2020年にレクサスは初の純電気自動車(BEV)として、UX 300eを発売したが、わずか5年で生産終了となった。

レクサス UX 300e

2021年以降に登録されたUX 300eは3400台に満たなかったが、今年1月に販売されたフォード・プーマの台数は、レクサスがこの5年間で販売したBEV版UXの台数を上回っている。この販売台数の減少が、UX生産終了の大きな原因となったようだ。

レクサス UX 300e

UX 300eは、ほとんどの市場で販売されているレクサスの中で最も小型のモデルをベースとしている。中国、日本、そしてヨーロッパで販売されていたが、決して大きな販売台数を記録することなく、日本では2025年11月にひっそりと生産終了となった。今後、レクサスのBEVを購入したい場合は、より大型で高価なRZを選択するとことになる。

UX 300eの初期型は実験的な電気自動車と言った性格で、諸元表にもそれが現れている。たとえば、初期型の300eは54.3kWhのバッテリーを搭載していたが、WLTPテストサイクルではわずか186マイル(約300km)しか走行できなかった。参考までに、新型トヨタ bZは57.7kWhのバッテリーパックで推定236マイル(約379km)の走行が可能となっており、EV技術の進化のほどが伺える。

しかし、後期型のUX 300eになると72.8kWhの大容量バッテリーパックを搭載し、推定航続距離が延長されている。これにより、WLTPサイクルでの走行距離は推定280マイル(約450km)となったのだが、時すでに遅しという状況に至ったようだ。

またUX 300eは、CHAdeMo充電コネクタの搭載も海外市場ではネックとなっていた。日本で開発され、日産と三菱が国際的に採用しているこの直流急速充電プロトコルは、速度が遅く、出力はわずか50kWに制限されている。また、他のメーカーは欧州ではCCSポートを使用し、米国とカナダではNACSプロトコルに切り替えているため、充電ステーションでこのコネクタを見つけるのはますます困難になっている。

UX 300eは姿を消したものの、BEV以外のUXの他のラインアップは、廃止される予定はない。UXハイブリッドは日本を含む世界で発売されており、2025年には、UX 250hの後継モデルとして300hが登場、エンジンと2つの電気モーターで196psを発揮し、先代モデルの181psから向上を果たしている。

UXは、2018年の発売から8年が経過している。長年にわたりアップデートは行なわれ続けてきたが、どれも小さな変更にとどまるものであり、そろそろフルモデルチェンジが期待されている。

2021年にトヨタが発表したEV戦略によれば、2030年までにEVの世界販売を350万台とする見通しを掲げ、このうち、レクサスのEV販売は30年に100万台とし、35年にはレクサス全車をEV化する方針だった。しかしその後のEV需要の冷え込みに応じ、予測販売台数は引き下げられている。

EV需要の冷え込みという現実問題から考えれば、次期型UXではPHEVの設定も予想されるものの、ハイブリッドのみの設定となることが考えられる。果たして次世代のBEV版が登場するのかが注目される。