ノーマルっぽい。でも、ちゃんと弄ってる

MACHINE:MONKEY OWNER:カリスマさん

グレーのタンクにメッキフェンダー、アップマフラー、リヤキャリア付きのスタイル。パッと見た印象は、昔ながらのモンキーらしさを残したノーマル風だ。ところが細部に目を向けると、このマシンがただの雰囲気重視ではないことが分かる。

エンジンはスペシャルパーツ武川(以下、SP武川)製キットで81cc化され、キャブレターはPCΦ20mmへ変更。マフラーはOVERレーシング製で、クラッチはデイトナ製2枚強化クラッチを組み合わせる。さらにリヤショックはスプリングの巻き方に特徴のあるOKD製(280mm)へ換装。つまり、けっこう手は入っている。それなのに、全体から漂う空気はあくまで自然体。まさに“分かる人には分かる”仕上がり。カスタムスペックシートに記されたコンセプトも「楽乗り」、こだわりは「ノーマルの奥深さ」。この言葉が、マシンの方向性をよく表している。

アップマフラー、メッキフェンダー、ブロックタイヤの組み合わせがいかにもモンキーらしい。弄っているのに、弄ってる感を出しすぎないのがうまい。

SP武川eステージ81cc/PCΦ20mmキャブレター/OVERレーシング製マフラー/デイトナ製2枚クラッチ/CF.POSH製IGコイル/NGKプラグコード/エアプレーンタイプタンクキャップ/OKD製リヤショック/ノーマル風ヘッドライト/ノーマル風メーター/ノーマル風シート/ノーマル風ウインカー/ノーマル風ハンドル/ノーマル風ステップ/8インチタイヤほか

81cc化と吸排気で、気軽に走れるモンキーへ

ノーマル(50cc)モンキーは、眺めても乗っても楽しい。ただ、交通量の多い現代の交通事情を考えると、ひいき目に見ても「厳しい」場面が多いだろう。そこで効いてくるのが、ライトな排気量アップと吸排気チューンだ。

この車両はAB27エンジンをベースに排気量を81ccにアップし、PCΦ20mmキャブレターとOVERレーシング製マフラーを組み合わせている。狙いは、過激な速さではなく、街乗りでの扱いやすさ。発進や登り坂で少し余裕があるだけで、モンキーの楽しさはぐっと広がる。

マフラーはノーマルの遮熱板を使うアップタイプで、見た目の違和感が少ないのもポイント。排気量を上げて、吸排気を整えて、でも外観は大きく崩さない。こういう“さりげなさ”が、大人のライトカスタムらしいところだ。

81cc化したエンジンにPCΦ20mmキャブをセット。見た目は自然体でも、街乗りでの余裕はしっかりプラスされている。ジェネレーターカバーの肉抜き加工はモンキーカスタムの中でも人気の手法だ。

しっかり太く、重厚なサウンドを奏でるOVERレーシング製マフラーを採用。ノーマルの遮熱板を使うタイプで、パワーアップしつつ、純正っぽい雰囲気を崩さないところがニクい。

モンキーらしさを残すから、長く付き合いたくなる

1974年に発表したニューモンキーZ50Jは、レジャー用としてだけでなく、近所への手軽な足としても紹介されたモデル。ブロックパターンタイヤ、リヤキャリア、折りたたみハンドル、前後サスペンションなどを備え、小さな車体に本格的なメカニズムを詰め込んだスタイルが特徴だった。8インチの小さな足周りやキャリア付きの姿は、モンキーらしさを語るうえで外せない要素でもある。

このグレーのモンキーも、その“らしさ”を大切にしている。大径ホイールや派手な外装で迫力を出すのではなく、8インチの小ささ、ブロックタイヤ、アップマフラー、リヤキャリアといったモンキーのアイデンティティをしっかり残している。そのうえで、タンクキャップをエアプレーンタイプに加工し、サイドカバーにはMOON EQUIPMENT CO.のレタリング風デカールを追加。メッキパーツやグレー外装との相性もよく、ノーマル風だけどちゃんと自分色だ。

カスタムは、他人に「すごい」と言われるためだけのものじゃない。自分が見て気持ちよく、乗って楽しく、ちょっとしたパーツ選びにニンマリできることも大事。このモンキーは、まさにそのタイプ。派手ではない。でも、奥が深い。気軽に乗れるのに、眺めるほど味が出る。そんな“ちょうどいい自己満足”が詰まった1台なのだ。

タンクキャップはエアプレーンタイプに加工。派手すぎないけれど、近くで見るとしっかり効いている大人のワンポイントだ。

※この記事は月刊モトチャンプ2024年3月号を基に加筆修正を行っています

【モトチャンプ編集部】