HRCブランドでSUV強化 トレイルスポーツ展開の狙い

ホンダ・パスポートトレイルスポーツエリートと本田技研工業の松井充執行職

−−今回「トレイルライン」シリーズのルーツとして今回強く訴求された「トレイルスポーツ」は、「パスポート」においてはグレードの一つに位置付けられています。この「トレイルスポーツ」の特徴を、改めて教えていただけますか?

松井さん ベースの「パスポート」は、M+Sのもう少しマイルドなタイヤを装着していますが、「トレイルスポーツ」はよりオフロード性能を高めたオールテレインタイヤを装着し、車高も少し上げています。これによってロードクリアランスが生まれ、オフロードを快適に走れるようになっています。

ホンダ・パスポートトレイルスポーツエリートに装着されていたオールテレインタイヤ。写真は275/60R18 113T M+Sのゼネラル・グラバーA/Tスポーツ

CR-VからWR-Vまで HRCトレイルスポーツの共通デザイン

−−今回「CR-V」「ZR-V」「ヴェゼル」「WR-V」の4車種が展示され、日本での展開が計画されている「トレイルスポーツHRCコンセプト」はどういうものになるのでしょうか?

松井さん まずはオフロード性能を高めるため、オールテレインタイヤをぜひ装着したいですね。また各車種でデザインの統一感を持たせ、ホンダのSUVはこういう方向性になるということをまずご理解いただきたいと思っています。オレンジのアクセントを入れるのは、その一つの象徴ですね。

ホンダCR-VトレイルスポーツHRCコンセプト
ホンダZR-VトレイルスポーツHRCコンセプト
ホンダ・ヴェゼルトレイルスポーツHRCコンセプト
ホンダWR-VトレイルスポーツHRCコンセプト

−−シートやシートベルトにもオレンジのアクセントが入っていますね。外装ではクラッディングやスキッドプレートが装着されていますが、車高は変更されていますか?

松井さん 車高は変えていないですね。ですので、より本格的なものから、一般の方、「そこまで本格的なものは要らないよ」というお客さんまで、HRC(ホンダレーシング)のブランドを使いながら幅広く展開したいという中で、割と裾野に近い部分のご提案になります。

ホンダCR-VトレイルスポーツHRCコンセプトのフロントシート。オレンジのシートベルトが特に目を引く

−−「HRC」の名が冠されることで、むしろハードコアなチューニングがされるのではという印象を抱きました。

松井さん それはやはりオンロードの印象なのかなと。HRCはオンロードでもオフロードでもモータースポーツに参戦していますが、オフロードの方はバハレースですね。で、「そういうクルマがあるけど、そういう雰囲気が欲しい」という方もいらっしゃると思っています。

ホンダのクルマは元々スポーティに作れていると私たちは自負しています。HRCはもちろんレースに勝つために元々モータースポーツをしています。元々方向性は一緒だったんですよ。それを今回上手く合わせようということで、HRCというブランドを使っていこうと考えています。

ph08…ホンダCR-VトレイルスポーツHRCコンセプトにもオールテレインタイヤを装着

−−「HRCトレイルスポーツ」はコンプリートカーもしくはグレード、あるいは用品という形で展開されるのでしょうか?

松井さん できればグレードとして展開したいと思っています。お客様が選べる状態になると、素のものは「なんだこれ?」となってっしまうので、しっかりと価値を出していきたいと考えています。

−−今回4車種が展示されましたが、市販の順番はすでに考えられていますか?

松井さん 商品の都合がありますが、さきほど日本統括部長の川坂(英生さん)が申しておりましたが、「近日中に、出すべく」(笑)。要はただのピエロではなく、我々としては本気度の高いものになります。

ホンダCR-VトレイルスポーツHRCコンセプト

−−「パスポート」に関してはいかがでしょうか? 先ほど川坂さんは「要望があれば」とのことでしたが…。

松井さん ホンダのSUVはお客様にしっかり認知されていなかったので、こういうとんがったモデルを入れたいと、ずっと昔からスタディしていました。ですので、お声をいただければ、私としてはすぐにでも日本に入れたいという気持ちでいます。

ホンダ・パスポートトレイルスポーツエリートの運転席まわり

左ハンドル導入が現実的な選択だった?右ハンドル化の課題とは

−−北米市場向けの車種ですので、右ハンドルは開発時点で想定されていないと思いますが、左ハンドルのまま日本へ導入されるお考えでしょうか?

松井さん 可能であればこのままの形で入れたいと思っています。

−−アメリカ・トランプ政権による圧力の問題もあったと思いますが…。

松井さん 我々が先行して検討していたのに対し、その話も来ましたので、そこが上手く折り合いがつくのであれば、いい形で入れられるようにしたいですね。右ハンドル車のご要望もいただきますが、開発すればお金がかかり、それが車両本体価格に上乗せされると「じゃあいくらになるの?」という話になりますので…。

ですので可能な限りお求めやすく、我々も開発工数を極力少なく、すぐにお届けできるように…となると、これをそのまま持ってくるのが最善の選択と考えています。

ホンダ・パスポートトレイルスポーツエリート

−−ホンダさんは四半世紀前に初代「MDX」を日本に導入しましたが、その頃に比べて、ボディサイズの大きなSUVに対する日本市場の許容度は上がったと感じていますか?

松井さん そうですね。ミニバンもどんどん大型化していますし、数は多くないものの、多様性は広がっていると思っています。その選択肢の一つになるといいなと思い、今回は「インテグラ」と「パスポート」双方の日本導入を検討しています。

アキュラ・インテグラタイプS

−−どちらもホンダさんの新たな一面が見られるクルマとして、裏を返せば北米市場だけで販売されているのはもったいないと思っていたので、日本での発売を楽しみにしています。

松井さん はい、前向きに頑張ります(笑)。今回の展示車両は、ただ出して終わりというモデルはほとんどなく、可能な限り市販にフィードバックしていきたいという想いで出品しましたので、ぜひご期待下さい。

−−期待しています。ありがとうございました!

アキュラ・インテグラタイプS