4代目へフルモデルチェンジされずに生産終了へ・・・。 スタワゴ的名車ヒストリー【エスティマ】編

ミニバン初のHYBRID登場! V6 280psも! 進化し続けたエスティマが、まさかの生産終了に・・・。

1980年代半ばに北米でミニバンブームが巻き起こると、日本の自動車メーカーも対応に追われた。極めてコンサバティブと見られていたトヨタが、ミニバン市場に投入したクルマは極めてユニークで斬新なもの。そのクルマこそ、1990年に発売され、以降約30年間愛され続けたエスティマである。

キープコンセプトながらハイブリッドを追加

トヨタには隠し玉があった。エスティマをベースに5ナンバーサイズに縮小した3列シートミニバンの存在である。1992年、通称「子エスティマ」と呼ばれるエスティマ・ルシーダ/エミーナが登場。「親エスティマ」よりも安価で取り回ししやすく、トルクフルなディーゼルターボも用意されたことなどから、ルシーダ/エミーナはたちまち人気車となった。だが、それも長くは続かなかった。

主役に躍り出たのはホンダ。1994年にオデッセイが登場し、空前のヒットを呼ぶ。さらに1996年、ステップワゴンが登場しこちらも大ヒットした。この2台は、多人数乗車モデルの勢力図を一変させたと言っていい。ルシーダ/エミーナもこの2台に大きく市場を奪われた。

ホンダの2台はともにFFのアコードをベースにしていた。一般的なワンボックスカーは、1列目シート下にエンジンを搭載し後輪を駆動するキャブオーバー型を採用していた。1990年代に入りワンボックスカーは短いノーズを備えミニバン化していくが、中身はキャブオーバー型を踏襲していた。1991年登場の日産バネット・セレナ、1996年登場のトヨタ・タウンエースノア/ライトエースノアもそうだった。それらはFFベースのステップワゴンに惨敗してしまう。ここで「ミニバンはFFベース」という不文律ができ上がったと言っていい。

そのような背景もあり、10年というロングセラーモデルの初代エスティマだが、2000年に登場した2代目は当然のようにFF車ベースに大変革。ワンモーションのフォルムについては初代のイメージを踏襲した。2.4Lに加え、3L V6エンジンも搭載。より万人向けとなった2代目エスティマは、高い人気でユーザーに迎えられた。

その少し前、1997年にトヨタは世界初の量産ハイブリッドカー、プリウスを登場させ、その圧倒的な燃費性能は世界中に衝撃を与えた。ハイブリッド第2弾として選ばれたのが、意外にもエスティマだった。

2001年、エスティマハイブリッドが登場。新開発のハイブリッドシステムTHS-Cを搭載し、リア駆動用のモーターも備えた。車重が重くて燃費が悪い、と思われていたミニバンのイメージを払拭することにひと役買った。

ちなみに、この2代目エスティマをベースに開発されたのが、2002年に登場した初代アルファードである。

2006年に3代目エスティマが登場した。まさに2代目のキープコンセプトと言えるモデルで、伝統のワンモーションフォルムを採用。エンジンは2.4Lに加え、パワフルな3.5L V6も設定し、ハイブリッドはTHS-Ⅱに進化していた。3代目エスティマも根強い人気を保っていたが、2019年に生産終了してしまう。

そう、勢力図が変化していたのだ。トヨタにはすでにアルファード&ヴェルファイア、ノア&ヴォクシーという大人気ミニバンが揃っており、エスティマの役目は終わったと判断されたのだ。

エスティマ自体は一大ムーブメントとまではいかなかったものの、子エスティマの健闘もあって結果ロングライフに。そして10年ぶりにモデルチェンジして2代目と進化した。タマゴデザインのワンモーションフォルムはキープしつつ、特徴のひとつであったミッドシップはFFとなった。2.4Lエンジンに加え、3.5L V6も搭載。広大な室内スペースを確保しながら、乗用車ライクな乗り味を両立。当時は画期的だった話題のハイブリッドを追加したこともあり、爆発的なヒットを記録した。

ミニバン初のハイブリッド

リムジン仕様もあった!?

3代目登場、しかし一時代を築きながらも消滅の憂き目

ハイブリッドはシステム変更でエコ性能アップ

スタワゴ的名車ヒストリー【エスティマ】編 まとめはこちら

STYLEWAGON(スタイルワゴン)2024年9月号

[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]

【何故? 密かに人気】ミニバンUP STYLEの魅力 VOL4|約10センチアゲのトヨタ・エスティマ50系

外装カスタムに関してオーナーは「エスティマのワンモーションフォルムを崩さないようにしながら、USカスタム的な味付けを心がけてます」。今後は「外装はまとまったので、もう少し車高を上げたいですね」と語ってくれた。

誰にも負けないエスティマ好き! 最終的に行き着いたカスタムはシンプル系だった

宮城を本拠に、数多のハイレベルな車両をプロデュースしてきたプロショップ、ティーセレクション。ショップ主催イベントはミニバン・ワゴン限定から始まり、オールジャンルへ発展。ユニークなのは菅生を舞台にサーキットランまでプログラムにあること。そんなビッグイベントに参加したオーナー等をクローズアップ!

購入から20年超え! 2代目エスティマを、スーパーカースタイルで復活!

宮城を本拠に、数多のハイレベルな車両をプロデュースしてきたプロショップ、ティーセレクション。ショップ主催イベントはミニバン・ワゴン限定から始まり、オールジャンルへ発展。ユニークなのは菅生を舞台にサーキットランまでプログラムにあること。そんなビッグイベントに参加したオーナー等をクローズアップ!

キーワードで検索する

著者プロフィール

stylewagon 近影

stylewagon