子どもを伴って来場しても楽しめる「ベアリング組み立て体験」のコーナーを用意した日本精工(NSK)。出来上がったベアリングは、キーホルダーにしてもらえ、持ち帰ることができる。
席に着くと、目の前にボールなどベアリングの材料が用意され、スタッフから「まずは、組み立てみてください」と、ノーヒントで組み立てを開始。組み立て手順を考えながらスタートするわけだが、これがかえって面白い。外輪、内輪、保持器、そして7個のボール。まずは、これにボールを並べて…など自身の発想で進めていったが、どうもうまくいかない。精密だが、構造は単純だからイージーだと高をくくっていたのだが、自分の甘さを痛感することに。そこでヒントをもらいながら進めて、完成へと辿りついた。
そもそもベアリングは、摩擦を減らすことで機械が働く効率を高めるなどクルマにとっても非常に大切な要素のひとつ。それだけにとても興味深い体験となった。しかもこのベアリングにボールチェーンをつけてくれて、キーホルダーにして持ち帰ることができる。
キッズも楽しめるから、ぜひプライベートでも我が子を連れ立って来場したいと感じた。将来、我が子が機械いじりやメカが好きになってくれたらと願う親心までくすぐってくれそうな催し。父と子のジャパンモビリティショー来場記念となるわけだ。
出展された製品を紹介していこう。NSKでは、今回の出展に関するプレスリリースで、クルマが大きく変わる未来においても、『クルマの「走る」「曲がる」「止まる」という三大機能の重要性』は変わらないと触れていたが、確かにその通りと納得できる。
「走る」のジャンルで出展されていたものに、「EV変速向け セレクタブルワンウェイクラッチ(OWC) & 電動クラッチパック」があった。これは、EVを2速変速化することで低速トルクアップを実現してくれるもの。乗用車用から商用車・ピックアップトラックまで、モーターの適用範囲を拡大する。
「EV駆動切り離し(ディスコネクト)用 セレクタブルOWC」は、EV・4WD車の航続距離を伸ばす可能性を広げるもの。4WD車の割合が多いEVだが、いっぽうのモーターを駆動させている2WDモードの際、動いてない側のモーターの走行中のロスを解決する技術。低コスト化や開発負担を抑える効果もありそうだ。
「磁歪式トルクセンサー」は、量産車の駆動軸トルクを検出できる非接触式トルクセンサーシステム。非常にコンパクトで軽いものなので、搭載性に優れる。
これら新しい時代に適応する製品の出展に加えて、「ベアリング組み立て体験」も楽しめるNSKブース。西展示棟4階(西3・4ホール)にあるので、ぜひ立ち寄ってみたい場所だ。