ST4でGR86/NDロードスターRF/NCロードスターに挑む

オートラボのZC33Sスイフトスポーツは排気量1501~2400ccの車両が対象となるST-4クラスに参戦。このクラスの主流はGR86で、NDロードスターRFやNCロードスターもエントリーしている。

スーパー耐久は改造範囲が限られることから、ベース車両の性能が勝敗を左右しやすい。排気量規定で有利なGR86が参戦車両の大半を占めているのはそのためだ。

そんな中、なぜオートラボはスイフトスポーツを選んだのか?「前例のないことに挑戦するのが好きなんです。以前、ST-5クラスに『素』のヤリスで参戦したのも、そんな気持ちからでした。ほかと異なる、誰もやっていないクルマでレースをしたい。勝ち負け以上に、やり甲斐を重視しています」

そう語る國松宏二代表だが、まったく勝算がなかったわけではない。

「構想したのは、ST-4クラスの排気量上限が、2ℓから2.4ℓに拡大された頃。GR86が主力になることはわかっていましたが、ZC33Sのエンジンもこの枠にドンピシャでハマる。軽さを活かし、上手くチューニングすれば、面白い車両になる予感がありました」

このクラスでの可能性を誰よりも早く見出した國松代表。その思いに共感し、ベース車両や純正部品を提供するコンプリートスピード、チューニングパーツを手掛けるアールズなど、力強い協力者が集結した。オートラボのZC33Sは、市販車ベース、市販部品のみで戦闘力と耐久性を高めてチャレンジする!

車両は一度輸出されていた ベース車探しからストイック

レギュレーションを厳守しつつ、いかにZC33Sのパフォーマンスを最大限に引き出すか。オートラボの車両づくりは、極めてストイックだ。そのこだわりは、車両選定の段階からすでに始まっている。

オートラボの要望を受け、コンプリートスピードが用意した車両は、安全装備未搭載のモデル。これは衝突被害軽減ブレーキなどの誤作動を確実に回避するための選択だ。すでに絶版になっていただけに、なかなかクルマが見つからない。一度輸出された車両が、日本に戻った偶然のタイミングで確保した。

ほかにも、重量増を意識したボディ補強、リアストローク不足を解消するコイルオーバー式サスペンションへの換装など、随所にオートラボならではのこだわりが詰まっている。

しかも、これだけのチューニングを施しても、車両メイクはまだ始まったばかり。今後も、実戦を重ねる中でアップデートを繰り返し、ベストな仕様を探っていく。スイフトスポーツのオーナーには、今後の動向にもぜひ、注目してほしい。

伊藤大輔もドライバーで開発に加わる

伊藤大輔がチームに参画!開発ドライバーとして車両づくりに携わるとともに、レースではBドライバーとしてステアリングを握る。國松代表が絶対的な信頼を寄せるレーシングドライバーのひとりだ

オートラボ國松自動車研究所 國松宏二代表
チーム監督、チーフエンジニア、そしてチーフメカニックを兼務。何事にも自ら挑戦する性分の國松代表(左)。右は、車両や純正部品を供給するコンプリートスピードの山𣷹正史代表。

ノーマル然としたエンジンルーム 耐久性とメンテナンス性の向上を重視

スーパー耐久のレース車両の特徴は市販車ベースであること。エンジン本体のチューニングはほとんど認められておらず、オートラボのスイフトスポーツもピストンのバランス取りのみだ。

パワーアップメニューは、タービン交換、インタークーラーの容量アップ、ECUなど、カスタマーも導入可能なものばかり。絶対的な速さではなく、「長距離・長時間を、いかに速く走り続けられるか」をテーマにチューニングされている。

タービンはアールズ製のハイパワータービンに変更。特認申請を行い、許可されたもののひとつだ。ECUはMoTeCで現車合わせ。セッティングは今後も詰めていく予定だ。

規定により、エンジンマウントのリジット化は禁止。そのため、一般市販されているアールズ製の強化エンジンマウントに交換し、エンジンの揺れを抑制。変速時の操作性を向上させている。

燃費の算出をスピーディにするため、フィーエルラインにはワンタッチ連結システムを採用。カップリングは、FIA公認の燃料クイックチャージシステムを製造するストーブリ製。

ボディ補強は、國松代表が絶対に妥協しないポイント。負荷が掛かるストラットタワーまわりは、部材の重ね技と強化溶接で頑強に補強。一般的なスポット溶接とは、仕上がりが大きく異なる。

ZC33Sはブレーキとクラッチのフルードが共有されている。ホースはすべて耐久性の高いメッシュタイプに交換。クラッチのエア抜きを迅速化するための追加ラインや、ミッションのブローバイを取り出すラインも設置されている。

冷却対策は必須。ラジエーターとオイルクーラーはDRL製、インタークーラーはアールズ製。ボンネットもクーリング機能を重視してアールズ製を採用。すべて一般に手に入る市販品。

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スーパー耐久でGR86やロードスターと戦うAutoLabo ZC33Sスイフトスポーツ タフで速いクルマづくりをクローズアップ! 後編

スーパー耐久は厳格なレギュレーションのもとに行われる、市販車ベースの車両による頂上決戦。使用部品も市販品で、「タフで速いクルマづくりのノウハウ」が満載だ。ZC33Sスイフトスポーツのチューニングに活かせるワザを探る。 Photos/吉見幸夫 Text/勝森勇夫 本記事はレブスピード2025年7月号からの抜粋です。


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