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今日は何の日?■ホンダのフラッグシップミニバン、エリシオン登場

2004年(平成16)年5月13日、ホンダは「オデッセイ」よりさらに上級の高級ミニバン「エリシオン」を発売した。高級ミニバンというジャンルを開拓した日産「エルグランド」と、それに対抗したトヨタ「アルファード」の高級ミニバン戦線に、ホンダはエリシオンで参入したのだ。
高級ミニバンの日産・エルグランドとトヨタ・アルファード

1997年5月、ファーストクラスのミニバンを目指して、日産の「エルグランド」がデビューした。大型ミニバンとして堂々たる風格を漂わせ、室内は高級感と快適性を追求した今までにない高級なミニバンだった。
パワートレーンは、最高出力150ps/最大トルク34.0kgmを発揮する3.2L 直4 SOHCディーゼルインタークーラーターボ、170ps/27.1kgmの3.3L V6 SOHCガソリンエンジンの2種エンジンと4速ATの組み合わせ、駆動方式はFRと4WDが選べた。

エルグランドは、高級ミニバンという新たなジャンルを開拓して大ヒット。2002年5月には、キープコンセプトの2代目へとモデルチェンジした。
一方、トヨタは2代目エルグランド発売の翌日に、高級ミニバン「アルファード」をデビューさせた。エルグランドに対抗して登場したアルファードは、落ち着いた気品あるスタイリングと木目やメッキパーツなどを採用したゴージャスなインテリアによって、エルグランド以上の快適性と高級感を目指した。

パワートレーンは、159ps/22.4kgmの2.4L直4DOHC、220ps/31.0kgmの3.0L V6DOHCエンジンの2種エンジンと、4速ATの組み合わせ。駆動方式はFFと4WDが用意され、翌年にはハイブリッドモデルも追加された。
アルファードの最大の特徴は、FRベースのエルグランドにはなかったFFプラットフォームによって、圧倒的な室内空間と豪華な装備を設定したことだった。アルファードは、発売直後から大ヒット、あっという間に高級ミニバントップの座をエルグランドから奪取した。
ホンダは、まず高級ミニバンとしてオデッセイ・プレステージを発売
ホンダは、日産「エルグランド」発売の同年1997年10月に、「オデッセイ」ベースにしてパワーアップと上級化を図った高級ミニバン「オデッセイ・プレステージ」を発売した。オデッセイとの相違点は、車格感あるフロントマスクなど洗練された外観と、本革シートや革巻きシフトノブなどによる高級感、そして安全装備の充実だった。

パワートレーンは、新開発の200ps/27.0kgmを発揮する3.0L V6 DOHC VTECエンジンと4速ATの組み合わせ、駆動方式はFFのみ。これにより、セダン感覚の余裕ある動力性能と、ミニバントップクラスの静粛性、快適な乗り心地が実現された。

オデッセイ・プレステージは、エルグランドと比べて全長と全幅はほぼ同等だが、全高は300mm程度低く室内空間の広さで劣り、またエルグランドが500万円以上の高級グレードを用意していたのに対し、オデッセイ・プレステージの価格は300万円以下に抑えられていた。
これにより、エルグランドの方が高級ミニバンとして認識されて、高級ミニバンとして人気を獲得したのだ。
本格的な高級ミニバンのエリシオン登場
ホンダは、2004年5月のこの日、日産「エルグランド」とトヨタ「アルファード」に対抗できる本格的な高級ミニバンの「エリシオン」を市場に投入した。


キャッチコピーは、“新世代プレミアム8シーター”で、スタイリングは「ワイド&ロー」で、切れ長のフロントランプや三角形のグリルなどが特徴。エルグランドとアルファードに近いボディサイズだが、全高がやはり130~140mm程度低いのが特徴だ。


パワートレーンは、最高出力250ps最大トルク31.5kgmを発揮する3.0L V6 DOHC、160ps/22.2kgmの2.4L直4 DOHCの2種エンジンと5速ATの組み合わせ。V6エンジンには、走行状況に応じて6気筒の半分である3気筒を休止させ、燃費性能を向上させる“可変シリンダーシステム”を採用。駆動方式は、FFに加えてリアルタイム4WDも設定された。

また安全性能については、現在のACCに相当する“IHHC”、旋回時にヘッドライトの光を進行方向に向ける“AFS”や車両挙動安定化システム“VSA”、ブレーキアシスト付の“EBD付ABS”、ミリ波レーダーにより衝突の危険を感知すると自動ブレーキやシートベルト制御で危険に対応する“追突軽減ブレーキ+E-プリテンショナー”など充実した装備が魅力だった。

車両価格は、273.0万~335.0万円(2.4L)/351.8万~451.5万円(3.0L)に設定された。当時は、後発のアルファードがエルグランドの人気を凌ぎ、そのような中でアルシオンは苦戦を強いられた。
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背の低いオデッセイで成功したホンダは、アルシオンについてもアルファードとエルグランドよりも全高の低いミニバンに設定したのかもしれない。しかし、高級ミニバンとしては室内空間の狭さが大きなマイナス要因になったはずであり、またこの頃から市場ではスタイリッシュなミニバンよりも、背が高く実用性に優れたミニバンが好まれ始めていたのだ。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

