愛知製鋼、刈谷工場に水素・都市ガス兼用バーナを導入し水素燃焼技術実証を実施

刈谷工場に導入された水素・都市ガス兼用バーナ
愛知製鋼は東邦ガスと協力し、水素・都市ガス兼用バーナを愛知製鋼 刈谷工場の鋼材熱処理炉に導入したことを発表した。これまで地道な省エネ活動に加え、「再エネ電力」「カーボンニュートラルな都市ガス」導入や太陽光発電導入により、実質CO₂発生量抑制の取組みも開始されている。

今回、本バーナ導入により、愛知製鋼創業の地である刈谷工場でも「カーボンニュートラルな都市ガス」への燃料転換が完了。今後は水素燃料の活用を目指し、鋼材熱処理炉における水素燃焼技術の開発、実証実験が開始される。同様に残りの知多、鍛造工場についても、2030年度までにCO₂排出量を50%削減(2013年度比)するための具体的なロードマップが策定されたことから、愛知製鋼の2030年度におけるCO₂削減目標が引き上げられた。

今後、愛知製鋼は、長年培ってきた省エネ技術のレベルアップや再エネ活用に加え、工程省略、バイオ加炭材活用、フォークリフトの電動化や水素技術の全域展開、革新電気炉への更新など、CO₂削減技術を導入していくことで、2050年度を目標としているCNの早期実現も見据え、取組みを加速させていく。

新しい水素・都市ガス兼用バーナは東邦ガスと日本ファーネスが共同で商品化した、日本で初めて部品交換不要で水素・都市ガスを兼用できるタイプとなる。独自の空気流や噴出速度により、水素燃焼によるNOx排出抑制やバーナ部品劣化を防止している。東邦ガス、アイチセラテックのエンジニアリング技術により、愛知製鋼刈谷工場の鋼材熱処理炉に導入が実現した。

カーボンニュートラルな都市ガスとは東邦ガスが提供する、天然ガスの採掘から燃焼に至るまでの工程で発生するCO₂を森林保全プロジェクト等を通じて削減・吸収し相殺(カーボンオフセット)した、LNG(液化天然ガス)で製造した都市ガスである。

バーナを導入した鋼材熱処理炉(写真奥)と、炉側面に組付けられたバーナ・配管(写真手前)

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