生産技術と車両適合「電気自動車はこうやって作られる」

モーターファン・イラストレーテッド(MFi) vol.182は、「EVの作り方」特集

BEV(電気自動車)では、従来の動力源である「エンジン+トランスミッション」が不要となり、「モーター+バッテリー」によってクルマを走らせます。BEVの本格的かつ健全で持続的な普及には、まだ革新的な技術によるブレークスルーが必要ですが、その存在感を世界各地のマーケットで急速に高めつつあります。では一体、エンジンを搭載しないBEVは、どのように設計され量産されていくのか? 従来のエンジン車とは「クルマができるまで」のプロセスにおいて同じなのか? それともまったく違うのか? MFi vol.182では、 「EVの作り方」と題して、 これらの疑問を「生産技術」と「車両適合」にわけて理解を深める特集を組みました。

Chapter1 生産技術

バイポーラ電極式バッテリーのインパクト:トヨタ
 BEV(電気自動車)のバッテリーは、鉛電池がニッケル水素電池へ、さらには現在の主流であるリチウムイオン電池へと進化した歴史があります。ところがトヨタは、ニッケル水素の単セル出力を1.5倍に高めた「バイポーラ型」という構造を実用化して注目を集めています。その高出力化の原理と、量産化を実現したキー技術について解説します。

EVの効率を飛躍的に向上させるSiCへの期待:ローム
 次世代の駆動用パワーデバイスとして注目を集めているのがSiC半導体です。低損失、高耐圧で高温動作が可能な“夢の半導体”で、EV用途において理想的と言われながらも、“強い”性質を持つSiCという材料の扱いにくさゆえ、本格的な普及にはまだ至っていません。しかし、ロームがこれを見事に克服し、SiCパワーデバイスの量産に成功しました。その成功のカギを紹介します。

ダイカスト部材の在り方を変える新工法:リョービ
 BEV(電気自動車)は、ICE車(内燃エンジン搭載車)に比べてバッテリーによる重量増が必須のため、軽量化が開発上のひとつのキーワードとなっています。アルミダイカスト部品の製造を手がけるリョービでは、「高真空ダイカスト技術」と「レーザー溶接技術」で、軽量に優れるダイカストの適用領域を広める技術を確立しました。その技術を解説します。

Chapter2 車両適合

薄型電池をとことん使う
BEV(電気自動車)を構成するバッテリー、 モーター、 制御などの技術はまだ発展途上にあります。 しかし、 クルマである以上、 商品としての魅力が最優先です。 日産のラミネート型電池、 東芝の「5分で80%の充電」実現を目指す次世代電池、 レクサスによるNVHと足まわりの対策、 マツダのパッシブセーフティ技術などアプリケーション=車両適合のメソッドを、 事例を挙げて紹介しています。

EVだってラジエーターは必要:Honda e
 電動車に対する誤解のひとつが「冷却系が不要になる」ということです。 しかし、 実際には電気で動かす部品ほど、 デリケートな温度管理が必要になり、 BEV(電気自動車)にラジエーターは欠かせません。 電動車の冷却に対するありがちな誤解を、 HONDA eのシステムを通じて解説します。

CONTENTS
[モーターファンイラストレーテッド vol.182]
【図解特集:EVの作り方】

[Introduction] BEV(バッテリー電気自動車)ができるまでChapter 1生産技術
 Battery [トヨタ自動車×豊田自動織機] バイポーラ電極のインパクト
 Motor [ホンダ] 電気モーターのトレンドは高密度と高出力・低損失
 Semiconductors:[ローム] EVの効率を飛躍的に向上させるSiCへの期待
 Production [マツダ] 宇品工場におけるマツダMX-30EVの混流生産
 Die Castings [リョービ] ダイカスト部材のあり方を変える新工法
 e-axle [ボルグワーナー] 小さく軽く、 しかも高効率に
【Chapter2】車両適合
 Battery [日産] 薄型電池をとことん使う
[Column]東芝が狙うニオブチタン系酸化物電池
 Cooling [ホンダ] EVだってラジエーターは必要
 NVH [レクサス] NVHと足まわり
 Safety [マツダ] そのとき、 バッテリーは守られるか

発売日:2021年11月15日(月)
定価1760円 (本体価格1600円)
ISBN:978-4-7796-4504-4
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【商品詳細】https://www.sun-a.com/magazine/detail.php?pid=12109

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