どちらも価格がこなれた低年式車が狙い目

中古車価格の全体相場はヤリスクロスが170万〜370万円、ヴェゼルが190万〜450万円となる。

どちらも状態の良い個体は新車並の価格が付けられているケースが多いうえ、10万kmを超える過走行車であっても高値がつけられており、高い人気が両車の中古車価格を底上げしていることが窺える。

ただしヴェゼルの高額車両は、ガラスルーフが備わった『e:HEV Z PLaYパッケージ』の登録済未使用車や、2025年10月に追加された『e:HEV RS』の登録済未使用車であり、中古車としての実質的な上限価格は350万円程度だ。

また、他の例に漏れずガソリンモデルの中古車価格は高止まりしており、ハイブリッドモデルとの間に価格差がほとんどない点は覚えておきたい。

走行距離5万km以下の個体に絞るとヤリスクロスが180万円から、ヴェゼルは230万円からが目安だ。ただしいずれも初期型の価格であり、年式が新しい個体では両車の価格差はさらに広がる。

ディスプレイオーディオの機能拡充やメーターの大型化が行なわれた2024年1月以降のヤリスクロスは220万円ほどが底値であるのに対し、マイナーチェンジが行なわれた2024年4月以降の後期型ヴェゼルは280万円が底値だ。

ヴェゼルの後期型はハイブリッドシステムのエネルギーマネジメント制御の変更や静粛性の向上、サスペンションのリセッティングなどによって商品力が大きく向上していることが価格に反映されていると見られる。

両者とも全体の流通量に対して4WDが占める割合は少なく、ヤリスクロスは全体の約20%、ヴェゼルは15%ほどしかない。ガソリンエンジンの4WDモデルともなると個体数はさらに少ないうえ高額だ。ガソリンエンジンの4WDモデルを探しているなら、中古車ではなく新車を購入したほうが早いだろう。

中古ヴェゼルは前期型一択! ヤリスクロスは選択肢が広め

どちらも全体相場は割高感があり、中古車としての旨味は薄い。とくにヴェゼルの後期型は新車価格とほとんど変わらないほどの高値が付けられているため、中古車ならではのメリットを享受するなら前期型を狙うのが賢明だ。

ヤリスクロスの方は、ヴェゼルと比べれば中古でも手が出しやすい価格帯にとどまってはいるが、狙い目はやはり低年式車になるだろう。

ただし、低年式のZグレードは価格の割にチープな内装とシートカラーに賛否の意見がある。ヤリスクロスの中古車価格はおおむね年式と車両状態に比例しているため、内装カラーが改められた2024年1月以降のモデルを選んでも最小限の予算追加で購入できそうだ。

またヤリスクロスは直近2026年2月の改良で、高度駐車支援機能である“アドバンストパーク”やスマホをキー代わりにできる“デジタルキー”、2トーンボディカラーなどの高額オプションが廃止された。こうした機能はすでに新車で選択できなくなっているため、該当オプションを装着した中古車は希少価値が高まったと言えるだろう。

希少性の観点では、ヴェゼルのガソリンFFモデルも話題に挙がる。ヴェゼルはマイナーチェンジのタイミングでガソリンモデルが4WDのみとなったため、ガソリンFFモデルが欲しい場合は中古車で探すしかない。ただし個体数は極めて少ないため、現実的な選択とは言いがたい。

パーソナルユース向きのヤリスクロスとファミリーユース向きのヴェゼル

どちらもコンパクトサイズのクロスオーバーSUVだが、新車価格は元々ヴェゼルの方が数十万円ほど高いため、両車の中古価格に見られる差は相応と言ってよいだろう。また価格はさることながら、両車は使い勝手や用途にもずいぶんと差がある。

ヴェゼルはヤリスクロスよりも全長が約140mm長く、そのゆとりはそのまま後席の膝まわり空間にあてられる。後席の使用頻度が高い場合は価格が多少高くともヴェゼルを選んだ方が満足感は高いはずだ。

燃費性能や静粛性は後期型に劣るものの、持ち前となる後席空間の広さは安価な前期型でも変わらない。走行距離5万km前後の前期型ヴェゼルを200万円ほどで買えたなら幸運と言えるだろう。

一方、通勤や通学のように1〜2名を主体として使うなら燃費性能と取り回しの良さに優れるヤリスクロスを選びたい。ただしヤリスクロス、ヴェゼルとも人気車種だけに好条件の車両はすぐ売れてしまうため、アンテナを広く張っておくことが重要だ。