世界1500台限定の特別なカブリオレ「ポルシェ911スピリット70」が受注開始!

ポルシェジャパンは4月23日、1970年代から80年代初頭のエッセンスを体現した世界1500台限定の911カブリオレ「911スピリット70」の予約受注を開始すると発表した。税込車両価格は3341万円。

70年代〜80年代初頭のエッセンスを体現。ボディ色は特別な「オリーブネオ」

専用のオリーブネオカラー、歴史にインスパイアされたデコレーティブグラフィック、そしてインテリアの伝説的なパシャ柄など、ポルシェのヘリテージデザイン戦略の一環として生み出されたこの限定モデルは、ポルシェが過去のアイコニックな車両デザイン要素を現代に蘇らせた3番目の911モデル。

ベースモデルは、効率的なパフォーマンスハイブリッドを搭載した現行の911カレラGTSカブリオレ。新開発の3.6L水平対向6気筒エンジンは、高電圧システムとT-ハイブリッドシステム、そして新型PDKの電気モーターとの組み合わせにより、システム出力398kW(541ps)、システムトルク610Nmを実現している。

ポルシェAGのポルシェスタイル担当責任者ミヒャエル・マウアー氏はこのように述べている。
「ヘリテージデザインモデルはデザインの観点からポルシェの製品戦略の中で特別な位置を占めます。リミテッドエディションのスポーツカーはポルシェブランドの特別な魅力を体現しています。当社の車両のデザインはすべてその歴史と深く結びついており、これらの車両はその歴史をさらに一歩進め、最先端のスポーツカーにおいて、歴史的なデザイン要素をどのように再解釈するかを示しています」

ヘリテージデザインモデルは、ポルシェの製品戦略の中でも特にエモーショナルなコンセプトを表す「ライフスタイル」の側面を強調している。シリーズの最初のモデルは、1950年代から60年代初頭のスタイルを踏襲した「911タルガ4Sヘリテージデザインエディション」で、2020年に発表された。そして22年には、2番目のコレクターズアイテムとして「911スポーツクラシック」を発表。1250台限定のこのモデルは、1960年代から70年代初頭のスタイルを復活させた。

インディビジュアリゼーション&クラシック担当責任者のアレクサンダー・ファビック氏はこう述べている。
「リミテッドエディションのコレクターズアイテムは、世界中のお客様にとって特に魅力的です。ヘリテージデザイン戦略の最初の2つのモデルは、過去数十年間のライフスタイルを蘇らせて大きな反響を呼びました。私達はこの成功を大変嬉しく思っており、今回第3弾となる非常にエクスクルーシブなモデルを発表できることを誇りに思います」

ポルシェのデザイナーと塗装専門家は、911スピリット70のためにモダンな色合いの濃厚で深みのあるグリーン「オリーブネオ」というカラーを特別に開発した。このカラーと刺激的なコントラストを生み出しているグレーゴールドカラー「ブロンザイト」は、フロントセクション、「フックス」デザインのスポーツクラシックホイール、リヤ下部にペイントされている。ソフトトップとフロントウインドウフレームはブラックで、911スピリット70の独特の視覚的存在感が強調された。

ボンネットにはグロスブラックシルクの3本のデコレーティブストライプが入る。このディテールは、1970年代に多く見られた視認性を向上させるステッカーを彷彿とさせるもの。当時のスポーツドライバーは、高速道路やサーキットを走行中にバックミラーでスポーツカーが見やすくなるようボディに縦縞を貼っていた。この縦縞はソフトトップにも同系色で続く。“Porsche”の文字とグロスブラックシルク仕上げの円形のスタートナンバー(ロリポップ)をあしらったサイドのデコレーティブグラフィック、そして個別のスタートナンバーは、ポルシェの伝統的なモータースポーツへの敬意を表している。

伝統と革新のコントラストを示す一例は、フロントボンネットの中央にある。911スピリット70には、1963年の歴史的なクレストとほぼ同じポルシェクレストがあしらわれている。そして、フロントフェンダーにはゴールドカラーの“Porsche Exclusive Manufaktur”バッジを、トランクリッドのグリルにはポルシェヘリテージバッジを装着。そのデザインは、1950年代に10万km達成時に授与されたポルシェ356のバッジを彷彿とさせる。その他の珍しいディテールとしては、リヤのゴールドカラーの“Porsche”の文字とモデルロゴが挙げられる。亜鉛メッキを施したゴールドの表面は文字に特別な輝きをもたらしている。

インテリアのハイライトは、ファブリックのアイコニックなブラック/オリーブネオのパシャ模様。このグラフィックデザインは、はためくチェッカーフラッグを連想させる。さまざまなサイズの長方形を巧みに配置することで、パターンに一種の動きが生まれている。従来のジャカードベロアの代わりに、911スピリット70はフロック糸を使用したテキスタイルを組み合わせた。これにより、ファブリックはよりスポーティになり、肌触りが改善され、特に長時間の移動で向上した快適性が実感できる。

18ウェイ・スポーツシートプラスとドアのセンターパネル、そしてグローブボックスの内側にもパシャ模様が施されている。シートバックレストのデコレーティブインレイとダッシュボードトリムも、オプションでパシャを使用することができる。なお、パシャ模様のリバーシブルトランクマットや、オリーブネオのデコレーティブステッチが施されたエレガントなバサルトブラックのクラブレザートリムと、バサルトブラックのクラブレザーインテリアパッケージも標準装備となっている。

メーターパネルは、歴史的なデザインと最先端のテクノロジーを組み合わせたもの。高解像度の12.65インチディスプレイには、アナログ形式のホワイトポインターとスケールラインが表示される。グリーンの数字は伝説のポルシェ356を彷彿とさせ、モデルロゴはフルデジタルのレブカウンターにエレガントに組み込まれている。専用バージョンのスポーツクロノストップウォッチは、ホワイトの針とグリーンのインデックスを備える。

ポルシェデザインは、この最新のコレクターズアイテム「911スピリット70」の購入者限定で、高品質なクロノグラフを製作した。数々のディテールにこだわり、911スピリット70を彷彿とさせる外観を実現。例えば、文字盤にあしらわれた光沢のあるブラックのパシャ模様は、このモータースポーツモデルのシートセンターパネルからインスピレーションを得たものだ。

ポルシェでは今後、Apple Vision Pro用の新しいアプリを提供する。これによりユーザーは70年代に浸ることができ、夢の車をデザインすることができる。ポルシェ911スピリット70を段階的にカスタマイズし、その年代の象徴的なデザインについて貴重な洞察を得ることができるのだ。このアプリは、ポルシェ911スピリット70の登場に合わせて、今春からApple Vision Pro用にApp Storeで無料提供される予定だ。

今回発表された911スピリット70は、ポルシェの強化された企業戦略へのオマージュ。カスタマイズオプションのさらなる拡充を目指しているポルシェは、すでに1000種類を超えるオプション、ポルシェエクスクルーシブマニュファクチャーを提供している。過去5年間で、ポルシェエクスクルーシブマニュファクチャー装備車の平均販売台数は倍増した。今後、同社はさらに多くのカスタマーの夢を叶えるために、エクスクルーシブマニュファクチャーの生産能力を大幅に拡大していく。

また、現行世代のパナメーラターボと共にデビューしたメタリックカラー「ターボナイト」は、ターボモデル専用クレストの主要カラー。すべての最上位の高性能モデルでは、まもなくフロントのほか軽合金製ホイールとステアリングホイールにもこのクレストが採用される見通しだ。

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