コストとユーザーの実用性のバランスを重視
スズキのADASはセーフティサポートといいます。モデルの導入時期によって、衝突被害軽減ブレーキには、デュアルカメラブレーキサポート、デュアルセンサーブレーキサポートなど、ハードウエアや作動方式には違いがあります。また、後退時ブレーキサポート採用のモデルでも差があります。スズキはコストとユーザーの実用性のバランスを重視しています。
また、スズキに対して自動運転というイメージを持つ人は多くないでしょう。公共交通での自動運転実証試験でも、高度なレベル3やレベル4に挑戦していません。
こうした点についてスズキの予防安全技術開発のエンジニアに直接話を聞くと「スズキの商品として、現実的にユーザーが使えることが第一」と話します。もちろん、スズキ社内では自動運転に関する基礎研究は行われていると思います。また、スズキの鈴木俊宏社長はさまざまな会見の場で、EV、自動運転やADAS、そして通信によるコネクテッド技術については開発コストが極めて大きいため、さまざまな企業と連携することが大前提という姿勢を示しています。なかでもEVについてはトヨタとの関係がより強くなってきました。今後は自動運転やADASについてもトヨタとの技術連携が深まる可能性が高いと考えられます。
著者PROFILE 桃田健史
1962年8月、東京生まれ。日米を拠点に、世界自動車産業をメインに取材執筆活動を行う。インディカー、NASCARなどレーシングドライバーとしての経歴を活かし、レース番組の解説及び海外モーターショーなどのテレビ解説も務める。日本自動車ジャーナリスト協会会員
▷これからどうなる自動運転 まとめはこちら
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]