お便り なんでタイヤってどれも黒いのばっかり?
投稿者:茨城県/クラッシュ太郎さん
チェンの回答
そうだね。普通に売られているタイヤはどれも黒ばっかり。お洒落なシティボーイとしては(笑)、マシンカラーに合わせたカラータイヤを履いて街中の視線を独り占めしたいところだけど、実はタイヤが黒いのにはちゃんとした理由があるんだ。
その理由は、タイヤの材料であるゴムに「カーボンブラック」と呼ばれる炭素の粉末が混ぜられているから。もともとゴムだけでは、バイクやクルマの車重、加速やブレーキング、コーナリング時に発生する大きな力に耐えることができない。そこでカーボンブラックを加えることで、強度や耐摩耗性を大幅に向上させているんだ。実際、バイクを見回してみると強度が必要なゴム部品の多くが黒い。スクーターのVベルトやエンジンマウントのラバー類なども同じ考え方で作られている。黒いのは見た目のためではなく、性能を確保するためなんだよね。
さらにカーボンブラックには紫外線からゴムを守る働きもある。もし何も混ぜていないゴムを屋外で長期間使うと、紫外線や酸化によってひび割れや劣化が進みやすくなる。タイヤは毎日直射日光や雨風にさらされる部品だから、耐久性を確保するうえでもカーボンブラックは重要な役割を果たしているんだ。
「じゃあカラータイヤは作れないの?」と思うかもしれないけど、技術的には可能。実際に過去にはスクーター向けや自転車向けでカラフルなタイヤも販売されていたし、現在でも一部に存在する。ただし問題もある。タイヤは常に路面と接触しているため、汚れを拾いやすい。これは消しゴムを使っているとだんだん黒く汚れてくるのと同じようなもの。新品時は鮮やかな色でも、走り始めるとすぐに汚れや変色が目立つようになってしまうんだ。さらにバイク用タイヤには、安全性や耐久性、グリップ性能など厳しい性能が求められる。見た目を優先してカラー化しても、強度や寿命が落ちてしまっては意味がない。だから現在でも主流は黒いタイヤというわけだ。
ちなみに炭素が強度向上に使われるのはタイヤだけじゃない。鉄に炭素を加えれば鋼(はがね)になり強度が向上するし、カーボンパーツも炭素繊維によって高い強度と軽さを実現している。実はバイクの世界において「炭素」は切っても切れない存在なんだよね。とはいえ、もし愛車をお洒落に見せたいなら話は別。チェン的にはカラータイヤよりホイールの塗装やステッカーチューンのほうが現実的で長持ちすると思うよ!
まとめ
●黒いのは炭素を加えたため
●強度が増し紫外線にも強くなる
※この記事は月刊モトチャンプ2023年11月号を基に加筆修正しています。
【モトチャンプ編集部】
