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今日は何の日?■ホンダの二輪車世界累計台数が1億5000万台達成

2005年(平成18)年5月9日、ホンダは二輪車の世界生産累計が2005年4月末時点で1.5億台を達成したことを発表した。1949年に「ドリーム D型」の量産を開始、海外生産を1963年にベルギー二輪車工場で始めて以後は世界各地で現地生産を開始して57年目の偉業である。
ホンダ二輪車の始まり


ホンダの起源は、1946(昭和21)年10月に本田宗一郎氏が静岡県浜松市に創立した「本田技術研究所」である。まず取り組んだのが、自転車用補助エンジンの開発で、1947年11月には最高出力1psの50cc空冷単気筒2ストローク50ccの自社製「A型エンジン」を完成させた。

その直後から、自社で本格的なバイクの製造に取り組み、バイク工場を建設して1949年8月に「ドリームD型号」の生産を開始した。ドリームD型号は、最高出力3psの98cc空冷単気筒2ストロークエンジンを搭載し、最高速度は50km/hを記録した。

続いて1952年6月には、白いタンクに赤いエンジンカバーが特徴の「カブ号F型」を発売。これは、原動機付自転車のための補助エンジン(58cc空冷単気筒2ストローク)+燃料タンクのキットであり、これを既存の自転車の後輪に付けるのだ。非常に簡単に搭載でき、これを搭載すれば女性でも気軽に運転できることから2ヶ月で2.5万台を売る爆発的なヒットになった。
ちなみに価格は2.5万円であり、当時の大卒初任給は1万円程度(現在は約23万円)だったので、単純計算では現在の価値で約58万円にもなり、かなり高額だった。
1953年には、4ストロークエンジンとプレスバックボーンの新フレームを採用した「ベンリイ」。1954年には、ホンダ初のスクーター「ジュノオK」が発売された。
レースで勝つことで“世界のホンダ”を決定的に

ホンダは、1954年に「ドリームE型」をベースにしたマシンで海外レースに初出場を果たした。レースでは完走したものの、世界との差を見せつけられた結果となったが、その翌月には本田宗一郎氏が当時最高峰のバイクレースだったマン島TTレースへの参戦を宣言した。

レース参戦宣言から5年後の1959年、ついにマン島TTレースに挑戦し4台の完走に成功。谷口尚巳選手が駆けた「RC142」が初出場で6位入賞し、ロードレース世界選手権で日本人と日本製バイクが初めてポイントを獲得したのだ。そして、レース参戦3年目の1961年6月、ついにホンダのバイクは125cc、250ccとも1位から5位まで独占して完全優勝を果たすという快挙を化し遂げた。

マン島TTレース参戦を皮切りに、ホンダはさらに高みを目指して世界の二輪レースに果敢に挑戦。1966年には、「RC181」でロードレース世界選手権史上初の5クラス完全制覇でメーカーチャンピオン獲得を果たすなど、その高い技術力を国内外に証明した。
以降、開発と勝利を重ね、2015年にはロードレース世界選手権で前人未到の通算700勝を達成し、バイクレース界のトップの座に輝いたのだ。
ホンダが放った歴史的なバイク
世界生産1億台を記録した超ロングランヒット、スーパーカブ

1958年8月には、ホンダをトップメーカーに押し上げる起爆剤になった「スーパーカブC100」を発売。スーパーカブは、2ストローク全盛時に4ストロークエンジンを搭載、その扱いやすさと低燃費、耐久性が評価され、あっという間に世界の市場を席巻する大ヒットになった。その後もロングランヒットを続け、2017年には世界生産1億台を超えて世界新記録を樹立、令和の現在も記録を更新中である。
ユニークなスクーターやミニバイクでユーザー層を拡大


1954年発売のスクーター「ジュノオ」や1967年の「モンキー」、1972年「ダックス」、1976年「ロードパル」、1978年「ゴリラ」など、ユニークなバイクも投入して若者や女性から人気を集めた。
レースで培った高出力技術で世界を驚かせたCBシリーズ


1965年4月に、最高出力43psの世界初のDOHCエンジンを搭載した444cc空冷直2 2ストローク「CB450」を投入。さらに1969年7月にデビューした67psを発揮する量産車初の直列4気筒エンジンを搭載した736cc空冷直4 SOHC 4ストローク「CB750 FOUR」が世界的に大ヒットし、日本の“ナナハンブーム”の火付け役となった。その後も、新世代化したCBXシリーズとCBRシリーズの多くのバリエーションモデルで世界中のファンを魅了した。
フラッグシップのゴールドウイング

1975年にデビューした「ゴールドウイング」は、「CB750 FOUR」を超えるフラッグシップモデルとして開発され、最高出力79psを発揮する国内では類を見ない水平対向4気筒1000cc水冷エンジンを搭載、究極のグランドツアラーとして令和の現在も君臨し続けている。

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ホンダは4輪車では後発メーカーだが、2輪車では国内4大メーカー(ホンダ/ヤマハ/スズキ/カワサキ)で最も早く開発に着手し、国際レースにも早く参戦した。そういうこともあり、ホンダのバイク=高性能エンジンといったイメージが強いが、一方で誰でも楽しむことができる扱いやすさや耐久性、燃費も優れているという実用面でも高い評価を受けている。
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