4A-G搭載のAE85ベースに突き詰めた理想のスタイル!

学生時代の夢を、10年掛けて現実に!

学生時代から海外のカスタムカーシーンに憧れていた角田さん。とくに当時のショーカー文化を象徴する“ワイヤータック”に強く惹かれ、「いつか自分のクルマでも挑戦したい」と考えていたという。

一方で、土屋圭市氏のビデオを観るうちにAE86にも魅了されていった。「ドリフトで遊べるハチロクが欲しい」。そんな思いを抱いていた頃に出会ったのが、このAE85だった。

ベース車両はショップ“RSヤス”でワイヤータック化の途中まで製作され、すでに4A-Gへ換装されていた特別な個体。角田さんは「これなら二つの夢を同時に叶えられる」と直感し、当時所有していたクルマをすべて手放して購入を決意した。

しかし、その頃の年齢はまだ21歳。自由に使える資金は限られており、購入後は雨ざらしの駐車場でボディカバーを掛けながら保管する日々が続いた。少しずつパーツを集めて完成を目指したものの、肝心のワイヤータック配線図が見つからず、長い停滞期間を余儀なくされる。

転機となったのはSNSだった。偶然にもRSヤス時代に配線製作を担当した人物と繋がり、念願だった配線図を入手。そこからはダッシュボード内部へ移設されたリレーやヒューズボックス、複雑に処理された配線と向き合いながら、補機類やエンジンをひとつずつ復活させていった。

そして気が付けば、車両購入から10年。ようやく理想として思い描いていたAE85が完成したのである。

最大の見どころは、やはりエンジンルームだ。バッテリーやヒューズボックス、リレー、ブレーキマスターバック、エアコン配管などを徹底的に隠し、エンジンだけが浮かび上がるような美しい空間を実現。まさに“魅せるために全てを隠す”というワイヤータックの哲学を体現した仕上がりとなっている。

搭載される4A-Gは、RSヤス時代に製作されたNAフルチューン仕様。戸田レーシング製4連スロットルとハイカム(IN304度/EX288度)を組み込み、フリーダムECUで制御することで約205psを発生する。さらに、ケイワークス製4-1エキゾーストマニホールドの存在感も強烈で、ショーカーらしい迫力を演出している。

インテリアにもオーナーの美学が息づく。テーマは「日本車好きの外国人が作ったハチロク」。OMP製ステアリングを採用し、オクヤマ製ロールバーはあえてシルバーでペイント。さらにダッシュボードにはアルカンターラを張り込み、クラシックな車両でありながら現代的な雰囲気を漂わせる。

また、ワイヤータック化に伴ってリレーやヒューズ類はダッシュボード内部へ収納。メーターはあえてAE85純正を残しつつ、タコメーターのみをシフトレバー付近へ追加することで独自のスタイルを確立している。

足元にはRSワタナベのエイトスポークRタイプをセット。前後に装着されたRSヤス製ワイドフェンダーとの組み合わせによって、クラシックな雰囲気を維持しながらも圧倒的な存在感を放っている。

すでに完成形にも見えるこのAE85だが、角田さんの理想はまだその先にある。エンジンルームのさらなるスムージングやシート変更など、頭の中には次なる構想が描かれているという。

学生時代に抱いた二つの夢…、ワイヤータックとハチロク。そのどちらも諦めなかったからこそ、この唯一無二のAE85は生まれたのである。

●取材イベント:Red Bull Tokyo Drift 2026

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