスタードーナツ移動販売車 フジファミリーフーズ運用車 (PHOTO:高橋工房/編集部にて一部加工)

全体的な雰囲気はもちろん、窓の開閉などの仕掛けが楽しい『トミカ』の『No.40 ミスタードーナツ 移動販売車』ですが、この『トミカ』はそのスタイルとカラーリング、ラッピングなどから、愛媛県松山市の株式会社フジファミリーフーズが運用し、同じく(有)高橋工房がラッピングを手掛けた、国内2番目(中四国初)となるミスタードーナツ移動販売車を再現しているものと思われます。

ミスタードーナツ移動販売車 フジファミリーフーズ運用車 (PHOTO:フジファミリーフーズ/編集部にて一部加工)

フジファミリーフーズのリリースによると、この移動販売車は2021年に導入され、主に四国の愛媛県や高知県内の、近隣にミスタードーナツのショップが無い地域を訪問し、定番商品だけでなく期間限定商品も提供しています。18種類以上のドーナツを、1日約1000個販売出来るそうです。

この車はもちろん2025年4月現在も元気に稼働中で、株式会社フジファミリーフーズのホームページから出店日と出店場所の確認が出来ますので、実車に会いに行くことも可能です。町の人気者の移動販売車を、ぜひ『トミカ』で手にしてみてはいかがでしょうか?

■トヨタ タウンエース DX(2WD 4A)主要諸元(『トミカ』のモデル車両と同一規格ではありません)

全長×全幅×全高(mm):4295×1675×1920

ホイールベース(mm):2650

トレッド(前/後・mm) :1460/1440

車両重量(kg):1170

エンジン:2NR-VE型直列4気筒

排気量(cc):1496

最高出力: 71kW(97ps)/6000rpm

最大トルク:134Nm(13.7kgm)/4400rpm

トランスミッション:4速AT

サスペンション(前/後):ストラット/リーフリジッド

ブレーキ(前/後) :ベンチレーテッドディスク/ドラム

タイヤ:(前後):175/80R14 99/98NLT

■毎月第3土曜日はトミカの日!

No.44 ホンダ フリード (サスペンション可動・希望小売価格594円・税込)

毎月第3土曜日は新しいトミカの発売日です。2025年4月の第3土曜日には、上でお伝えしているように、それまでの『No.40 消防活動二輪車 クイックアタッカー』に代わって『No.40 ミスタードーナツ 移動販売車』が登場します。また、それまでの『No.44 日産 NV400 EV救急車』に代わって『No.44 ホンダ フリード』が登場します。なお、『No.44 ホンダ フリード』には、初回出荷のみの特別仕様(特別色)もあります。

No.44 ホンダ フリード(初回特別仕様) (サスペンション可動・希望小売価格594円・税込)*初回のみの特別仕様(特別色)です。

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