50mと100mまでの加速タイムを計測!

市街地で多用するスタートダッシュからの加速性能を確認するため、50mと100mまでの加速タイムを計測。それぞれ5回づつの計測を行い、その平均タイムがこちら。

メーター読みの最高速が100kmちょっとで、80km/h前後までのスムーズさと比較すると、以後のスピードの上昇がやや鈍くなることは2台に共通。とはいえ、6000rpmを境にカムシャフトがロー→ハイに切り替わるVVA:バリアブル・バルブ・アクチュエーションがいい仕事をしているようで、右手の操作に対するパワーユニットの反応はNMAXのほうが忠実。僅差ではあるけれど、0→50m・0→100m加速のタイムはその印象を裏付ける結果となった。

サーキット秋ヶ瀬の周回タイムを計測!

市街地に近いタイトなコーナーを持つサーキット秋ヶ瀬で周回タイムを計測してみた。

その結果がこちら。

ホイールベースが25mm短いことを考えると、PCXにも勝機がありそうなのだが、サーキットの周回タイムもNMAXのほうが優位。VVAに加えて、ボア×ストロークがロングストローク指向で(PCXの53.5×55.5mmに対して、NMAXは52×58.7mm)、最高出力・最大トルクの発生回転数が低いことも(PCXは12.5ps/8750rpm・12Nm/6500rpmで、NMAX:12ps/8000rpm・11Nm/6000rpm)、NMAXが好結果をマークできた一因かもしれない。

PCXとNMAXの加速性能とサーキット性能

 実際に2台を同条件で比較した僕は、アラッ?という気持ちになったのである。部分的に歩み寄っていようとも、PCXとNMAXの乗り味は依然として別物だったのだ。

 まずは撮影を行ったサーキット秋ヶ瀬での印象を記すと、スポーツライディングしている‼という充実感は、24年型以前と同様にNMAXのほうが得やすい。中でも僕が感心したのは、コーナーの立ち上がり右手を捻った際の濃厚なトラション、スロットルと後輪が直結しているかのようなフィーリングだが、コーナー進入時に乗り手に伝わるフロントまわりの接地感もなかなかの好感触。

 そしてその資質を堪能した後にPCXに乗り換えると、24年型以前より軽快でも、すべての挙動と反応がいまひとつ味気ないためか、どうにも高揚感が沸いて来なかった。

 ただし0→50/100m加速と周回タイムを計測すると、2台の差はわずか。つまり、NMAXのような攻めている感が味わいづらくても、PCXは決して遅くないのである。

PCXとNMAXの市街地での走行性能

 続いて、市街地の移動やツーリングを想定して一般道を各車2時間ほど走っての印象を記すと、個人的に特筆したいのはNMAXの進化。24年型以前で悪路を走ると、路面の凹凸を通過した衝撃が身体にビンビン伝わることが多かったのだけれど、25年型は凹凸を軽やかにいなしていく。おそらく、24年型以前のオーナーがこの特性を体験したら、あまりの変化に驚き、乗り換えを決意する人が大勢いるんじゃないだろうか。

 とはいえ、進化したNMAXの快適性がPCXに及んでいるかと言うと……、そこまでではなかった。一寸先は闇なうえに刻一刻と状況が変化する一般道を走っていると、前後ショックの設定が乗り心地重視で、エンジン特性が穏やかで優しくて、ライディングポジションがゆったりしているPCXのほうが、やっぱりNMAXより楽チンなのである。 試乗後に僕の頭にふと浮かんだのは、かつてのジョグとディオ、NSRとTZRだった。よくよく考えれば、どんなに歩み寄ろうとも、ホンダとヤマハの乗り味が同じになることはないのだ。今回の試乗では、その事実を改めて認識することになった。

PCXとNMAX、価格や主要諸元

HONDA PCX 価格:37万9500円

SPECIFICATIONS

全長×全幅×全高:1935mm×740mm×1125mm
シート高:764mm
ホイールベース:1315mm
エンジンタイプ:水冷4ストローク4バルブ単気筒
総排気量:124cc
内径×行程(mm):φ53.5×55.5
圧縮比:11.5:1
最高出力:12.5ps/8,750rpm
最大トルク:12Nm/6,500rpm
変速機型式:CVT
始動方式:セルフ式
車両重量:133kg

燃料タンク容量:8.1ℓ
タイヤ(前):110/70-14
タイヤ(後):130/70-13

ブレーキ形式(前):ディスク
ブレーキ形式(後):ディスク
ABS:前

YAMAHA NMAX 価格:38万9400円

SPECIFICATIONS

全長×全幅×全高:1935mm×740mm×1200mm
シート高:770mm
ホイールベース:1340mm
エンジンタイプ:水冷4ストローク4バルブ単気筒
総排気量:124cc
内径×行程(mm):φ52.0×58.7
圧縮比:11.2:1
最高出力:12ps/8.000rpm
最大トルク:11Nm/6,000rpm
変速機型式:CVT
始動方式:セルフ式
車両重量:132kg

燃料タンク容量:7.1ℓ
タイヤ(前):110/70-13
タイヤ(後):130/70-13ブレーキ形式(前):ディスク
ブレーキ形式(後):ディスク
ABS:前後