「放置車両ベースでサーキット最速ジムニーを目指す!?」ツインチャージャーで200馬力を絞り出す魔改造JA11を捕獲!

ジムニーで茂原ツイン54秒台は異常・・・

Attack筑波参戦へ向けて300馬力エンジンもスタンバイ!

レインボーオートの主催により、2021年11月20日に茂原ツインサーキット(千葉県)で開催された“ジムニースーパーラップ2021”。エキスパートクラスの参加車にはタイムアップを目指してサーキット仕様の本格チューンを施したマシンも多く見受けられたが、その中でも断トツのハードチューンと言えるのがこのJA11C改。

存在感抜群の真っ赤なボディは、ホンダのミラノレッドでオールペンされたもの。もちろん速さもトップクラスで、この日のベストは56秒3だったが、過去には54秒台を記録したこともあるほどだ。

オーナーの礒田さんは長年ダートトライル競技にプライベート参戦しているドライバーなのだが、それまで競技で使用していたエスクード改が全損クラッシュしたことを機にマシンチェンジ。ベースはレインボーオートに放置されていた廃車寸前の1992年式JA11Cだった。

何と言ってもまず注目したいのは、最大ブースト2.5キロの設定で200psを発揮しているというツインチャージャー仕様のパワー系。エンジンはカプチーノ用のDOHC仕様F6Aで、鍛造ボアアップピストンとH断面コンロッドで排気量は720ccにアップ。ヘッドもビッグバルブや加工カムが組み込まれている。

そのエンジンに組み合わされているのが、HKS GT2スーパーチャージャーとIHI RHF4/5ハイブリッドタービンのコンビ。聞けば、最初はスーパーチャージャー仕様としていたが、パンチがないのでターボ仕様に変更。すると今度は低速がスカスカになってしまったので、ターボを残したまま再度スーパーチャージャーを装着…と、紆余曲折の結果なのだという。

足回りも圧巻で、前後サスペンションは自作の5リンクリジッドタイプとし、リンク類はフルピロボール仕様でエアバンプも装備。駆動系はカプチーノミッションにJB43シエラホーシングを組み合わせ、ファイナルはJB23後期(4.3)をセット。

車幅はブリスターフェンダーで60mm、オーバーフェンダーで120mmの合わせて片側180mmという凄まじいワイド化でコーナリング性能を向上。タイヤは前後とも205/55R16のポテンザRE-07D。ブレーキはフロントがエスクードノマド流用のベンチレーテッドディスク、リヤはJB43シエラ流用だ。

車内の雰囲気は完全に競技車両のそれで、アンダーコートやカーペット類は全て排除。堅牢なロールケージもしっかりと装備しているが、それでも車重は860kgしかないという。

ウイング一体形状のカーボンルーフはレインボーオートが以前ワンオフで製作したもので、幌車乗りの間で幻と呼ばれているほどのレアなパーツだ。

ジムニーベースとしては最強レベルのチューンドスペックで、2022年に礒田さんが目指しているのはAttack筑波のKクラスへの出場とのこと。参加基準の1分9秒を切るために300ps仕様のニューエンジンも用意しているというから、タイムアタックシーンでジムニー旋風を巻き起こしてくれることを期待したい。

PHOTO&TEXT:川崎英俊
●問い合わせ:レインボーオート 千葉県柏市酒井根688-2 TEL:04-7176-8207

【関連リンク】
レインボーオート
https://rainbow-auto.jp/

キーワードで検索する

著者プロフィール

weboption 近影

weboption