PCX譲りの実用性にアドベンチャーテイストを融合したADV160。156ccエンジンとロングストロークサスペンションを備え、街乗りからツーリングまで幅広く対応する。

全長×全幅×全高:1950mm×760mm×1195mm
ホイールベース:1325mm
シート高:780mm
車両重量:136kg
エンジン種類:水冷4ストOHC4バルブ単気筒
総排気量:156cc
最高出力:16ps/8500rpm
最大トルク:1.5kgm/6500rpm
燃料タンク容量:8.1L
ブレーキ(前・後):ディスク・ディスク
タイヤ(前・後):110/80-14・130/70-13

街乗りだけじゃもったいない! ADV160の魅力

2019年にADV150として初代がデビュー。その後2022年にフルモデルチェンジを行い登場したADV160。排気量は160ccで高速道路も走行可能ま軽二輪枠にだけに通勤や街乗りを主眼としたセカンドバイクではなく、メインマシンとして使えるだけの実力を持っている。
アクティブで趣味心や冒険心を刺激してくれるルックスはもちろん、ダイレクトな吸排気設定やロングストロークのサスペンションを備え、アスファルト路面だけでなく実際にツーリング先で出くわすあらゆる路面にも対応。そのコンセプトは広く受け入れられ、スクリーンの大型化や低シート化、Hondaセレクタブルトルクコントロール(HSTC)=トラクションコントロールの採用など、初代モデルの活発なADVがより快適に、ちょっと高級になった、というイメージだ。
改めて乗ったADV160は、150cc時代とホイールベースの数値は同じだけれど、安定性が増した印象。これは15mmの低シート化が効いていて(シート高は795mmから780mmへダウン)、従来のオフローダー感がより落ち着いたSUV的な動きに変わっているのだ。
カラーリングもマット系が用意されたことで、より高級路線に舵を切った印象。ある意味初代の150ほどはPCXと差別化されていないとも言えるため、PCX 同様のとっつきやすさを持っている。

※本記事は2022年発表・2024年発売モデルを紹介。
ADVシリーズを象徴するフロントフェイス。ヘッドライト、ポジションライトともにフルLED。PCXとはひと味違う、冒険心をくすぐるスタイリングが魅力だ。
スクリーンの角度を2段階で調整可能。安全性を考え走行中に片手で操作しないよう、あえて両側のノブで調整するようになっている。
アドベンチャーテイストの跳ね上がったマフラーが特徴的。
全長395mmのリヤショックはショーワ製だ。見た目だけでなく、ツーリング先の荒れた路面にも対応する。
Φ28.6のファットバーハンドルもADVらしい個性を演出している。ファットバーを採用。ハンドルスイッチは標準的で、左はホーン、ウインカー、ライトの上下切り替え。右はハザード、セル、アイドリングストップ。
スクエア形状のLCD液晶メーターは多くの情報を同時に表示する多機能タイプ。
X字型に発光するLEDテールランプもADVシリーズの特徴。後ろ姿にも個性が光る。

「250ccじゃなくて十分じゃん!」と思わせる走り

エンジンは、PCX160をベースに低中速重視にリファイン。アクセルを開けると7000rpmあたりをキープしたまま力強く加速、PCXと3kgしか変わらない車体をビックリするほどのスピードで加速させてくれる(排気量アップに加えて4バルブ化された新世代eSP+エンジンの恩恵も大きい)。同時に250ccクラスのフォルツァも試乗しているためその活発さはさらにコントラストが効いていて、「こっちで十分じゃん!」と、しばらくは自由自在なパワー感とハンドリングに酔いしれていた。
一方で距離が伸びると、長身の僕にはもう少しポジションに余裕が欲しいかな、とか、たまたま試乗日は風が強かったこともあって、軽量ゆえに外乱に対する耐性ではどうしてもフォルツァに譲るな、とか、長い上り坂ではもう少しパワーが欲しいな、とか、当たり前ではあるものの改めてそんな違いにも気づいた。

ハンドルが高めなのでポジションに余裕あり。ステップも前後に長く好みの乗り方が出来そう。シートはADV150より15mm低くなって少し踵が浮くくらい。シートは長め(座面有効長:430mm)ながら、先端が絞られているので着座位置は自然に決まる。段差にお尻がフィットして収まりは良い。

とはいえこの自在感や気軽さと、SUV的高級感の融合とバランスは素晴らしいことに変わりないし、4バルブ化&排気量アップしたことで得た余裕も素晴らしい。シート下スペースも十分あるなど実用性も高く、日々の移動から週末の趣味ユースまで広くカバーするのは間違いない。PCXの実用性とADVならではの世界観、そのどちらに魅力を感じるかで選べば良いだろう。

ラゲッジスペース

ラゲッジは29ℓの容量があるが、フルフェイスヘルメットを入れるには深さが少し足らず。オープンフェイスタイプなら余裕だ。
容量2ℓのフロントポケットは蓋付き。中にはUSBのソケットが装備されており、スマホなどの充電に便利。

使い勝手

スマートキー採用でバイクに近付けばイグニッションなどの操作ができる。シートやフューエルリッドは電磁ロックで、ボタンでオープン。
センタートンネルに給油口。キャップ置も用意される。

ブレーキ

フロントはΦ240mmウェーブディスクに2ポッドキャリパーの組み合わせ。
リヤはΦ220mmのウエーブディスク+1ポッドキャリパーを組み合わせる。

2026年にマイナーチェンジ

2026年にマイナーチェンジ。車両とスマートフォンを連携「Honda RoadSync」を搭載し、5インチフルカラーTFTメーターを新たに採用。さらに車体前部側面のカバー形状を変更してより精悍なフロントマスクとなった。●53万9000円 メーカー公式サイトはこちら

※この記事は月刊モトチャンプ2024年4月号を基に加筆修正を行っています

【モトチャンプ編集部】