カスタムカーのような雰囲気のスーパーONE




スーパーONE(スーパーワン)のボディサイズはN-ONE e:(エヌワン イー)よりも全長が185mm長く、全幅は100mm広い。外寸の違いは外観デザインによるものであり、室内空間や車内機能は同じで乗車定員も同じく4名だ。
リヤシートにチップアップ機構が備わる点も同じだが、スライド機構が備わらない点とリクライニング角度が2段階のみである点も共通となる。荷室寸法も長さ510mm×幅885mm×高さ880mmで同じであり、2名乗車時の荷室長も同じく1310mmだ。
スーパーONEの特徴は“ブルドッグ”の愛称で親しまれた往年の“ホンダ シティターボII”を彷彿とさせるカスタムカーのような雰囲気と言ってよいだろう。
特別感を引き上げるボリュームアップされた前後バンパーとブリスターフェンダーに加え、各部に設けられたダクトはしっかりと空力に配慮されたものだ。フロア下には整流のためのアンダーパネルが追加され、ルーフエンドに備わるリヤスポイラーはN-ONE RSとの共通部品となる。
装着されたブリスターフェンダーに合わせて40mm拡大されたスーパーONEの前後トレッドは、ホイールインセットによる拡幅ではなくアームの延長によるもので、新造されたフロントロワアームは軽量高剛性の鍛造アルミ製というこだわりようだ。
その代わり、トレッドの拡大に加えて専用デザインの15インチアルミホイール&大径タイヤが装着されるスーパーONEの最小回転半径はN-ONE e:より0.7m大きい5.2mとなる。
N-ONE e:には設定がないブラックルーフの2トーンカラーが設定される点もスーパーONEの特徴であり、リヤハッチにはエンブレムロゴではなく、フラットデザインの“HONDA”ロゴが備わる点も独特な雰囲気を強調する。
さらにホンダアクセスからは“ブルドッグスタイル”オプションとして、光色を白と黄で切り替え可能なフォグランプや専用リヤスポイラー、ボディデカールやカーボン調のインテリアパネルなどの装備も用意される。N-ONE e:にも印象を変える3種のカスタマイズスタイルが用意されているが、特別感ではスーパーONEの方が圧倒的に上だ。
ホンダ Super-ONE
ボディサイズ=全長3580mm×全幅1575mm×全高1615mm
ホイールベース=2520mm
車両重量=1090kg
タイヤサイズ=185/55R15(前後)
ホンダ N-ONE e: e:L
ボディサイズ=全長3395mm×全幅1475mm×全高1545mm
ホイールベース=2520mm
車両重量=1030kg
タイヤサイズ=155/65R14(前後)
炸裂するブーストモード! 軽自動車規格では実現不可能な95ps


両車が搭載する駆動用バッテリーやモーターといったハードウェアは共通であり、定格出力やバッテリー容量、充電性能などのスペックもまったく同じだ。
ただし、車重が60kg重いことに加えてワイドタイヤを履くことから、スーパーONEのWLTCモードの一充電走行距離は274kmに留まる。N-ONE e:の295kmと比較すると21km短くなるが、この程度なら無視できる差と言ってよいだろう。
スーパーONEを最大の特徴となるのは“スポーツモード”と、最高出力をN-ONE e:の約1.5倍へと引き上げる“ブーストモード”の存在だ。
スポーツモードへと切り替えると有段変速機のような振る舞いに変わり、パドルシフトはブレーキ回生スイッチから変速スイッチへと替わる。同時にアクセル操作と連動して仮想エンジンサウンドを車内に響かせるアクティブサウンドコントロールもオンになり、スーパーONEは7速DCTを搭載したスポーツモデルを思わせる走りを見せる。
さらにステアリングに備わるスイッチを押せば、平時の64psから時間制限なしで95psへと最高出力が引き上がるブーストモードへと切り替わる。同時にアクティブサウンドの音量が上がり、LEDインパネラインイルミネーションが青から紫へと変化。液晶メーターに描写される3連メーターのひとつはタコメーターへと替わる細かな演出も見逃せない。
スーパーONEの疑似変速動作は、変速ショックの演出はもちろんシフトダウン時のブリッピングやエンジンブレーキの演出やレブリミットによる頭打ち感までモーター制御で再現されており、仮想エンジン音はシビックやプレリュードのような澄んだ高音ではなく、やや野太い音を響かせる。
この仮想エンジン音は車内のみに聞こえる設計であり、どれだけ速度を上げても外へは聞こえない。もちろんブーストモード中はバッテリーの減りは速くなる点には注意が必要だ。
スーパーONEは、高められた動力性能を受け止めるべくサスペンションにも入念なチューニングが施されており、ヨーロッパ郊外の起伏ある路面を再現したホンダ所有のテストコース“鷹栖プルービンググラウンド”を気持ちよく駆け抜けられるようなサスペンションセットアップが施されている。
ホンダ Super-ONE
駆動用バッテリーの種類=リチウムイオン電池
定格出力=39kW
最高出力=95ps/-rpm
最大トルク=162Nm/-rpm
トランスミッション=単速
駆動方式=2WD(FF)
ホンダ N-ONE e: e:L
駆動用バッテリーの種類=リチウムイオン電池
定格出力=39kW
最高出力=64ps/-rpm
最大トルク=162Nm/-rpm
トランスミッション=単速
駆動方式=2WD(FF)
約20万円の価格差がCEV補助金でひっくり返る


スーパーONEのインテリアはN-ONE e:とは異なりブラックを基調としつつ、高いホールド性を持つ専用スポーツシートを装備。シート表皮にはアシンメトリー配置となるブルーのアクセントが施される。
また、ホンダの小型車として初めてBOSEプレミアムサウンドシステムが装備されたほか、Google搭載の9インチインフォテインメントディスプレイも標準装備となる。また、N-ONE e:には設定がないステアリングヒーターが備わる点も大きな違いだ。
新車価格はワングレードとなるホンダ スーパーONEが339万200円、N-ONE e:の上位グレード“e:L”が319万8800円となる。CEV補助金は普通車であるスーパーONEが130万円、軽自動車のN-ONE e:は58万円だ。これにより実質的な負担額はスーパーONEの方が約50万円安くなる209万200円であり、この価格はN-ONE e:の下位グレード“e:G”やガソリン車のN-ONE RSよりも安い。
スーパーONEに対して、N-ONE e:がアドバンテージと呼べる点は21km長い航続距離と小回り性能、維持費の3点くらいのものだろう。なお、EVの自動車税は軽自動車のN-ONE e:は年間1万800円、普通車のスーパーONEは2万5000円であり、車両価格を考慮すれば微々たる差だ。
圧倒的な動力性能と凝った走行演出、そして充実した装備がスーパーONEの魅力となる。そのうえ価格も安いとなればホンダ N-ONE e:を検討している人はもちろん、ガソリン車のN-ONE RSを検討している人にとっても選択候補としてスーパーONEが浮上してくることだろう。
車両本体価格
ホンダ Super-ONE:339万200円
ホンダ N-ONE e: e:L:319万8800円
