アクティブ派SUVモデルも待望の正常進化「スズキ・スペーシア ギア」【最新軽自動車 車種別解説 SUZUKI SPACIA GEAR】

ベースモデルのフルモデルチェンジからしばしの時を経て登場したのが「スズキ・スペーシア ギア」。満を持して現れた「ギア」はボクシーなスタイリングに曲線が目をひくフロントフェイスと差し色が温かみを感じさせる。シートアレンジも多彩で後部シートがオットマンになるなどスペーシアでも好評なひと捻りがうれしい。
REPORT:竹岡 圭(本文)/山本晋也(写真解説) PHOTO:神村 聖 MODEL:あらた唯

温かみのある外装が人気 ラフに使える内装も美点

2023年12月にスペーシア&スペーシアカスタムがフルモデルチェンジを受けた後「ギアはなかなか出てこないなあ・・」と、心待ちにしていた方が多かったようだ。24年9月発売の半年後に伺ったところ、スペーシア全体の約4割がギアを選んでいるとのこと。もはや大人気モデルとして、しっかりと市民権を得たということだろう。

エクステリア

テールゲートの車名ロゴやサイドのエンブレムにオレンジカラーを配しているのがデザイン上のこだわり。ルーフレールやバンパーのスキッドプレートがSUVテイストを演出する。最小回転半径は4.4m。

エクステリアは、ベースとなっているスペーシアカスタムの都市的でシャープな印象とは裏腹に、丸目のLEDランプが採用されているため、温かみと生き物感がより感じられる。つまり、一緒に冒険に出掛ける相棒という感じで捉えやすい。また新型では、元気さが伝わってくるオレンジ色の差し色が施されているのだが、サイドアンダーガーニッシュに色がついたエンブレムを入れたのも、ツートーンのリヤエンブレムを採用したのも、スズキとしては初めてのことなんだとか。

乗降性

さらに、フロント&リヤのスキッドプレートやブロック形状のルーフレールなど、眺めているだけでアクティブな遊び心が膨らむデザインとなっていて、全体的にコンセプトにピッタリな仕上がりとなっている。インテリアも、カーキグリーンを盛り込んだツートーンタイプで、色からしてアウトドア感がバッチリ。オレンジの差し色とのマッチングもお見事というところだ。このカーキ色のトレー部分は、シボがあしらわれた樹脂となっているので、細かい傷も目立ちにくいのがありがたい。アウトドアシーンでちょっと物を置くなんていうときは、どうしてもラフに使われがちなので、こうした細かい配慮はうれしい。

インストルメントパネル

助手席側の大きなオープントレーなど基本デザインはシリーズ共通。全体のカーキ色や、デジタル表示の速度計にオレンジのアクセント
が入るのがスペーシアギアの特徴だ。

また、シート表皮も山の稜線や歯車、タイヤパターンなどをイメージされたものということで、凹凸感で上手くそれが表現されている。そして、このシート表皮が撥水加工されているというのも、スペーシアギアの大きな特徴となる。どこにでも入っていきやすいコンパクトボディを活かしたアウトドアシーンでの水遊びはもちろんのこと、日常生活の中で突然の雨で濡れてしまうことだってあるし、ロングドライブでも日常でも、食べながらドライブすることはある。

居住性

それに加えて、遊びに行った先の基地として、車内で食事をするシーンも多いことだろう。そういったどのシーンにも撥水加工というのは大きな安心材料となる。加えてシートアレンジは、後席座面の前端が伸びてオットマンになったり、荷物落下防止盾になるなど、スペーシア譲りの機能が踏襲されている。助手席前倒しやフルフラットも可能、背もたれ裏はワイパブル生地と、フレキシブルに対応してくれるのだ。さて、パワートレインは、スペーシアカスタム同様ということで、パワー不足などを感じることなく、日常からアウトドアまで幅広いシーンをこなしてくれる。ロール感も適度に抑えられているため、高速道路でも安心してドライブを楽しめる。

うれしい装備

スズキ車ではお馴染みの助手席シートアンダーボックスは取り外し可能で、水洗いもできる樹脂製。アウトドアで使い甲斐のある装備だ。
月間販売台数      1万3551台スペーシア/スペーシアカスタムを含む(24年7月~12月平均値)
現行型発表        24年9月
WLTCモード燃費     23.9 ㎞/ℓ※自然吸気のFF車  

ラゲッジルーム

運転席&助手席の背もたれ裏に配された、シートバックアッパーポケットには、スペーシアギアがトレイルランニングするタグが装着されているが、ようはそれくらい元気いっぱいということだ。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.166「2025年 最新軽自動車のすべて」の再構成です。

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